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NOW AND THEN

 ジョンが弾き語りをしたカセットテープの音源を基に3人のビートルは集まったが、技術的障壁で楽曲完成を断念したのは1995年。その後ジョージも2001年に世を去った。
 残された音源に立ちはだかる技術的な障壁を28年の時を経てAIがブレイクスルーした。45年前の声を蘇らせた(生成したのではない)。
 今回のプロジェクトに賛否両論があるのは当然だが、
プロデューサーであるポールの熱意と友情はジョージ・マーティンが商業主義で作った「LOVE」とは一線を画している(と私は信じたい)。
またジョンは天国で嘆いていない(と私は信じたい)。
 ジョンはこの音源の録音当時(1978)、ビートルズ再結成を否定しなくなるほど、心境の変化があったのだから。
 もちろん 歌詞はジョンがヨーコに宛てたものだったが、皮肉屋のジョンからポールへのラヴレターという側面もあったのかもしれない。
 ヨーコがポールに音源を託したのは、天国のジョンがヨーコにさせたことのようにすら思えてくる。

本当だとわかっている。すべてお前のおかげだった。…… 時には思う、お前が恋しいと。
I know it's true. It's all because of you. …… Now and then I miss you.

 ポールは言っている「ジョンと出会わなかったら、僕は小さなパブ・バンドで演奏していたかもしれない」
 ジョンとポール、水と油のような二人の少年が出会わなかったら、奇跡のような化学反応は起きなかった。
 また後期のビートルズにおいて ジョージ・マーティンの功績は否定できない。
だから 私は”Now And Then”を聴く。
 それでも、リミックスされていない生演奏のビートルズが私は好きだ。たとえどんなに完成度が低くても。
 美しく作り込まれた”Now And Then”を聴いた後はBBCライヴの荒削りの音で涙を流したい。


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