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鰻の焼き方は、関東風?それとも関西風?

こんにちは、もののふです♪

今回は、もののふが選ぶにほんものということで、「鰻の焼き方は関東風?それとも関西風?」を紹介していきます。

うなぎの蒲焼には関東風と関西風の違いがあるのはご存知でしょうか?

実は、調理方法が違うのです。

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簡単に言うと、一度蒸すことによりふっくらと仕上げる関東風、生のうなぎを直火で焼くことでパリッと香ばしく仕上げる関西風です。

この関東風と関西風を両方食べることができるお店を都内で発見しましたので、行って調査してきました。

今回お伺いしたのは、高田馬場にある「鰻専門店 愛川」です。

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東京メトロ東西線高田馬場駅7番出口を出て徒歩5分のところにお店はあります。

こちらのお店では厳選された活鰻を使用しており、この日は鹿児島県産の鰻でした。

鰻と言ったら静岡県浜松市を思い浮かべますが、実は鹿児島県は鰻の養殖量は日本一です。

鹿児島県の温暖な気候や、鰻の稚魚(シラス)がよく取れることもあり、昔から養殖が盛んです。そのため今流通している国産鰻の約40%は鹿児島県産です。

鹿児島県出身の偉人である西郷隆盛も鰻が大好物だったそうです。

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※写真は上野公園にある西郷隆盛像です。

ここ「鰻専門店 愛川」は、予約の時点でメニューの注文と焼き方を伝えるとスムーズです。

またオープン時間に予約したので、一日に数本しか作れない希少部位を使った「鰻の肝焼き」を注文しました。

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生臭さが全くなくつけてあるタレも良く合い美味しい逸品です。

続いて、鰻重が運ばれてきました。
注文を受けてから鰻を捌き、焼くので注文後40分で運ばれてきました。

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この日は、関東風と関西風(+100円)を注文したので、見た目の違いをみていきましょう。

①関東風

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②関西風

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違いはわかりますでしょうか?
関東風は蒸す工程が入るため、余分な脂が落ち、ふわっとした仕上がりに、関西風は蒸さないで焼くためパリッと香ばしい仕上がりになります。

関東では背側からうなぎを開きます。
その理由は諸説ありますが、武士が多い江戸前では、「切腹」を連想させる腹開きは縁起が悪いとされたことが由来だと言われています。

対して、関西では腹開きが主流です。
武家社会の江戸前に対し、関西は商人文化であり、「腹を割って話す」ことを好む文化が腹開きの由来だと言われています。

うなぎは背側から捌くと大人しく技術的に捌きやすいため、1700年代の江戸の外食産業の発展と、それに対する料理人不足の背景から、関東では熟練度の低い料理人でも容易に捌くことができる背開きが主流になったという説もあります。

関東では素焼きをしてから蒸す工程が入ります。
背景には、江戸の外食産業が発展した理由に江戸には単身赴任者が多かったと言われております。このことから、素早く料理を提供することが求められていました。

鰻を焼き上げる前に、蒸して下ごしらえをすましておくことで、注文が入ってからタレを塗ってサッと焼くだけの状態にすることができます。
調理時間が短縮できるこの調理法は、気の短い江戸っ子に素早く提供するのに合っていたのですね。

対して関西では蒸さずに直火で焼きます。
焼く技術によって身を柔らかくするのです。ただ実際に関西風の鰻を味わっても驚くほどふわっとしているお店もよくあります。

同じ鰻でも、ふわっとした身が箸を入れるだけでスッと崩れ、口の中でトロける関東風と、パリッと香ばしく焼かれ、食べた瞬間のサクッとした食感に心が踊る関西風ではかなり味わいが違います。

今回関東風と関西風を食べ比べてみて、同じ鰻でも調理の工程が違うだけで、こんなにも印象が異なることを初めて知ることができました。

関東風と関西風、どちらが良いとかはその人の好みによるところもあると思いますが、是非機会があれば食べ比べてみてはいかがでしょうか。

【補足】
関東風と関西風の境界線は、静岡県と愛知県の県境周辺と言われています。
実際に、鰻で有名な街、浜松では、関東風、関西風どちらの調理法のお店も混在しています。


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