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コロナ対策金により爆誕した13mの巨大イカを能登半島に追った話

あなたのココロのスキマ♡ライカと写真でお埋めします、hirotographerです。(※お得な情報もありますのでぜひ最後までお読みください)

第壱話「イカ、襲来」

【平穏な田舎町を猛威が襲った】
去る2022年5月、人口1.8万人ほどのとある田舎町が巨大イカの襲来により突如壊滅・・・・・・
的に国内外のマスメディアのヤリイカ・・・いや、やり玉に挙げられた。国内はおろかBBCなどの海外メディアにまで取り上げられてしまい、北陸の小さな町が世界から好奇の視線に晒されることとなった。これをのちにファーストインパクトと呼ぶ。

報道によると、能登町はモニュメント建設に臨時交付金8億円のうち2500万円をつぎ込んだ。新型ウイルス対策に直接的に使用する必要はないものだが、新型ウイルスのパンデミックが収束していない中で巨大イカに多額の資金を投じた行政には、一部から批判の声が上がっている。
能登町は地元メディアに対し、パンデミック後に観光客を呼び戻すための長期的な計画の一環だと説明している。

第六話「命名、第3新能登町」

【その名はイカキング】
このイカモニュメント、一般公募により「イカキング」と命名された。

日本人の一般常識であるドラクエを基準に考えると大王スライム>キングスライムとなっているので、ヒエラルキー的には大王イカより格下のはず
なのだが、なかなかどうして13mというサイズ感は侮れない。2500万という高級スポーツカー並みの価格であるが自然溢れる能登の景色の中で近隣のエネオスに迫りゆく姿はすでにして十二分に奇怪遺産ぶりを発揮している。
(写真:エネオスに迫りゆくイカキング)

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ちなみに13mともなるとGoogleマップにも掲載されるようだ。
クチコミは★5つ!

第七話「人の造りしイカ」

【30秒でわかる!!イカキング爆誕の歴史🦑】
さてここでイカキング爆誕の歴史を紐解きたい。

2020年 1-2月 世界がコロナ禍に突入
      4月 コロナ対策用の臨時交付金が内閣閣議決定
                7月 昨年7月の町議会にイカモニュメント予算案が提出され可決
              10月 イカモニュメント制作開始
              12月     町議会にて完成イメージ図を公表
2021年 3月 イカモニュメント設置
               4月    イカモニュメントの名前を募集開始
               5月    国内メディアに加えBBC、英ガーディアン、ロイター通信、
                         ニューヨーク・タイムズが報道
               6月    多数決によりイカモニュメント「イカキング」と命名

「イカキング」と命名されたのはつい先日のことだ。
次点の優秀賞は「いかまる」「つくも大王」というが
「いかまる」はどう見てもモニュメントというよりはお土産のお菓子の名前だ。系統的にはイカ煎餅系のスナックを連想させる。多分少し甘味のある醤油味。
「つくも大王」はスルメイカをアピールしたいのに大王イカが獲れるという誤解を未来永劫にわたって残してしまうという禍根を生み出しかねないリスクを孕む。そこに至って「キング」という英語を冠したのは海外の報道機関の注目も集め、国内外にわかりやすくアピールできる!!点において大変納得感がある(何が)。

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住民Aさんによると「巨大イカ?ええ、あんなやつパスタにしてやりましたよ」と美味しそうなパスタが出てきたので紹介したい。

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第九話「瞬間、イカを、重ねて」

【なぜイカのモニュメントなのか?】
現地の人に聞いたところいわゆる報道された時期に「誘導するような」マスコミの取材電話もあったとのこと。所詮外野が騒いだところで当事者なりの優先事項がある。果たして新聞にかかれているような町議会の「モラルの問題」と切り捨ててよいのだろうか?

イカ!!・・・いや、否・・・これはイカの造形を模した能登の魂の叫びなのである。(否と🦑ってなんか似てない?)

モニュメントは、この風光明媚な景勝地に今年3月末に出現した。「イカを食うか、イカに喰われるか」とのコンセプトで町が制作。家族連れやカップルらに写真を撮ってもらいSNSで発信してもらうよう、「写真映えするようなインパクトを重視した」(町ふるさと振興課担当者)という。
https://president.jp/articles/-/46204?page=

10年以上能登に通っている私の見解だが、能登にインスタ映えスポットは限りなく少ない。これは写真スポットが少ないという意味ではなく、自撮りで拡散したくなるようなわかりやすい写真スポットが非常に限られている、という意味だ。観光資源をSNSで拡散しあい、観光客誘致しようと市町村がしのぎを削っている昨今において、まさに観光地として食うか食われるかの厳しい状態をイカが体現している近代アートといえよう。

(写真は食うか食われるかのイメージ図↓)

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第拾六話「死にイカる病、そして」

【コロナ臨時交付金の正しい使い道とは?】
もちろんコロナ対策用の臨時交付金ではあるのでコロナ対策で使うべきという意見もあるだろう。
ということで調べてみたがコロナ感染者が出た場合、能登町における病床数は公立宇出津総合病院の1のみ。感染拡大時には3まで増えるが、重症向けの病床はゼロなので重症の場合は輪島市まで行かなくては病床がない。これを見る限りそもそもお金でどうにかなる医療キャパシティが能登町には存在しないのである。

