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最後に傘をさす人 出勤雑感・梅雨空編

梅雨ですねぇ。
今朝、最寄り駅への道すがら、プライドとアイデンティティが揺らぐ案件があったので、また小文をば。前回のこれが好評だったので調子に乗ってます。

さあ、オフィスに着くまでに間に合うか!

タイトルに書いたように、私は「最後に傘をさす人」だ。
そこそこ降っていて、周囲はみんな傘をさすような雨でも、なかなか傘を開かない。
この傾向は、2段階の進化を経て、かなりの高偏差値を誇る特性となった。

最初の進化は社会人1年目に起きた。
もともと面倒くさがりで、子どもの頃から傘は嫌いだったのだか、ある雨の日、取材で訪れた某運用会社の役員に「梅雨ですねぇ」と時候の挨拶をすると、サラッとこんな答えが返ってきた。

「ぼくは、傘はささないんですよ」

ん?
「いや、でも、濡れますよね、それ」
と笑いながらツッコむと、
「すぐ乾きますよ。あんなん、ただの水ですから
そりゃ、そうだ。
この一言は、「この人は変なヒトだ!」という印象とともに、長く耳に残った。
それから、雨が降ると、「ただの水だな、これ」と思うようになった。

2段階目はロンドン赴任だ。
イギリスは、とにかく雨がよく降る。スカッと晴れた夏の日でも、1時間後にはにわか雨がザーっときたりするし、冬は日照が短いうえにほぼ毎日、雨だ。
ただ、日本と違って湿度が低いので、それこそ「ただの水」はすぐ乾く。
英国にいる間、私はフード付きの薄手のレインコートを愛用していて、特に冬はほぼ毎日着ていた。傘は持ち歩かない。
これで、もともと偏差値65くらいの「傘開かない優等生」だった私は、日本人の上位0.01%に入るくらいのエリートに脱皮した。履歴書に書きたいくらいだ。

ところが、である。
今朝は「これはさすがに」という降りだったので、不本意ながら、傘をさして自宅を出た。
すると、前から歩いてくる女子高生が、傘無し、なのだ。びしょ濡れである。
しかも、傘を手には持っているのだ。

私は動揺しつつ、「青春だからな…雨に濡れたいときもあるよな…」と勝手に脳内設定して、敗北感を打ち消した。

そこへ、追い打ちが。
角を曲がり、橋を渡ると、前を歩く女性が、また「傘持ちなのにささないガール」だったのだ。
今度は勤め人風で、青春ストーリーでは乗り切れない。
(な、なぜ…)
と思い、ふと透明傘越しに空を見ると、いつの間にか、雨は小振りになっていた。
そう、傘をさすという安易なソリューションが、私をスポイルしていたのだ
私は不明を恥じ、すぐに傘を閉じた…。

白状すると、先日には、「念の為」と折りたたみ傘を持って出たら、バッグにすでに1本、入っていたという失態を演じた。
「傘をささない」エリートも、落ちぶれたものである。

(最初の投稿時はここで時間切れで尻切れトンボでした)

みなさん、梅雨は憂鬱ですが、降ってるの、「ただの水」ですから。水害レベルの雨でなければ、そんなモンで気分を上げ下げしなくても良いかと。

お足元に気をつけて、今日も1日、張り切って参りましょう。

(コーヒータイムに5分で誤字・脱字を修正してリンクを追加。うん、15分1投稿は無理がある、笑。下のテンプレご挨拶も追記しました)

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