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学生のキャリアにスタートアップという選択肢を! スタートアップの経営者や社員が魅力を発信

「広島から、ユニコーン企業に匹敵するような、企業価値が高く急成長する企業を10年間で10社創出する」ことを目標に掲げた「ひろしまユニコーン10」プロジェクト。このプロジェクトを学生にも知ってもらい、ユニコーンになり得るスタートアップに関わる若い人材の輩出につなげようと、学生向けイベント「キャリアにおけるスタートアップという選択肢」が1月15日、広島大学で開催されました。第一部のkeynoteセッションでは、スタートアップ企業であるフォースタートアップス株式会社を自ら起ち上げ、3年半でIPOを果たした志水雄一郎社長がスタートアップで働く魅力を紹介。第二部では新卒と中途でスタートアップに入社したお二人が登壇し、若くしてスタートアップでキャリアを積む選択をした理由や、やりがいなどを語りました。

第一部 スタートアップで働く魅力に関するkeynoteセッション

フォースタートアップス株式会社 志水雄一郎社長

keynoteセッションでは、スタートアップに対する人材・資金面での支援や、スタートアップ・エコシステム構築発展に取り組むフォースタートアップスの志水社長が登壇。世界的なスタートアップの潮流を表すデータを紹介されました。
創業5年で成長率トップ0.1%の層に入った米国の起業家の創業時平均年齢が45歳というデータを基に、企業で課題解決を経験してきた経営者が退職後に新たなスタートアップを創業し、勝ち筋を見つけてから勝負を仕掛けていると分析。一方で、若くして創業したとしてもその分だけ数多くの挑戦ができることから、大いに可能性があると参加学生を鼓舞しました。
同時に、日本のスタートアップにおける厳しい現状についても説明されました。2022年に米国のスタートアップが資金調達した額は約26兆円あるのに対して日本は1兆円、ユニコーン企業の数は2023年7月時点で米国の656社に対して日本は7社と大きな差が生まれています。そのため、日本政府は2022年、「スタートアップ創出元年」を宣言してスタートアップへの投資を重点投資分野の1つとして国家の骨太の政策に組み込み、投資額を1兆円から10兆円に拡大しようとしています。学生が挑戦していく5~10年先には、おそらく政府の支援体制も充実してくるだろうと見解を述べられました。
志水社長は自身の目標を、「産・官・学・民が連携した 強力なスタートアップ支援を通じ、日本の国際競争力と人の高い志を取り戻し、次世代に可能性溢れる時代を継承すること」と語られました。産官学民が連携して強いスタートアップ、メガベンチャーが生まれる仕組みをつくることで、若い人たちが起業していく社会構造ができる。最後に、スタートアップに関心があり、経営を志す学生の皆さんには、ぜひ成功をつかんでほしいとエールを送りました。

第二部 パネルディスカッション

新卒でフォースタートアップス株式会社に入社された森久保樹さんと、採用サービスを手掛けるウォンテッドリー株式会社に中途入社された貴船桃佳さんが、パネリストとして登壇。学生に近い目線で、スタートアップで働く魅力などを本音で語って頂きました。

森久保樹さん(左)と貴船桃佳さん(右)

― いつ、なぜキャリアにおいてスタートアップを選んだか。
森久保 学生時代に参加した長期インターンシップで、とあるスタートアップで働く人たちが会社の掲げるミッションやプロダクトに対し夢中になって取り組む姿を見て、年収や労働環境も大事ですが、熱中して仕事ができる環境でキャリアを積みたいと思って選びました。

貴船 広島で教育に携わりたいと思いながら転職先を探す中、たまたまスタートアップのウォンテッドリーを見つけました。ウォンテッドリーは、教育機関と連携したイベントの企画・運営もできることを知り、広島にいながら自分のやりたいことができることに魅力を感じ、入社しました。

― 良かったこと。
森久保 人が少ない分、自分しか担当しない案件があると当事者意識を強く持って働けるので、やりがいやモチベーションを感じます。

貴船 1on1ミーティングなど自分の思いを発言する機会が多く、年齢や肩書に関係なく「これをやりたいです」と言えることが入社して一番良かったと思うことです。

― 後悔したこと。
森久保
 新しいチャレンジをする時は自己流になるので、もっと早くから戦略コンサルの思考法や組織マネジメントなどをしっかり学んでおけば良かったという後悔があります。

貴船 やりがいと天秤に掛けるのは違うかもしれませんが、前職に比べて年収は下がったと思います。

― 若いうちからスタートアップを選ぶ魅力は。
森久保 夢中になって働くことができます。人手が足りないのでめちゃくちゃ働こうと思えば働けるし、その辺にいっぱい転がっている誰も触れていない大事なタスクを自分の仕事にできるので、30~40代になったときに他の人との大きな差になると思えばモチベーションが上がります。

貴船 複数の業務が同時発生で進んだり、突然発生するなどスタートアップならではの大変さがありますが、それに慣れてきた時に社会人としての素養が身に付いてきたと感じます。若い時から多くのことを吸収できるのは魅力です。

― これから挑戦したいことは。
森久保 もっと経営に携わる仕事がしたいです。そのためには目の前の仕事で成果を出していかないといけませんが、それもプラスになると思います。今はやりたいことにつながる仕事を自分で見つけ、経験を積みたいです。

貴船 意見を発言できる環境に身を置いているからこそ、やりたいことは言い続けていきたいです。今は、民間企業として教育に関わる仕事がしたいと会社に伝えています。このセミナーのように、学生たちにスタートアップの魅力を発信する仕事もしていきたいと思いました。

会場の様子


対談後には交流会も開催され、登壇者に自分の夢を語る学生や、他の参加者と就職活動の情報交換するなどで盛り上がりました。広島大学工学部4年生で学生団体シードット代表の明見優成さんは「スタートアップを立ち上げたいと考える中で、志水社長の『若くにスタートアップを起こすことで、チャレンジする機会に多く恵まれる』という言葉を聞いて気合いが入りました。地域活性化や地域の学生支援で起業を目指しているので広島のことだけに目が行きがちですが、世界的な視点を持つことも大事だと実感しました」と目を輝かせながら話してくれました。

起業への意気込みを語る明見優成さん

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