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【隠された歴史】独裁者フランシスコ・フランコを知っていますか?

今日は歴史について。

独裁者といえば最初に思い浮かべる人は誰でしょうか?
ヒトラーが最も有名で、その次にムッソリーニや金正日などの名前もあがるかもしれません。

ちなみにナチスドイツによって命を落としたユダヤ人たちに関しては、こちらの記事でも書きましたので興味があればご覧ください。

さて、かつてヒトラーやムッソリーニと同時期に、スペインにも独裁者がいましたが、あまり名を知られていません。
時は20世紀半ば、その時代のスペインはフランシスコ・フランコ将軍という人が行う超保守的な、支配者が独断で思いのままに物事を決定できる政治体制(専制政治と言います)でした。

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出展:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B3

フランコ将軍の政治の軸は下記の通りでした。
・国粋主義(自国の文化や伝統をめっちゃ守ろう)
・独裁主義(俺がこの国を支配している)
・軍国主義(軍事力を高めようぜ)
・反自由主義(自由な発言や平等とかないよ)
・カトリック至上主義(カトリックが最強)

このフランコ将軍は当時、ヒトラーやムッソリーニからの軍事援助を得て権力を高めていき、自らをエル・カウディーリョ(総統)と名乗っていました。

フランコは、敵対するものを容赦なく殺害していきました。
フランコに逆らって強制収容所に送られ命を落とした人は、実に30万人もいるとされています。
許されないですね。

またフランコは徹底した男尊女卑も行いました。
・女性は大学教授や裁判官にはなれない
・銀行口座の開設も自由にできない
・DVの夫から逃れる権利もない
というひどいものでした。

また、カトリック至上主義だったため、カトリックの教義に則っておこなわれなかった結婚は無効とされ、離婚、避妊、中絶、同性愛は法律違反となりました。

神を信じていてもこれだけひどいことができるのですね。

ただし、今のスペインの若者はフランコの圧政をあまり知らないと言われています。
それはスペインの教育によって隠されています。

最近は『他者の沈黙』という映画が出て、ようやく若者たちがそういった圧政があったことを認識し始めましたが。

なぜ若者たちは自国で起きたこのような圧政を知らなかったのか。
スペインでは「沈黙(忘却)の協定(パクト・デ・オルビド)=フランコの圧政で行われたことを、何もかも全て忘れようという国全体で行われた政治協定」のせいで、この圧政についてほとんど学校で教わらないことなっています。

それによって若者のリベラル化(自由主義で無宗教になってきたこと)が進んだのは確かですが、一部の懐古主義(昔のカトリック至上主義がよかった)の者からは、人生の軸がどんどん無くなっていると憂いの声も出ています。

年配者が多い保守派と若者が多いリベラル派の間に挟まれたスペインは今後どういう方向に向かうのでしょうか。
もしかしたら、近隣国のオーストリアやハンガリーなどの様に、王冠を捨て去る国になる可能性もあるかもしれないですね。

吉村先外

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