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インサイドセールス、1人から5名体制へ。失敗からできたチームで勝つための3つの仕組み

こんにちは、カミナシ VP of Sales&Marketing の富澤です!

今回はインサイドセールスにフォーカスして書きたいと思います!
僕は元々インサイドセールス(IS)の1人目として入社していますが、2022年5月現在、ISは5名体制となりチームになりました。

立ち上げ初期から複数名体制になる前提で仕組みを作っていったつもりでしたが、正直全然甘くて、チームとして成果を出すのは一筋縄ではないと改めて痛感しています。今回はそんな1人体制からチームになっていく過程の中で、カミナシのISが失敗したこと、そこからどう仕組みを作り直したのかを書きたいと思います!

同じように少人数組織から拡大しようとしているチームや、事業の戦略に関わる方まで幅広い方に読んでもらえたら嬉しいです。

※立ち上げ初期の話はこちらをご参照ください!

カミナシISの役割と変遷

カミナシのISは主にフィールドセールスに案件を供給する役割で、SDR(インバウンドリードを対応するチーム)とBDR(アウトバウンドを中心にリード獲得から商談供給まで担うチーム)の2つの機能を持っています。

1人体制だった頃は、主なチャネルはインバウンド経由でした。そこから少しずつ、ハウスリストへの掘り起こし、展示会、ウェビナー、アウトバウンドなどチャネルを広げています。それぞれ実績がまだそこまでないので、うまくいくかどうかの検証も含めながら実行している状況です。

今回の内容は5人になって以降、2022年4月〜5月の2ヶ月間についてフォーカスを当てています。

組織拡大の狙いと失敗

組織拡大の狙いは有効商談を引き上げて事業成長を牽引することです。増えていくフィールドセールス(FS)が予算達成できるように、受注から逆算して案件供給を行なっていく。そのために、まず商談量を供給できる体制を作る、を第1STEPとして進めました。

日別の行動管理、ダッシュボードによる見える化、Gatherを使ったチーム間コミュニケーションなど工夫できる点はしていき、チームとしてとても良いコンディションで立ち上がっていきました。

そして、4月は前月比で倍近くにもなる定量目標を見事に達成!!と喜びに浸かりたいところですが、一方でFSの受注率は減少していました(正確にいうとフォーキャストが商談数の伸びと連動して伸びていない状況)。振り返って「案件を引き上げた分を、受注見込みの低い案件で引き延ばしてしまっている」という点が問題であることに気づきます。

「まずは量を追う」という方針としていたため結果こそ予測はできたものの、FSへの影響はそれだけではありませんでした。案件を大量に供給しすぎてFSのクロージング工数を棄損し、コンディションを崩している状況でした。これはなんとかしないといけない。

見直した3つの仕組み

そこでISとしては以下2つのテーマをもとに体制や仕組みを大きく見直すことにしました。

  • FSのコンディションをベースとした案件供給量のコントロール

  • 受注見込みが高い案件の明確化とそこにフォーカスして量を増やす

それぞれ具体的に紹介していきます。

(1)FSのコンディションを把握する

失敗だったのは、KPIマネジメントが強すぎたこと。本来KPIはFSの受注数からの逆算で作られているものなのでFSのコンディション抜きに進められないのですが、チーム化したことによりチーム目標を追いかける力が強くなりすぎてしまったのだと思います。

そこで、FSのコンディションを把握しながら柔軟に追いかけられる指標を変えていけるようにしたいのですが、カミナシの場合、それぞれに担当FSを決めているわけでもないので、ISの全員がFS個人の状況を詳細に把握しておくのはあまり現実的でありません。そこで、FS側とすり合わせて「今週は誰にどういう案件をどのくらい供給すれば良いのか」というトスアップ方針を週別ですり合わせていくことにしました。

「だれにどういう案件を」というのはスプレッドシートで星取表のようなものを作って管理しています。「どのくらい」というのは、事前に個別の目標を共有することの他に、Googleカレンダーの空き枠でコントロールしたり、Slackで不足時にアラートをあげてもらうようにしています。

これにより、必要以上に商談を供給しすぎたり、誰かに偏りすぎたり、というリスクを避けられるようになり、「初回商談が多すぎてクロージングの工数を棄損する」という声は聞こえなくなりました。

