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東京で出会った素敵な美容師 #28

美容室にいく頻度って、一般的にどのくらいなんでしょうか。

みなさんはどのくらいの頻度で美容室を利用していますか。

僕は、短髪で少し伸びると髪型がうまく決まらなくなるので月に一回は美容室を利用しています。


高校生までは、近所の商店街のおっちゃんの理容店で髪を切ってもらっていて
大学生になり、先輩の紹介で大学の近くの美容室に通うようになりました。
それから約9年間、その美容室にお世話になりました。


27歳のときに僕は上京しました。
上京してからいくつかの美容室に行きました。

家の近所にある美容室、当時の恋人の家の近くの美容室、よく遊びに行くエリアの美容室

僕の記憶では7店舗くらい利用しました。
どの店舗も2〜3回利用してみて、なんとなく違うなって思ってしまい
また他の店舗を利用するというのが続きました。

なかなかしっくりくる美容室に巡り会えませんでした。


仕上がり、店の雰囲気、スタイリストさんの人柄

いろいろ考えているとなかなかここだ!と思うお店がありませんでした。


僕が美容室を選ぶ上で条件は

・毎回違うスタイリストさんだと緊張してしまうので、同じ人に担当してもらいたい
・女性に触られると緊張してしまうので、男性のスタイリストさんがいい
・会話せずに髪を切ってもらうのはなんとなく気まずく感じるので、ある程度会話もたのしみたい
・髪のセットが苦手なのでいろいろと親身に相談にのってもらいたい
・髪を切ってもらったあとに気分が上がる

僕にとって美容室は、気分を変えたいときに大きな役割を果たしてくれています。
落ち込んだときや何かに行き詰まったときは思い切って髪型を変えたり、髪色を変えたり、パーマを当ててみたり
デートの前は、かっこよくしてもらって気分をあげたり
仕事をがんばったご褒美に、ヘッドスパのオプションなんかをつけちゃったり
僕の生活の節目節目に、彩りを足してくれる場所が美容室です。


美容室探しは、僕の生活の質を上げるためにとても重要なことでした。
上京して三年目の年に、メンズ専用の美容室を予約しました。
自宅から片道1時間。ホットペッパーで口コミを隅々まで読んで、良さそうだと思ったところを予約しました。


初めての美容室は毎回本当に緊張します。

どんなスタイリストさんが担当してくれるんだろう。
お店の雰囲気はどんな感じだろう。
ちゃんと思った通りに仕上げてくれるのだろうか。

こういう緊張からも早く解放されたかったです。
でも美容室選びを妥協したくない自分もいて、当時の僕にとっての美容室は緊張とストレスが強い場所でした。


美容室に到着して、僕を迎え入れてくれたのは
とても若そうな男性のスタッフでした。
明るい髪色で、元気がよくて好青年といった印象でした。

その彼が僕のカットを担当してくれました。

席に案内されてからとても丁寧にカウンセリングをしてもらいました。
そして、カットもとても丁寧…というよりも一生懸命にカットをしてもらっている印象がありました。

今まで美容室を利用して、丁寧にカットをしてもらったと感じることは何度もありましたが
一生懸命にカットをしてもらったと感じたのは初めての経験でした。

仕上がりにもとても満足しました。

仕上がりに満足している僕の様子をみて、そのスタイリストさんも一緒に喜んでくれているような、そんな印象がありました。

また来たいと素直に思えたそんな素敵な1時間でした。


そしてその翌月、そのスタイリストさんを指名して予約しようと思ったのですが
予約サイトの指名できるスタイリストさんの一覧に彼はいませんでした。

辞めちゃったのかなと残念に思ってスタッフの紹介ページを見ていると
先月、僕のカットを担当してくれた彼はアシスタントとして紹介されていました。

きっとスタイリストとしてデビューしたばかりなのかなと、なんとなく察しました。

先月担当してくれた彼に担当してもらえることを期待して、指名なしで美容室の予約をしました。

そして予約当日。
先月と同じ彼が迎え入れてくれました。

「お待ちしていました。また来てくださって嬉しいです。今日もかっこよくさせてもらいますね」

爽やかに、元気よく、嬉しそうに僕を迎え入れてくれました。

そして、先月と同様に一生懸命にカウンセリングとカットをしてくれました。

今回は、いろんな話をしました。
僕の上京の話や上京してからの美容室探しの話。
彼の生い立ちや美容師になろうと思ったきっかけ。


彼はスタイリストとしてデビューしたばかりで、毎日遅くまでカットの練習をしていると話していました。
指名がない状態なので、基本的に新規のお客様を担当していて
毎日毎日、カットしたくてウズウズしていると言っていました。

とても純粋に楽しそうにその話をしてくれました。

そしてとても印象的だったのが

「僕、メンズカットが大好きなんです」


という言葉でした。


本当に大好きなことを仕事にしている人って強いなと思いました。
彼は、仕事を純粋に楽しんでいるように感じました。

彼の言葉は全て前向きで、とてもキラキラして見えました。

なにより僕のために一生懸命に親身になって、全力でかっこよくしてくれようとする姿勢がとても嬉しく感じました。


初めて彼に担当してもらってから、4年が経ちます。
4年の間で彼は二回、店舗の異動があり
僕も彼の異動に合わせて利用する店舗を変えて、毎月彼にカットを担当してもらっています。


初めてカットを担当してもらったときから彼は変わらず、いつでも前向きに仕事を楽しんでいるように見えます。

人生の大半は労働をしているわけで
その時間を楽しめる工夫って本当に大切だと思います。
そして楽しく活き活き働く中で、誰かにとって価値のあるものや価値のある時間を生み出すことを
自分自身の喜びだと捉えられる価値観を育てていきたいと
彼に会うたびにそんなふうに思います。



以上が、僕が出会った素敵な美容師さんのお話です。


僕のnoteは、これまで僕自身のセクシャリティについてのことを中心に投稿してきましたが
先日、カットにいったときに改めて担当のスタイリストさんのことが素敵だと思ってnoteに自分の記録として残しておきたいと思って今回記事にしました。

自分のセクシャリティについての話を記事にしようとすると過去の経験と向き合わないといけなくて、精神的に負担に感じることが多かったです。
今回、セクシャリティに関係ない記事を書いてみて、こういう日常のふとしたことって気軽な気持ちで書けるんだと発見がありました。

また時々、こんな感じで日々の生活の中の何気ない出来事なども記事にしていきたいなと思いました。

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