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メンバーの才能を開花させるリーダーシップとは④(「挑戦者」としての技法)

前回までは、メンバーの能力を最大限引き出すリーダーの特徴と、人材を惹きつけその才能を最大限に発揮させるためには、アイデアを引き出すには、ということを書きました。

リーダーシップに関してはこの本がすごく分かりやすかったので、こちらを参考にしております。

ちなみに、私にとっての理想のリーダーの1人がワクセル主宰の嶋村吉洋さんです。

増幅型リーダーの5つの習慣
①才能のマグネット:人材を惹きつけ、その才能を最大限に発揮させる
②解放者:最高のアイデアを求める
③挑戦者:難しい課題に挑戦させる
④議論の推進者:議論を通して決定する
⑤投資家:責任を明確にする

今回はその中でも、「挑戦者:難しい課題に挑戦させる」について書いていきます。

●「挑戦者」としての技法

経営学者のピーター・ドラッカーは下記のように述べています。

ノーベル賞受賞者と凡人との違いは、知能指数や勤勉さではなく、大きな問いを立てられるかどうかにある。

消耗型リーダーはまるで全知全能の神のように自分の知識をひけらかし、自分の知っている範囲のことしかやろうとしません。
増幅型リーダーは逆に挑戦するためにチーム一丸となるようにし、全員で知恵を出し合い、達成に向かって走っていくようにします。
リーダーが何を知っているかはそこでは重要ではありません。

消耗型リーダーは、答えを与えることがリーダーの仕事だと思っています。
しかし、増幅型リーダーは大きな問いを投げかけ、それは挑戦する価値があるものだと示し、同時に達成可能なものであるという希望をメンバーに抱かせます。

●挑戦者の3つの実践

増幅型リーダーには共通して3つ実践していることがあります。
①チャンスの種を撒く
②挑戦を掲げる
③自信を植え付ける

①チャンスの種を撒く
増幅型リーダーは答えを与えません。
与えるのは十分な情報です。
チャンスの種をメンバーが見つけることで、自分事として捉えるようになり、その物事への理解も深まります。

自分で気づき、自分で解決することで、知的好奇心や成長実感が得られ、どんどん挑戦するチームになっていきます。

②挑戦を掲げる
優れたリーダーは大きな夢を描き、そこに向かって挑戦します。
またメンバーにもそれを求めます。

消耗型リーダーは答えを与えますが、増幅型リーダーは優れた質問を与えます。
挑戦したら届く位置をどうやったら達成できるかを問い、自分で考えさせ、成功体験を自分で積めるようにしていきます。

③自信を植え付ける
増幅型リーダーはメンバーに自信を植え付けます。
そのためには、目標を手の届く位置に設定することが大事です。
そしてそれが達成可能であるということを示すことで、メンバーは達成可能だと信じ、実際に達成して自信を付けるのです。

増幅型リーダーはメンバーの尻を叩きません。
自信をつけさせ熱意を呼び起こします。
挑戦させることで、成長実感や精神力が鍛えられ、メンバーはより高い目標に挑戦していくようになります。

●消耗型リーダーはチャンスをつぶす

消耗型リーダーには下記のような特徴があります。
・自分の知識をひけらかす
・なにを知っているか試す
・仕事のやり方を命令する

消耗型リーダーは無意識のうちに周りの能力をつぶしています。
自分のエネルギーを自分をよく見せようとするのではなく、周りを活かし伸ばすことに使えば、組織としてはとてつもないプラスの成果を創ることができます。

●「全能の神」と「挑戦者」を比較すると

全能の神と挑戦者を比較すると下記のような図になります。

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では全能の神が挑戦者になるためにはどうすればよいのでしょうか?

●挑戦者になるために

挑戦者になるためにはまず下記のことを意識してやると良いでしょう。

①質問、質問、質問
命令ではなく、質問に変えるのが大事です。
メンバーはすでに何をすればよいか知っています。
命令せずとも、質問すれば自ら考え、その方向に進んでいくようになります。

②バス旅行をする
チームに自ら考えるきっかけとなる学習の機会を与えることが大事です。
オフィスでずっと考えていても新しいアイデアは生まれません。
仕事に関連することをチームのメンバーと一緒に体験することで、新しいアイデアが生まれてきます。

③全員で踏み出す
成果を創る際に、なるべく多くの人たちを巻き込んで成果を創り上げると良いでしょう。
そうすることで熱意の伝播がより広く伝わります。

元米大統領のジミー・カーターは下記のように述べています。

やるべき仕事に興味を持ち、興奮し、やりがいを感じていれば、必然的に最大限の力を注ぐものだ。
興奮の中では疲れも消える。
達成を目指す興奮が、疲労に打ち勝つのだ。

増幅型リーダーは、自分だけでなく、メンバー全員をそのような状態にします。

●まとめ

「全能の神」から「挑戦者」へ
全能の神は自分の知識の豊富さをひけらかすような指示を与える。
その結果、組織はリーダーがやり方を分かっていることしか成し遂げられない。
上司の考えを憶測することに組織のエネルギーが消耗される。
挑戦者は自分の知識を超えて行動できるチャンスを人々に提示する。
その結果、組織全体が挑戦を理解し、それを受け入れる集中力とエネルギーを持つようになる。

挑戦者の三つの実践
①チャンスの種を撒く
・ニーズを見出させる
・前提を疑う
・新たな枠組みを示す
・きっかけを作る

②挑戦を掲げる
・具体的にひとつずつ
・厳しい問いを投げかける
・空欄を埋めさせる

③自信を植え付ける
・目標を手に届く範囲に
・道を示す
・実行する人が計画する
・小さな勝利を重ねる

挑戦者になるために
①質問、質問、質問
②バス旅行をする
③全員で踏み出す

意外な発見
①リーダーが明確な未来のビジョンを持っている場合にも、チャンスの種を撒くことの利点は大きい。
②挑戦者の行動は多岐にわたっている。
壮大なアイデアを発見し、大きな質問を投げかける一方で、ムーブメントを生み出すのに必要な具体的な行動へと結びつける。
③不可能と思えることにはじめから挑戦させる方が、簡単なことだけを頼むよりも歓迎される。

参考文献:『メンバーの才能を開花させる技法』

吉村先外

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