そのため能登町としては人が来てコロナが問題になっているというよりはコロナのせいで人が来ないのが大きな死活問題なのだ。人が来てコロナが問題になっているというよりはコロナのせいで人が来ないのが大きな死活問題。
空港の利用率が下がれば最悪廃線の恐れもあり、そうなると本当に能登は陸の孤島になってしまう。

であればと攻めに転じた発想から出てきたのがこのイカキングなのだ。
モニュメント自体はメンテナンス費用も特に要らず、写真で能登を広めるいわゆるインスタ映えスポットになることを考えると、2500万円程度の使い道としては悪くない選択肢ではないだろうか。能登で撮影することも多いが、特に冬に日照時間の少ない日本海側で太陽に左右されない写真スポットというのは非常に貴重だ。

(写真は「イカ」に捕食された『ライカ』おじさん↓)

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第弐拾話「心のかたち イカのかたち」

【能登とイカの深い結びつき】
なお実は能登では全国でも珍しいイカの魚醤「いしり」がある。しょっつる(秋田県)、いかなご醤油(香川県)と並び、日本三大魚醤の一つである。
旨味成分は醤油の2倍以上というすごい調味料。
我が家ではスープの旨味が足りないときや鶏肉の下味(めちゃくちゃ柔らかくなる)、カレーの隠し味(南インド料理にナンプラーを入れる感覚)としてなど大活躍している。ぜひ試していただきたい。

なお、能登町の小木港はスルメイカの全国有数の水揚げを誇る。イカ推しの背景にはこういった部分があることは新聞などではあまり報道されないのは非常に残念だ。もちろんイカをはじめとした海産物を美味しく料理してくれるレストランや宿も能登にはいくつかあり、さらに隣町にはなるが輪島のラトリエ・ドゥ・ノトがミシュラン一つ星に選出されるなど食の話題には事欠かない。海外からも能登独特の発酵文化を学びによくシェフが訪れている印象だ。

(写真はラトリエ・ドゥ・ノトのスズキのグリエとイカのリゾット)

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メディアの中では「こういう形で能登町が世界に知られるのは恥ずかしい。」という住民の声が紹介されている記事もあったが、「悪名は無名に勝る」という言葉がある。全力でイカに振り切ったことで2500万払っても通常ではなしえない最高のPRが出来た、という結果につながっている点は大きい。そういう意味ではこのイカキングは成功、と言って良いんじゃないかと思う。
海外では「先住民の虐殺者」としてコロンブス像が破壊される事件があったが、イカが人類を虐殺して台頭でもしないかぎりこの巨大イカについてはそんなことにはならないだろう。余ったお金があればスプラトゥーンとコラボしたらいいのに!!任天堂さんお願いします!!

最終回「世界の中心でイカを叫んだけもの」

【助成金を使ってイカキングに会いに行こう!!】
というわけで能登町とその新たなシンボルたるイカキングに興味を持っていただけたと思うがそんな方々に朗報だ。観光で人を呼ぼうと努力している能登町に旅すると以下の助成金をもらうことができる。
なんと一人当たり2,000~4,000円の還元だ。

さらに3か月先なら飛行機も片道10,000円未満と大変にお得!!
飛行機使えば、早い・安い・うまいと3拍子揃った観光地。
帰りはもちろん楽々な能登空港Outでも、ちょっと金沢に立ち寄って新幹線 or 小松空港からのOutでもOKだ。

①のと里山空港利用助成制度
のと里山空港を利用して能登町内の宿泊施設に宿泊すると
大人2000円/小人1000円 の助成金がもらえる
※飛行機のご搭乗案内(ピンク色)または搭乗証明書を提示

②能登町観光誘客促進宿泊助成金
レンタカーを使用して町内宿泊施設に宿泊すると
1台あたり2000円
※レンタカー利用時に渡される貸渡契約書を提示

①と②は併用できる。

もちろん今回もこの助成金は最大限活用させてもらった。

ちなみに能登町のホームページだが2万人以下の町と思えないほど大変充実しており、ちゃんとしたライターが取材の上で記事も書いていて読みごたえがあることもお伝えしたい。

イカキングだけに脚光があたらず、それ以外の能登の魅力にも是非認知が進むようになると嬉しい。

Instagramから拾ったイカキング選手権の個人的な優勝はこちら↓
みなさんもイカキングと独創的な戯れ方にチャレンジしてインスタ映えを狙おう!!

まとめ

というわけで最後までお読みいただきありがとうございます。
今回のポイントはイカの3点になります。

・イカキングはデカい、映える、SNSにUPで海外からもいいね!多数
・能登はイカが名物、魚醤「いしり」がおすすめ!
・助成金はマジお得。活用して能登へ遊びに行こう!

ちなみに「旅するカメラ」のnoteで能登についても紹介しているので是非お時間のあるときにでも見ていただけたら喜びます!

これからも写真や旅に関するnoteを定期的に発信していく予定です。興味を持っていただけたり、少しでもココロのスキマ♡埋まったな♡→❤️、と思ったら、フォロー、いいね、頂けると嬉しいです。
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