(2)受注見込みが高い案件を明確にする

上記が実現できても、受注見込みが低い案件が多いことには受注率は改善しません。そこで、これまで作っていた基準が曖昧だったと反省し、受注見込みの高い案件の定義を大幅に見直すことにしました。

カミナシの商談は非常に変数が多いのが特徴です。業界、規模、役職タイプなどのプロファイル情報に加え、流入チャネルや過去のコミュニケーション状況などの顧客行動情報、さらには直接ヒアリング情報など、ISは非常に多くの情報から判断してトスアップするかしないかを判断しています。

元々のトスアップ基準はISの直接ヒアリング情報に依存していました。これにより、個々人で基準がばらつき、全体として受注見込みの低い案件が増えていったのだと思います。

そこで方針として「シンプルに客観的に判断できる情報を基準にしよう」と考え、最も受注率と相関の強かった「役職タイプ」をトスアップ基準の主軸に置くことにしました。つまり「ハイレイヤーかどうか」という軸です。これは定性的な感覚とも合致しており、新規性の高いプロダクトが故に、契約に至るには強力な推進力が必要で、社内で推進力を持っているのは高位役職者であるという相関があるため受注率が高いのだと考えています。

(3)受注見込が高い案件にフォーカスする

ハイレイヤーの商談を増やすと簡単に言いましたが、それを実行するには「獲得できたハイレイヤーのリードを取りこぼすことなく対応する」という基本的な足腰を鍛える必要がありました。ここで、自分が1人でISをやっていた時と比較して明確に違うなと感じたのが、「役割分担をすることによる機会損失」です。言葉で伝えるのが難しいので、以下のイメージをご覧下さい。

1〜2名体制の時は、自分が全体感を把握しているので受注見込みの高い案件からリソースの限り対応していくことができます。逆に受注見込みの低い案件は手をつけられません。

一方で、複数名体制の場合は受注見込みの低い案件まで手を広げられます。しかし役割をロックすることで、受注見込みの高い案件が急に増えたときに後手に回ったり、後追いの手法がバラついたりして、結果的に大事な案件を取りこぼすことが増えました(図の赤枠のイメージ)。これは非常にもったいない。

そこで取り入れたのが「次回アプローチ日の徹底活用」です。

「次回アプローチ日」を制するものはISを制す

次回アプローチ日はその意味の通り、案件ごとに次にアプローチする予定日を登録する項目です。カミナシではこちらの項目とセットに次回アクション内容を登録し、未来の自分がいつ何をしたらいいのかを登録するようにしています。

以下にフロー図を書いてみました。「商談化」と「ロスト」は結論がでているため、足元の管理対象からはずれます。一方で「後追い」は追加のアクションが必要なステータスです。「後追い」案件は必ず「次回アプローチ予定日」を登録し、白黒つくまで漏れずに管理していきます。


この運用が正しく回ると、いいことがたくさんあります。

  • 後追い漏れがなくなる

  • 受注見込の高い案件を多く持っている担当が工数過多になりそうなことに気づき、リソース配置を最適化できる(ヘルプが出せる)

  • 日別の行動目標や商談目標と照らし合わせて、新規リストをどれくらい補充しなければならないのか判断できる

しかし中途半端に使うと、これが成り立ちません。なので、次回アプローチ日が「不明」や「過去日」といったオペレーションの不徹底は見える化してゼロにしていきます。運用に慣れるまで大変ですが、逆に完全に依存することで多くのことが判断できるようになります。

さいごに

以上、ISがチームになってからの取り組みを振り返ってきましたが、今回一番感じたのは「変化できるチームが一番強い」ということです。ISは頻繁に変わることが求められ、昨日の正解が今日の不正解になることがたくさんあります。今回シェアした内容もおそらく、3ヶ月後には違う姿になっていると思います。なので「狙いや目的を細かく全員ですり合わせること」と「納得したらすぐにでも変わることができるマインド」が超大事だなと思います。

2ヶ月前にカミナシSaaSFMの企画でビズリーチの茂野さんに公開相談した際にも、「今でも毎月必ず前月の振り返りをして新しいプランを出していくということを繰り返し、行動を変えていく」と仰っていました。今になってこの言葉が沁みます。

noteを書いた後に聞き直してみたのですが、茂野さんが組織拡大フェーズで起きる、とおっしゃていたことをカミナシは見事にその道を辿っているので、合わせて聞いてもらえると面白いと思います!

meetyもやってます!よろしければお話ししましょう〜〜


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