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「100%出し切る」はエゴである、のだ。

繁忙期と閑散期。
なんでこんなに依頼が重なるのだろう、という時期ってありますよね。
無理をすれば受けることはできるけど、クオリティを保つのは難しそう。
ひょっとしたら締切すら守れないかもしれない。
それはお客様のためにはもならないし、お金をいただくのも気が引ける。
そんな考えで「前向きな気持ち」でお断りをする時が、私には良くありました。お客様のメリットを考えて、あえてお断りするのだと。

しかし、この考え方には、重大な自己満足、もっと言えばエゴが隠れていることに、気づいたのです。
締切を守れないのは論外にしろ、クオリティの基準はお客様が決めること。いったい自分の100%でないと満足していただけないなんて、誰が決めたの?そもそも自分の全力になんてこだわるから、締切も守れない可能性が出てくるわけです。

そうじゃない。クオリティの基準はあくまでお客様の満足、自分の中で70%であろうと84.3%であろうと、成果を出して満足していただければ良いわけです。それなのにお断りしてしまえば、70% どころか提供できる価値は0、ゼロです。

多くの依頼先をチェックして、そして思い切ってメールした、電話を掛けた。その相手方のプロセスも想像しないで、「申し訳ありません、いまちょっと・・・」と答えることの尊大さ。どうしても取材の日程が合わないとかならいざ知らず、自分の100%を提供できないからお断りするなんて、なんという冷たい思い上がりだろうか。

情けないことに、期が変わって前期を振り返るたびに、そうした反省が定期的に出てくるのですね。今期こそ、これから先こそ、もうそうした振り返りをしなくても済むように。あえてここに書き留めようと思いました。

あの取材、あの社内報、あの講義。お断りして、本当にごめんなさい。


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