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"いらすとや"でまとめてみるざっくり経済史

 

 いらすとやで何でも表現出来てしまう現代日本ですが、経済史もいらすとやでわかりやすくまとめてしまおうという試みです。凄いざっくりしてますよ
今回はアダム・スミス以降からのものです。



資本主義の成立

 マックス・ウェーバー的に言えば、「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」によって、宗教改革以降にプロテスタントの人は蓄財が可能となり、仕事に励むようになった人々によって資本主義が生まれたというのがセオリーなんでしょうね。もはや、この理論は世界史のセオリーになっています。



アダム・スミス

そんな中でイギリスで産業革命が起こると、アダム・スミスという経済学の祖が現れます。 

アダム・スミス

 アダム・スミスは、国家は経済に干渉すべきでない。需要と供給のバランスは、市場原理によって勝手に適切になっていくと説きました。「神の見えざる手」というやつです。

見えないけどきっとあるのよ

神の存在のようなこの理論はインパクトが強いかつ、市場原理の本質を示した理論でした。そのため、この自由放任主義(レッセ・フェール)は19世紀の基本原理となっていきます。


ケインズ

 しかし、市場原理だけに任せてしまうと、
・独占や寡占、企業合併や資本の集積
が起きてしまいます。

カルテルが価格を決めると、市場原理による価格設定の
自動調節機能が働かなくなります。

 そして1923年にアメリカで大恐慌が起こると、新たな経済学説が必要とされます。

 ここで出てくるのがケインズです。
ケインズは、経済活動は「有効需要」によって決まると説きました。有効需要とは、「支出を伴う需要」のことです。不況になると、需要が高くなりそうな商品でもみんなお金がなくて買いません。買わないと企業の利益が落ちて、失業者を増やすことになります。

景気の停滞→消費の減少→企業の減収→失業者増加

そこで政府が人々に公共事業などで仕事を与えて、この有効需要をつくりだすことで、消費を増やして不況を脱しようというわけです。

消費は大切なのよね

これは混合経済とか、修正資本主義と呼ばれます。
政府は経済に介入すべきというわけです。


フリードマン

 しかし、この修正資本主義も問題があったようです。政府が経済に介入するためには、もちろんお金が必要です。そのお金の財源は、国債です。

この国債が財政を圧迫してしまうと大変なので、国債の発行額や、国の支出を減らそうという考えが現れます。その代表がミルトン・フリードマンです。
つまり、国は経済に介入するな!というアダム・スミスに戻ったともいえます。

国のコスト(支出)を切りまくるぞ!

フリードマンは貨幣の"供給"を政府がコントロールすることで物価水準を安定させられると説きました。 
これをマネタリズムといいます。
ケインズが"需要"に目をつけたのとは対照的です。

規制緩和や民営化などによって政府の市場介入を減らすこの政策は、新自由主義と呼ばれ、サッチャー政権やレーガン政権に影響を与えました。

日本でもNTTやJRが生まれました


社会主義

 アダム・スミスの放任自由主義の欠点を指摘したケインズでしたが、自由主義に対する大きなもう一つの潮流があります。社会主義です。 

 社会主義を提唱し始めたマルクスとエンゲルスは、労働力を商品と見なして、"生産手段"を私的所有する者がいるから貧富の差が生まれるのだと説きました。

カール・マルクス

これにより、"生産手段"を全て政府が管理し、計画にそって生産・配分を行う経済思想が生まれました。
この思想は、労働者も資本家もみんな平等ということで労働者からは熱烈に支持されました。

産業革命以降、貧富の格差はどんどん広がりました

そう、社会主義です。

しかし、大恐慌中のソ連の計画経済の成功などもあったものの、結局資本主義の持つ自由競争のための生産意欲には勝てずに、多くの社会主義国は市場経済に移行します。 

頑張っても頑張らなくても給料同じだもんね

結局ソ連は崩壊して市場経済になり、中国は改革開放政策で社会主義なのに市場経済を導入しました。


 
さいごに

 新自由主義も、リストラクチャリングなどの自由競争に特化したやり方を生み、資本主義が凄いのは歴史的に確かにそうなんだけど、改善が必要なのも多々あると感じます。日本の産業構造はあまり変化せずに来てしまい、生産性が低く、勢いを感じられません。

円安で外国から見たら安い国になってる日本において経済について振り返るのは大切だと信じてます。
長い長い停滞を抜けるためにどうしたらいいのでしょうか。お勉強は続きます。

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