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【官民共創を考える】公共サービスは民間が代替する時代へ

社会のオープン化というものが公共サービスをどのように変えていくのか、その中で必ず出てくるオープンイノベーションとどう向き合っていくのか、といった点について論考していこう。

巷間言われていることだけど、少子化・高齢化による生産性の低下は自治体財政に大きな影響を与えている。現状でさえ財政難にあえいでいる自治体が多い中、従来のようにすべての行政サービスをフルセットで維持するのは難しくなるのは必至だ。

ここ10年を振り返っても、指定管理者制度からPFI、PPPと様々な公民連携の手法が採用されてきたのは、基本的にオープン化の文脈にあると言っていい。財政的な理由から、自前主義でやるのが困難になり、これまで自治体が担っていた行政サービス、機能を企業に担ってもらおう、というものだから。

社会の変化を前に「べき論」は無意味

PFI/PPPに代表される公共サービスのオープン化は今なお進行中だけど、やはり、導入当初は市民や議会の抵抗も大きかったのは記憶の通り。もっとも分かりやすい批判は「税金で整備したものを一企業の収益事業として任せていいのか」といったものだった。

この批判は一見、もっともらしく聞こえる。私自身も議員になりたてのころは、このように考えていた時期もあった。しかし、結局、背に腹は変えられないという身も蓋もない話に行き着く。今の財政状況では自前主義では公共サービスの維持は不可能だから、だ。

ただ1つ民間企業と違う点がある。オープン化といっても、完全な経済論理だけでは回せないという点だ。自治体が提供する行政サービスは基本的には「市民の福祉」のため。したがって、自治体がサービスや機能を自前で担えないから企業に担ってもらうのは仕方ないとしても、企業の論理を全面に押し出されてしまうと、なかなか難しい。本来行政サービスは市民の福祉である以上、企業活動における費用対効果の考え方をストレートに反映するのは市民からの反発も出やすくなるのだ。

次に続きます


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