自主企画展について
他のSNSで前から見ていてくれている方はご存知だと思いますが、2020年、2021年に自主企画展を主催したことがあって、そのことについて書きます。
多くの人にとっては、参考にならないかもしれないけど、誰かの何かの参考になることもあるかもしれないので、書いてみます。よろしくどうぞ。
そもそも企画展って?
そもそも企画展って?展示って?って方もいると思うので、ざっくりの簡単な説明からしたいと思います。
そんなん知っとるわ、ボケ!!って他人は、「どんな企画展をしたか」までスキップして読んでください。
展示とは?
多くの人にとって、展示というとイメージしやすいのは、美術館の絵画展ですかね。
でも、規模も色々あるし、展示物も色々なので、一概には言えませんが以下のような定義だと思います。
なので、美術に限らず、物産展や朝市、店頭ディスプレイなんかもある意味展示です。
もう1つ踏み込むとするなら、ただ物が無秩序に並んでいるのではなく、なんらかの意図を持ったセレクションがされているものが展示だと考えていただいた方がいいと思います。
今回は、アートの展覧会に絞って話しますが、ある意味他のジャンルでもモノを見てもらうという意味では通ずるところがあると思います。
展示の種類
概ね2つの分類で分けられると思います。
この限りではないですが、ざっくりこんな感じでいいかと。
人数
個展:1つのスペースを1人で利用する展示のこと。
グループ展:同じスペースを複数人で利用する展示のこと。
形態
レンタルギャラリー:アーティスト側が利用料を支払って、場所を貸してもらうギャラリーのこと。
コマーシャルギャラリー:ギャラリー側が厳選したアーティストと契約して、作品を展示・販売するギャラリーのこと。
どんな企画展をしたか
分類でいうとグループ展をレンタルギャラリー(ギャラリーではない)で行いました。
ギャラリーではない場所とは、(廃墟ではないけど)今はほとんど使われていない建物でです。この建物というのが、1958年築の亀岡商工会館という建物でした。
元々、僕自身が何度か建物と関わらせていただき、思い入れがありましたので、管理者から正式に許可をいただき、実施することができました。
1年目 2020年は、写真作品のみのグループ展、
2年目 2021年は、ジャンルは絞らずのグループ展を開催しました。
2020.10.31-11.08の6日間で約400人、2021.11.20-23の4日間で約350人の方にご来場いただきました。
コロナ禍で1年目は時期を延期し、感染症対策を講じた上での実施となりましたが、多くの人に観ていただきました。
どんなことが必要?
実際に企画展を実施するのにどんなことが必要か?書いてみました。
最低限必要なものは?
「展示とは」で個人的に定義しましたが、展示とは、ただ物が無秩序に並んでいるのではなく、なんらかの意図を持ったセレクションがされているものだと思います。
つまり、セレクションするための意図が必要になります。
なので最低限必要なものとして、どういう意図でセレクションしたのかっていうのが重要だと思います。
僕の場合、この建物で展示をしたいと思って、この建物のイメージやコンセプトは何か?ってことに焦点を当てて、その上で、イメージに合うアーティストをセレクションしました。
なんでもいいし、だれでもいいから並べるのは展示じゃないし、そんなの観たいと思えないので。
出展者はどうしたのか?
純粋に僕が見たい知り合いのアーティストに声をかけました。そこは主催者としての職権を乱用しました。
一緒にやりましょう。この建物であなたの作品観たいです。って感じです。
出展者とのやり取りや調整の作業はいろいろと大変でしたが、それでも自分がセレクトしたアーティストの作品が観れる楽しみには代えがたい。
お金はどうしたのか?
正直、DMの印刷費と会場で必要な備品以外って、1年目に展示のZINE作ったのと、Webページを勉強も兼ねてレンタルサーバとドメイン取って作ったくらいですね。
大きいところだと、初年度は以下のような感じでしたね。
DM 第1版 ¥7,490(延期になったため)
DM 第2版 ¥7,490
ZINE 印刷代 ¥22,990
ドメイン取得費用 ¥1,628(Webページ)
レンタルサーバ ¥13,290(Webページ)
消毒用アルコールディスペンサー ¥2,980(コロナ対策)
アルコール 500ml×2本 ¥3,280(コロナ対策)
この他に、当然自分の展示の制作費などもかかります。
出展者から運営費として少しだけいただいて、後はだいたい自腹。
個別に出展者の作品やグッズ販売したものは100%で出展者へ還元する形でした。
場所はどうしたのか?
前述したように、元々僕自身が建物と関わりがあって、建物の管理者から許可を得た形です。
もう少し詳しく書くと、
学時代、この建物で行われる現代アートの展覧会に参加し、風呂場での制作(掃除)をしたことをきっかけに、愛着がわき、定期的に風呂場を掃除をするようになりました。以降、個人的に建物を利用し、撮影などを行っています。
その中で、建物がついに終わってしまうことを知り、この場所で最後に何かしたいと思い、企画して許可をいただいた形です。
ギャラリーなどでやる場合は、もう少し綿密にやり取りを重ねたり、確認事項をまとめたり、する必要があると思います。
告知はどうしたのか?
主にSNSで行ったのが1番効果がありましたが、主に以下の内容と指針で行いました。
告知内容
SNS(Twitter、instagram)
DM配布(ギャラリー、飲食店など)
指針:最低限抑えるところだけ、アンテナを張っている人が拾える程度
なぜこのような指針にしたかというと、結局アンテナを貼っている人や興味のある人以外は告知をいくらしても来ないし、費用対効果が低いと思っていて、仮に来てもらってもコンセプトや意図を読み取らない他人も多くいて観てもらっても仕方ないなってなりました。
実際、新聞みて来てくれた方もいたのですが、感触としては1割くらいがわかってくれたかなって感じです。
会場の運営はどうしたか?
ギャラリーによっては、会場にスタッフさんがいて、アーティストはずっといなくてもいい場所もあるのですが、自主運営なので出展者とシフト組んで常駐して、それでも足りない部分は知り合いに入ってもらいました。
これが1番大変でした。何がって、1年目は考え無しに6日間10時開場でやってしまいまして、朝のシフトが無理すぎでしたね。
開場前に30分ほど点検・清掃するので、9:30入りですし、大阪からの出展者には悪いことをしたと思っています。京都市からの僕ですら早いなって思うし、なんなら京都から亀岡へ行く途中に、嵐山があるので観光シーズンと相まってキツかったです。
そして、来場者が同じような時間帯に偏るのと、建物のフロアを1年目は制限していて、制限エリアを見てもらうのにスタッフ同伴じゃないといけないルールにしていたのでめっちゃ忙しい時間帯にスタッフが同伴していて人が足りない場面がいくつもありました。
2年目は11時開始にして、本当に危ないエリアだけ立ち入り禁止にしたので、運営的にはちょうどよかったです。
コロナで色々と神経質だった時期だったので、対策については、様々なスペースの注意書きを参考にして、いいところを抜粋して使うようにしました。
後、建物の構造が迷路みたいに複雑なので、結構フロアマップとか色々考えました。
まとめ
こんな感じで書いてみましたが、どうでしょうか?
個人的には、めちゃくちゃ大変でした( 2回やってもうしばらく展示は企画したくないと言うほど)が、やってよかったと思っています。
意外な人に助けてもらえたり、面白い方向に繋がりができたり、制御の効かない出来事が起こったり、トラブルすらネタにできるいい経験をしたと思っています。
何よりこのくらいならなんとかできるなっていう自信がつきました。しばらくこういう企画をする予定はないですが、いつかまた何かしたいと思っています。
参照
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