ひと味違う、小田急ロマンスカー展望席の旅
今年の9月、引退前の小田急ロマンスカーVSEに乗車しに関東に赴いていた私。
ロマンスカーといえば、箱根。
そういえば今まで箱根には一度も行ったことがなくて、
「ならついでに箱根の関所でも破りにいったろかい」
てなノリで、VSE乗車イベントに合わせて箱根観光に行ってきました――
のが、こちらの記事 ↓
じゃあ、その箱根までどうやって行ったの?という話ですが、
ふふふ……
決まってるじゃないですか、
乗ってきましたよ、ロマンスカー。
しかも展望席。
……まあ、さすがに前面展望席は満席だったので、取れたのは最後尾の「後展望席」ですが。
しかし後ろ向きの席とはいえ、目の前には広々とした展望窓があるのです。
都会の風景が後ろに流れていく光景を眺めながらのんびり箱根まで行く……
そんな贅沢な時間にワクワクしながら新宿駅に向かった私は、
『ロマンスカー、運転見合わせです』
小田急新宿駅の改札前にて、ぽかんと電光掲示板を見上げていました。
その電光掲示板には、ロマンスカーの文字が見当たりません。
そう、直前に発生した事故の影響で、ロマンスカーのみ運休となってしまったのです。
「な、なんでこのタイミングで……」
「滅多にない機会なのに……」
切符は全額払い戻されましたが、憧れのロマンスカーの展望席を確保できたという喜びが強かった分、絶望感がすさまじく、しばらく目の前の現実が受け入れられないでいました。
ひとまず箱根には、小田原行の快速急行に乗って向かうことにしました。
最後尾車両の一番後ろに立ち、ちょこっと後展望席気分を味わいます。
そして終点小田原駅から箱根湯本駅に向かう電車に乗り換えようとした際、
「ファンファンファンファーン」
途中駅から運転を再開したロマンスカーが、伝統的なメロディーホーンを鳴らしながら入線してきました。
わ、私の乗るはずだった席が……
「せめて小田原駅から箱根湯本駅の区間でも、予約したらよかったのでは?」と思いましたが、時すでに遅し。
再び「ファンファンファンファーン」と唄いながらお先に箱根湯本駅へと出発していきました。
その後私も後続の電車で箱根湯本駅に向かい、その日は箱根湯本で一泊。
翌日に生まれて初めての箱根観光をし、
(その様子はこちらの記事に)
そして箱根から再び新宿駅に帰る途中に、海老名にて「ロマンスカーミュージアム」に立ち寄りました。
さて本来の目的だった、引退前のVSEの乗車イベントは明日。
集合場所は小田原と新宿の中間、「相模大野駅」です。
宿は隣の町田駅近くで予約しています。
しかし私は町田駅で降りず、再び新宿駅へとやってきました。
なぜかって?
ふふふ、決まってるじゃないですか。
また予約できたんですよ、後展望席。
まぁ、さすがに一番後ろは無理で、後ろから二列目の席でしたが。
それも「東京→町田」という30分ほどの区間のみの乗車です。
乗車するのは「ホームウェイ9号」
電光掲示板によると席はすべて「満席」。
この日は平日で、仕事帰りの乗客向けの運用だったこともありますが、ロマンスカーの人気の高さが窺えます。
さて、席に座り、いよいよ出発です。
最後尾車両だったからなのか、いつものメロディーホーンは聞こえてこず、静かにホームを離れていきました。
蛇の寝床のようにぐねぐねしたホームを、スルスルと抜けていきます。
後で気づいたのですが、同じ新宿駅発のロマンスカーでもし前面展望席に座っていたら、位置的に見られない光景だったので、これはこれで得した気分。
新宿駅を出ると、新宿の夜景が後ろへと遠ざかっていきます。
展望窓には雨粒が張りつき、
ビル群のイルミネーションがどこか幻想的に煌いていて――
まるで、映画のワンシーンのような――
夜景を肴に、ビールをカシュウッ!!!!
今日はちょっとリッチにプレミアムなやつだぜえええぇぇぇぇ!!
