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113系とキャラメル電車の思い出(琵琶湖線)

今年2023年3月のダイヤ改正で、国鉄型車両の113系が滋賀から引退しました。

子供の頃から慣れ親しんだ車両が引退、ときけば寂しいことは寂しいのですが、実はこの車両、小さい頃の私には不人気でした。

滋賀県育ちの私。
当時の琵琶湖線の普通電車といえば113系。
たまのおでかけで親と一緒に電車を待っていた時にこの車両がやってきたら、がっかりしていたのを記憶しています。

幼少期の私は、電車の一番前に立って、前面展望を楽しむのが好きでした。(まぁぶっちゃけ今もですが)

先頭車両の一番前に立っても前面展望を楽しめる窓は、ちょこっと覗ける程度の大きさで、しかも子供の背には到底届かない上の方にありました。

113系先頭車

普通に立っていたら無機質な壁が目の前にあって景色なんて楽しめなくて、親に抱っこしてもらって、覗き窓のようなところから数分だけ前面展望を楽しませてもらった思い出がかすかにあります。

221系

もっぱら好きだったのは当時主力車両だった221系
先頭車両の一番前の窓は大きくて、子供の背でも前面展望をたっぷり堪能できるし、何よりビュンビュン速くて子供心をぐっと掴まれました。

車体の帯のカラーリングが、当時好きだった森永のハイソフトキャラメルに似ていた気がしたのも、大きな要因で、心の中で221系のことをこっそり「キャラメル電車」と呼んでいました。

そして時は経ち、キャラメルもあまり食べなくなり、ビールの苦みがおいしく感じる歳にいつの間にかなっていて。

ビュンビュン色んなものが高速で走り抜ける世の中で、ゴトゴトのんびり走る113系のかたいシートの乗り心地や、草津線を走っている時に、今の最新型車両では考えられないほど大きく自由に開いた窓から入ってきていた新鮮な緑の空気。

そういうのが気持ちよくてたまらないと感じるようになって。

そういった世の中の渋みの良さがようやくわかり始めた歳になったとともに、113系はこっそりいなくなりました。

いつだって物事はそう。
その良さがわかった時には、たいてい手の届かないところにあるものです。

草津駅で展示されていた113系の特集





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