【社長日報】従業員が退職した、という辛い事実と向き合ってみた

今朝、Twitterをみていたら、この投稿が目に止まりました。

最後の2行にとても納得、そして共感しました。

実は弊社、リモートワークを導入して以来、退職希望者はほとんどいません。WEBやパンフで理念を伝えだしてからは、いい人材とも比較的に出会いやすくなった。

ただ、久しぶりにコアメンバーの希望退職者が出ました、しかもどちらかというと後ろ向きな理由で。このタイミングで、このTwitterをみた、この絶妙な機会に改めて、私なりに「従業員への退職」について、見つめ直してみました。

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そもそも、スタッフは退職していく前提で考えていた

当社には「いまはパートナーの扶養内で働きたい」というスタッフが、多く働いてくれています(全員じゃないけど)。

子育て、介護、パートナーのサポート、身体的問題など理由はそれぞれで。ただ子育て起因が一番多いです、やっぱり。

なので

「いまは在宅勤務!でも将来子どもが大きくなったら、フルタイムでオフィス出勤しながらバリバリ働くぞ!」

そう思えるようになったら、原則卒業してもらっても全然構わない、むしろそうなったら、応援したいと思っています。これはリモートワークを導入した4年前からずっと。従業員のライフステージにおいて、ここが「キャリアを途絶えさせない場所」になればいいなと思っているので。

もちろん「在宅勤務は一時的な働き方だと思ってたけど、案外ずっとこれでいいかも。」と思ったなら、ぜひぜひ残ってもらえたら、それはそれでとても嬉しい

子どもが手を離れたし、在宅でもっと働けそう!稼げそう!となったなら、ウチの仕事に加えて、Wワークでもパラレルワークでも副業でもなんでも、どんどんやってくれればいいし。

そもそもいまのご時世、ひとつの収入源に重心かけるのって、個人的には凄くリスキーなことだと思ってる派。ウチだっていつ倒産するかわからない。それこそコロナショックにより、いままで「倒産」なんて全く頭をよぎったことのない、順風満帆・黒字経営の企業さんが、急遽正念場を迎えたりしている。

だからこそ従業員には、経済的にも精神的にも、バランス良く仕事と家庭を両立してほしいんです。


退職の「理由」に敏感でいたい

ただ残念ながら、辞める理由は上記のような前向きな理由だけ、とは限りません。特に経営が行き詰まった時。いくら理念を語っても、それだけですぐに、従業員のお腹が満たされるわけじゃないから。

コロナショック自体からはいまのところ、大きな影響はうけていません。(いまのところ、ね)
ただ昨年起きたリクルート社の事件は、非常に大きな影響をもたらしました。

毎年この時期、お仕事をいただく大口顧客が単月で対前年度−90%の売上。うちにとっては年最大の繁忙期直前に起きたスキャンダルだったので、正直厳しい状況でした。

この事態をどう乗り切るか、売上が下がる前から幹部で何度も何度も話し合い、布陣を組み直し、メンバーの工数を配分しなおし、「みんなで生き残れる形」を模索しました。その結果、いまも経営を続けられています。

ただそれとは引き換えに、退職者も出ました。それは長年、尽くしてくれたコアなメンバーたち。「会社の方針と自分の方針が違うなら、この場を私が去るしか無い、そのほうがいい」と。

でも理由はほかにもあると思います。表情をみればなんとなくわかる。真実全てを知ることはできないけど、一部の従業員が不満・不安を抱き、退職を選んだ理由になった。後ろ向きな退職であるのは事実です。

退職者がでるのは全然構わないんです。ただできれば理由は、「前向き」であってほしい。人を雇用する立場である以上そう思います。

だから今回、後ろ向きな退職を選ばざるを得なかったメンバーの思いは、忘れずに刻んでおきたい。そう思ったのでnoteにしたためました。ほかのメンバーのためにも、この会社、この船をさらに強くして、残し続けていくためにも。


ビジョンは、嵐のなか進む船の「舵」みたいなもの。

この危機で決めた「みんなで生き残れる形」は、私からメンバーひとりひとりに個別面談しておろしました。その際、みんなからはいろんな言葉をもらいました。

「まだこの会社に貢献できてないから、残って頑張りたい」
「辞めろと言われたら、無給でも続けるつもりでした」
「何にも力になれないかもですが『松本さん頑張って!』と応援してます!」
「自分が出来ることを、きちんとやるのみです!」

情熱、共感、応援、冷静…。みんなそれぞれの思いをそれぞれに伝えてくれました。中にはともに涙しながら、思いを伝えてくれるメンバーも。嬉しかったです。あぁそんな言葉をかけてもらえるんか、と。

今回、退職者を出してしまったのは、経営者としての力量のなさに尽きると思っています。ただこの嵐の中、全員沈没は回避できた。その舵となってくれたのが「ビジョン」だったな、と感じてます。

ビジョン「家庭の事情でキャリアを諦めない会社を創る」

言語化したのは最近のこと。この理念がいろんな判断基準になってくれたし、どっち向いていいかわからんかった時も、決断できた。

おそらく船頭(社長)がやるべきは、嵐の波風に負けないよう力強く舵を取ること、こちらに進むんだといい続けること、それが一番なんだろうなと。

結果的にはその「ブレなさ」が、いろんな人の幸せに繋がるはず、そう思う今日このごろです。

ではまた。



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