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カッセルのエコロジー団地/ドイツ

ドイツのカッセルという都市に、環境共生住宅の先鞭プロジェクト、「カッセルエコロジー団地」があります。
エコロジー団地には、環境への配慮や自然エネルギーを活用したさまざまなアイデアが盛り込まれてiいて、世界の住宅政策に大きな影響を与えました。

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日本でも大阪の「NEXT21」、東京の「深沢環境共生住宅」の事例があり、今後も発展的に増えることが期待されていますが・・

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敷地内の街路は未舗装で、排水溝(桝)もありません。
雨水は自然に帰そうという発想、駐車場は共有です。
敷地内への車の乗り入れは禁止されています。共同利用もコンセプトのひとつ。
屋根は緑化。いまではよくみられる屋上緑化も、この団地での導入がきっかけとのこと。

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ひとつの建物に見えますが、2住戸です。
外壁率を低くすることで、断熱性能を高めています。
外壁の板張りは日本的ですが、ドイツでは事例が少なかった・・
設計者は、日本の伝統家屋からも多くを学んだとのこと。
ソーラーハウスで昼間暖められた空気を、夕方、換気口を開けて居室に導入します。20%の節減になっているとのこと・・
熱源は天然ガス、冷房はありません。
居住者は建築家や教授などで、環境への意識の高いひとが多いそうです

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■Ⅱ期工事部分
設計者は同じですが、当初のコンセプトが若干ゆるんできています。
街路は石舗装、ただしここでも排水はとっていません。車の乗り入れは可となっています。

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■Ⅲ期工事部分
設計者は変わりました。当初のコンセプトからは大きくはずれています。
街路はアスファルト舗装、外壁は工業化パネル。
Ⅰ期からⅢ期までみると、人間の理想とエゴ、努力と妥協が垣間見えます。
居住者にも意識のギャップが生じてきており、特に入居者層の子供たちの世代は、必ずしも満足してはいない(不便を感じている)とのこと。
いろいろ考えさせられます・・


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