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戦闘民族に戻ります

いえ、別に暴力をふるうという意味ではなく。
もう気を遣いすぎて、言いたいこと、書きたいことを呑み込んでしまう。
そんな仕事のスタイルをやめようと思うのですね。

リクルートに勤めていた頃は、常に尖っていたと記憶しています。
作っていたのは集合媒体、つまり同業他社の広告の集まりであるために、
1社だけ、1クライアントだけ突出した表現は嫌われました。
媒体全体の平和が保てない、突出したところ以外が困る。
そんなロジックでした。

でも私はと言えば、自分の顧客だけが一人勝ちして、あとは全滅させる。
そのくらいの気合いでスペースを作ってました。
だって、それが担当したクライアントへの礼儀というものでしょう?
同業他社とのバランス、そんなものは配慮する方がおかしいと、
本気で思っていたのです。

「お前は良いけど、他はどうするんだ?」
上司にそう詰問されたこともありました。

その後、子供じみていたかなと反省し、超多忙だったこともあって
とにかくスペースを埋めるような仕事が増えていきました。
さらに自分の表現欲を満足させたいという不純な思いも持ち合わせて。

もうあれから20年以上。顧客志向には回帰できたものの、
尖って勝つという部分は薄れてきてしまったように思います。
経験を積んだ分、批判も予測できるようになってしまい、
リスクヘッジの回路が常に作動するような自分になっていました。

でも、このコロナ休暇の間に、今と昔を振り返ってみて、
ああ、なんと情けない日々を送っていることかと猛省しました。
いつまで生きているかもわからない、ずっと生きていられるつもりなのか、お前は・・・その内なる声に、目覚めることができた気がします。

2カ月以上の、自粛の日々。
私には素晴らしい時間となりました。

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