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経営層が口出しも判断もしなければ、組織はイノベーティブへと変われる

過熱した生存モードを抑えて繁栄チャネルを活発化させることができ、その結果、企業がスピーディに動けるようになり、革新と発展を遂げることができる

「生存」と「繁栄」が組織変革のキーワードになる

人間は、現状維持バイアスを持つ。成熟し、安定した環境にいれば、生き残る可能性が高まる。そこから飛び出してリスクをとって挑戦すれば、死ぬ可能性が高まる。だから人間は、安寧と現状に留まろうとする。生存するために現状維持を望むのだ。

高度経済成長を成し遂げた日本は、あの時戦後の焼け野原で何もなかった。だから現状維持など志向するはずもなく、日本全土で全員が経済成長を望んだ。「24時間働けますか」とパワフルに行動し続けて、Japan as No.1へとのぼりつめた。

その後人口の伸びが止まり、市場の成長が止まった時、マーケットの成熟が訪れた。そこで現状維持バイアスを強く発揮してしまったのだ。世界でも類を見ない特殊な「世界一強い横這い力」をもつ日本は、「失われた30年」を迎えた。

今の経営世代はほぼ「失われた30年」に仕事をしてきた。中間管理職は物心ついた頃から「失われた30年」だった。もはや組織のほとんどが「失われた30年」しか知らないのだ。

その組織が果たして「現状維持を捨てた挑戦」などできるだろうか。既存組織は変化によって生存が脅かされるリスクを嫌うことが当たり前なのだ。

まず経営がそれを自覚する必要がある。たとえ「私は挑戦を奨励している」と感じていたとしても、根底では染み付いた「現状維持バイアス」から逃れることなどできないし、そもそも「現状維持から脱却した挑戦の仕方」など知らないではないか。

これからの企業の成長のため、持続可能な経営のために、そして、日本の未来のためにこそ、挑戦のリスクをとらなければならない。まずそこに対する経営の覚悟と意志が必要だ。

そしてそのために経営層ができることは、はっきりいって何もない。既存事業のことしか知らない人間に、イノベーションのためにできることなんて何もない。何もないからこそ、これからの未来を生きる世代が挑戦しやすい環境を作ることを徹底的に意識して取り組むべきなのだ。

偉大なリーダーたちが行っていたことは、ほとんどの場合、変化し続ける世界に自身と組織を適応させ、新しい機会を活用することか、または、世界を変えるような変革を組織の中で成し遂げるべく、部下を促し率いることのどちらかだった

変革の成否は、外部環境の変化にどう対応するかにかかっています

多くの人々の中で繁栄チャネルが働いていて、機会について同じ感覚を持ち、同じ方向を向いていない限り、俊敏で適応が早く、素早く機会をとらえる組織をつくることはできない

ハイパフォーマンス組織のエグゼクティブを見ると、意識しているか否かにかかわらず、部下を過熱した生存チャネルに追いやるようなことはしていません。自分自身や周囲の人々の繁栄チャネルを活性化するために、多くの時間を費やしています



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