おいしかったです。
さすがに二列目なのでたっぷり景色を堪能、というわけにもいかなかったですが、夜闇に浮かぶ新宿の遠景や、煌々と明かりが灯る途中駅のホームが過ぎ去っていく光景は満点でした。
電車はあっという間に町田駅に到着。
ロマンスカーが発車していく際、車内でちょっと言葉を交わした老夫妻が元気よく中から手を振ってくれたのが嬉しくて、しんみりと来ました。
その後は町田駅で一泊し、翌日のVSE乗車イベントに参加しました。
(その時の模様はこちら↓)
目的だった乗車イベントも無事達成でき、後は帰るだけです。
ロマンスカーの最前列に座れなかったのだけが残念ですが、それはまたの機会のお楽しみ。
関西に戻るべく私は、
再び新宿駅のホームに立っていました。
なぜかって?
ふふふ、決まってるじゃないですか。
予約できたんですよ、
前面展望席の、一番前の席が(震え声)
昨日、ホテルのベッドに寝転びながら、「帰るまでに展望席ワンチャンないかな」とスマホでロマンスカーの空席調べてたんですよ。
そしたら、ほんっとーにたまたま偶然、スケジュール的にもぴったりな時間の、ロマンスカーの前面展望席の一番前の席が、1席だけ空いていて、
迷わず、「シュパーン!」とスマホ画面をタップしました。
それより前に調べた時は確か空席ではなかったので、ダメ元でもういっぺん調べてみるもんだなと思いました。
予約したのは「はこね67号」
区間はまた「新宿→町田」です。
(町田から以西は別の人が予約済みでした)
さて……
いよいよ待望の前面展望席に乗りこみます!
おおお……
ユニバとかにあるライド系アトラクションみたいな視点……
時間になり、ロマンスカーはゆるりと新宿を出ました。
ちなみにこの時、いつものメロディーホーンは流れませんでした。
運用によって鳴らす時と鳴らさない時があるんでしょうか?
ロマンスカーはぐんぐん加速していき――
くおおーー!
すんごいド迫力!
街中を、駅を、川を、住宅街を
ロマンスカーは我が道とばかりに突き抜けていきます!
ええ眺めや……
コンビニで買ったスパークリングワインが最高にうまいで……
んー、なんてロマンスたっぷりな空間なんだ。
このまま小田原までずっと座っていられたらなぁ
――て、暑ッ!
めっちゃ暑うううううう!!!
ロマンスカーの写真を見てもしかしたら気づいた方もいるかもしれませんが、前面展望席って、カーテンの類がまったくないんです。
時刻は夕方。進行方向は西。季節は残暑。
吸血鬼なら無限に殺せるレベルの太陽光を、この時の私は避けようもなく浴び続けていて、ぶっちゃけ町田駅まででよかったなと思いました。
しかし町田駅に着く頃にはやっぱり「もうちょっと乗りたかったな」と惜しむ気持ちが強かったです。
それでもひとまずは憧れだったロマンスカーの展望席に乗れたことに満足しつつ、町田駅を出発するロマンスカーを見送り、関西への帰途に着きました。
今まで前面展望席がついた列車には何度か乗ったことがあるのですが、目の前に運転席があるかないかで、迫力が段違いになるんだなと実感しました。
ちなみに町田駅までの特急料金は450円と、30分乗れて500円以下のお値段。もちろん運賃は別途いりますが、それでも終点の箱根湯本駅まで行っても、特急料金は1000円です。
私が座っていた席には、町田駅から小学生の男の子が乗っていたので、いかにお手頃価格なのかわかります。
ド迫力の展望席。
伝統と気品を漂わせつつも、どこか身近にも感じられる車両。
さすがは小田急さんです。
今までの列車とはひと味違う。
そんな乗車体験をさせてもらいました。
おまけ
帰る途中、町田駅近くのラーメン屋「せい家」に立ち寄って生ビールを注文したら、グラスごと最高にキンッキン冷えたビールが出てきました。
グビグビぷっはぁ!と飲み干した後に鋭い冷気の切れ味!
これもいつものビールとはひと味違う一杯でした。
このお店、また行きたい。
記事一覧
今回のロマンスカー&箱根旅の記事をまとめました。
時系列順に並べていますので、気になったらぜひ読んでみてください!