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100万分の1のオンリーワンは、目指してはいけない

✔︎ 100万分の1を追求することはリスクが高い
✔︎ 広く浅く越境することでオンリーワンの価値を見つけることができる
✔︎ やりたいことが見つからない場合でも、焦らずに新しい分野を探求し、自分の可能性を広げることが重要だ

#イノベーション #成長 #オンリーワン


100万分の1を目指すことのリスク

「優位性」「差別化」「独自性」。イノベーションに挑めば挑むほど、多くの人から「オンリーワン」であることを求められる。確かに、特異な存在として市場に名を馳せることは魅力的だ。

キャリアにおいても同様で、多様性の時代の中「ナンバーワンではなくオンリーワン」という言葉が、美しい幻想として蔓延っている。しかし、100万分の1の特異性を追い求めることは、非常にリスキーであることを忘れてはならない。なぜなら、それは一種のギャンブルであり、競争の激しい市場において、99万9999の敗者になる可能性が極めて高いからだ。

競争が激化する現代の市場では、あまりにも特化しすぎた専門性を追求すると、かえって行き詰まる危険がある。特定の分野で卓越したスキルを持つことは重要だが、それが価値を狭め、競争力を失わせることにもつながりかねない。100万分の1を目指すというのは、実はリスクの高い戦略であり、それが成功する保証はどこにもない。ましてや、1000万分の1など遠い夢の先の話で、1億分の1のオンリーワンなどそう簡単になれるものではない。

広く浅く越境するという選択肢

より現実的で効果的なアプローチとして提案したいのが、「広く浅く越境する」という戦略だ。まずは100分の1を目指し、それを三つ四つ組み合わせることで、100万分の1の特異性に匹敵する強力なユニークさを持つことができる。異なる分野やスキルを組み合わせることで、新たな価値を創出するのだ。

もちろん、一つの市場でナンバーワンやオンリーワンを目指すことを否定するわけではない。深掘りする「夢」が見つからないのであれば、まずは広く浅く越境して、自分の感性に響くものを探してみるべきだ。

その中で、ナンバーワンやオンリーワンになれるものが見つかるかもしれない。一方で、多様な分野に触れることで、自己を客観視する力を養い、やがて他者とは異なるオンリーワンの存在に辿り着くこともある。100分の1の専門性を持ち、それを複数掛け合わせることで、100万分の1に匹敵する強力な競争力を生み出すことができるのだ。

「やりたいことがない」ことを恐れない

「やりたいことが見つからない」という悩みは決してネガティブな状況ではない。それはむしろ、自分を再発見するチャンスであり、「やりたいことがない」という状態は、無限の可能性を秘めている証拠でもある。

やりたいことが見つからないのであれば、無理にそれを探し続ける必要はない。むしろ、自分が「やりたくないこと」を明確にすることが大切だ。嫌なことを無理に続ける「石の上にも三年」という考え方は、時間とエネルギーの無駄になる可能性が高い。得られるものは小さく、自己成長を阻害することさえあるだろう。

それに対して、自分の感性に少しでも響くものに「石の上にも三年」の努力を注ぐことで、可能性のタネを芽吹かせることができる。最初は小さな興味から始まるかもしれないが、それが次第に深まり、やがて自分だけの「オンリーワン」を見つける道筋になる。

100万分の1のオンリーワンは、目指してはいけない

100万分の1を目指すことが成功への道とは限らない。むしろ、広く浅く越境し、100分の1をいくつか持つことでオンリーワンの価値を見つけ出すことができる。やりたいことが見つからなくても、焦らずに自分の感性に従って新しい分野を探求し、可能性を見つけ出すことが大切だ。


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