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コピーライターの選び方・見分け方

「初めて外部に依頼するのですが、そもそもコピーライターってどうやって選べば良いのでしょう?」。そんなご質問を受けることが、実は昔から結構あります。

そこで今回、本当に僭越ながら、私なりに基準をまとめてみました。いただいたメールへの返信のようなスタイルにしてあります。自分自身が「こうできたら良いな」という戒めの内容にもなっています。

1)プロ意識
・そのコピーは誰のために書くのか、顧客のビジネスの成功のためか、書き手の達成感のためか
・クリエイターには作品意識が高い人も見受けられ、自らの成功(知名度up)を無意識のうちにも優先してしまう人もいます
・お客様からお金をいただき、なおかつ自らの幸せを優先するのは論外なのですが、業界的にそうした人が存在するのも事実です

2)伴走力
・1度の提案で決定することは理想ですが、出来上がった案を見て、発注側として気づくことも現実にはあります
・そうした際に、「最初から言ってよ」になるか、「お互いに理解が進んだ」と受け止めるのか、先々に大きな違いとして表れます
・案件を進めながら、粘り強くお客様の課題解決に向かう。その意識がないと、最悪の場合、決裂になることもあります
・ただし、無限にやり直し可能、という状況はお互いに不幸ですので、建設的な議論は常に必要ではあります

3)創造力
・クリエイターである以上、創る力はもちろん重要です
・依頼主=お客様が思いつけないような表現を、いくつもご提出できることはプロとしての「あたり前」です
・ただし、奇をてらうだけがクリエイティブではなく、オーソドックスな表現を切り捨てない目線も重要です
・当初から会話の中に出てきていたコンセプトがそのままコピーとして使える、そんなこともあります
・無理して表現して送り手の自己満足にせず、1)に戻って成果を強く意識することが大切です

4)ヒアリング能力
・お客様も気づいていない潜在能力や訴求点に気づけるかどうか
・情報が足りないと感じた場合に、適切なインタビューを行い、水面下に隠れていた情報を可視化できるかどうか
・こうした聞き取り調査によって、思わぬ事実が見つかり、方向性が決まることは良くあります

5)価格
・世間的な相場が存在しており、私は業界の出版社が出している料金表や、所属団体であるTCC(トーキョーコピーライターズクラブ)の基準料金を参考に価格を決めています
・安さはもちろん大切ですが、それだけにこだわるとクオリティの担保力に欠ける可能性もあります。これはすべての商品に言えることと同じです

6)業界知識
・BtoBとBtoC 、それぞれにノウハウに違いがあり、得意不得意も出てきます
・ただいずれにしても、お客様の市場や背景を速やかに理解する能力があれば、どちらの領域にも適応できるものです
・このあたりは、経験値で判断する(選別する)のもひとつの手法です

7)フィーリング
・実力は申し分なくても、会話が成り立つか、もっと言えば「話を聞いてくれるか」は大切です
・私がリクルートに在籍していた時代、発注側に立つこともよくありましたが、上記はいつも意識していました

8)クラウド
・安く、短時間で、多数の案を求めるという手法において、クラウドは非常に有効だと思われます。また思わぬ才能との出会いも期待できます。  

・一方で、お客様側からの依頼説明(オリエンテーション)が適切で無いと、何百案あがってきても採用できない、ということもあります
・これは他社より聞いた話ですが、依頼がオープンになってしまうため極秘のプロジェクトには向いていない、とのことでした

以上、自らの経験と反省を込めて、列記させていただきました。ご参考になれば幸いです。ではではー。

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