ブラックハットASOとは?やってはいけない理由は?
■ このnoteは何?
こんにちは!Repro Growth Marketer の稲田宙人(@HirotoInada)です。
このnoteは 連載ASO解説記事 "3 minutes ASO" の6本目の記事になります。
今回は「ブラックハットASO」に関してまとめていきます。聞きなれない言葉かと思いますが、ASOをやる上で絶対にやってはいけない手法を総称してブラックハットASOと言います。
コンテンツ構成は以下になります。それでは早速いってみましょう〜!
1. ブラックハットASOとは
まずは概念の説明からです。
■ ブラックハットASOとは?
・ガイドラインに違反する・ユーザーを意図的にだますような手法で、検索順位・DL数・レビュー・評価を操作するようなASO施策の総称
ここで注意が必要なのが、ガイドラインに違反するものだけがブラックハットASOではない点です。本来の知名度よりも有名に見せようとするなど、ユーザーを騙すような手法も広義上はブラックハットASOに該当します。
主に、ブラックハットASOは以下の2つの観点で実施されているものが多いです。
①:DL数
②:レビュー・評価
次の章では、実際にどのような手法が存在するのかを詳述していきます。
2. ブラックハットASO手法例
2-a. DL数
まずはDL数観点でのブラックハットASOの手法例です。
①:ボットによるインストール
ボットによるダウンロード数の水増しを指します。両OSにおいてダウンロード数は検索順位決定に影響を及ぼしますが、DL数水増しは禁止されています。
尚、インセンティブ付与を条件としたダウンロード促進キャンペーンは完全にブラックハットには至りませんが、実行は推奨されません。本理由に関しては後述します。
②:トレンド検索の操作
iOSAppStoreでは、検索タブにトレンドキーワードと呼ばれる枠が存在します。この枠に掲載されることで大量の流入が見込まれますが、本ブラックハット手法は意図的にそこに特定のキーワードを並べようとするものです。
具体的には、特定のキーワードをbotなどを使用して大量に検索をさせるものになります。
③:払い戻しによる有料ランキングの操作
有料アプリのランキングにおいては直近数日の売上高が直接ランキング順位に影響します。本ブラックハット手法は、有料アプリを購入したユーザーに後ほど払い戻しを行うことを条件にダウンロードを促進し、見かけ上の売上を増加させランキング上位を狙うものです。
同様の手法で、一時的にアプリの価格を何十倍にも釣り上げて、数人の友人にインストールさせるものもあります。
このようなランキング操作を目的とした、ダウンロード促進や売上操作施策は強く禁じられています。
④:キーワードの詰め込み
Androidにおいては、キーワードを複数回繰り返し含有させることで検索順位に影響があると言われていますが、不自然な詰め込みなどは規約で禁止されています。例えば以下の例では「dog」の検索順位を上げる為に連続でキーワードを詰め込んでいるのが見て取れます。
Source:Google Play Store デベロッパーポリシーセンター
特に2019年11月のポリシー厳格化に伴い、本手法はかなり厳しく見られるようになっているので絶対にしないようにしてください。
⑤:他ブランド名の模倣
他ブランドをわざと模倣したようなアイコンやタイトルを設定することは、ガイドラインで強く禁じられています。また、競合名を説明文の文章中に紛れ込ませるなどの手法も禁じられている点に注意です。
Source:Black Hat ASO for Mobile Apps & Games: What is It and How It Works (and Why you Shouldn’t Do It)
また、本手法に関しては、AndoridPlayStoreのガイドラインが非常に分かりやすいので参考にしてください。
2-b. レビュー・評価
続いてレビュー・評価に関するブラックハット手法です。
①:レビューを買う
インセンティブを与えて高評価レビューを書くように促進するのはブラックハットASOにあたります。
②:botによるレビュー書き込み
①と同じ理由で、botなどによるレビュー数の水増し行為は強く禁じられています。両者に共通するのが、レビューの文章が単語だけであったり、意味のないような文章である点です。
③:特定のキーワードを書くように促進する
Androidではレビューの文章中のキーワードもインデックス対象になると言われています。これを利用して、順位を上げたい特定のキーワードをレビュー中に含有させるように促進することはブラックハットASOです。
④:競合アプリにネガティブな評価をつける
競合アプリに誹謗中傷などのネガティブ評価をつけるのは当たり前ですが、ブラックハット手法にあたります。
③:自分のアプリを自分で評価する
こちらも当たり前ですね。自分のアプリに複数のユーザーIDなどを用いて高評価レビューをつけるような水増し行為は厳しく禁止されています。
また、上記とは別にiOSにおいてはレビュー促進に一点注意が必要になります。2020年3月のガイドライン改定に伴い、Appleが公式に提供するStoreKIT以外でのレビュー促進が完全に禁止されました。サードパーティツールを使用した評価・レビュー促進は現時点では完全に禁止されている点に注意してください。
3. なぜブラックハットASO手法は使ってはいけないのか?
さて、ここまでブラックハットASOの具体的な手法例をご紹介してきましたが、どれも簡単にできる手法であることから、こんなことを考える方もいるのではないでしょうか??
「簡単にできて効果がバツグンなら早速明日からやってみよう!」
いや、絶対ダメです…🙅♂️
一見魅力的に見えるブラックハットですが、どのような危険性があるのかをこの章では解説していきます。
理由①:アプリが削除される可能性
ストアのガイドラインに違反した施策なので当然ペナルティを受ける可能性はあります。一時公開停止で済む場合もありますが、アプリ自体が削除される可能性も存在します。また、同デベロッパーが複数のアプリで同様の行為を行なった場合、最悪の場合デベロッパーのアカウント自体が凍結される恐れもあります。
理由②:効果は瞬間風速的
前述した施策は確かにダウンロード数やダウンロード率を改善する上では効果的ではありますが、その効果は継続しません。
特にインセンティブによるダウンロードなどは、ダウンロードされた後にすぐに削除されるケースが多く、本質的なアプリの価値が向上することは絶対にありません。
また、レビューの水増しなども同様です。見かけ上は良い評価に見えても、ユーザーはそれがサクラレビューか本当のユーザーの声かはちゃんと見ています。
理由③:外注費がかかる
世の中にはブラックハットASOを生業とする会社も存在します。多くの場合、ブラックハットを取り入れたい事業者の方は、業者に外注しての施策実施となります。アプリが削除されるかもしれない危険を冒して、さらに瞬間的な効果の為にお金を払うって無駄ですよね?
■ 最後に
このように、ブラックハットASOは百害あって一利なしです。
特に、Androidでは昨年8月から、アプリの質的データ(アンインストール数・クラッシュ数・リテンションレート)をより重視した評価方式にすることを発表しています。
小手先のテクニックでユーザーを獲得しようとするようなアプリはどんどん淘汰されていくでしょう。
まず一番に大事なのが、ユーザーが求めるプロダクトを提供できるか。
その後に、プロダクトを見つけてもらいやすくするために、綿密なキーワード調査・ユーザー調査によるホワイトASOが存在するのです。
今週の "3 minutes ASO" はここまで!また来週お会いしましょう!
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