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8. 目標管理制度の歴史② ドラッカーのマネジメント1

さて、目標管理といえばMBO、MBOといえばドラッカーです

もしドラって本が、少し前に流行りました

萌え系表紙のライトノベルですが、ドラッカーのマネジメントがわかりやすい!とベストセラーになりました。みなさん読んだことありますか?オススメです。

私の駄文より、こっちの方がわかりやすいです

ドラッカーのMBOを解説する前に、まずドラッカーのマネジメントとは?ドラッカーってそもそもどういう人物?という点を理解することが、MBOを理解して、きちんと運用することには必須です

おそらくですが、ここをきちんと理解してないから、なんちゃってMBO、ノルマ型目標管理となって間違えた形でMBOを導入している組織が日本全国で10万社ぐらいはあるでしょう

それでは、本当のMBOを理解するために、ドラッカーのマネジメントとは何でしょうか。

詳しく見てみましょう


パワポ1枚サマリー

筆者作成(『100分de名著 マネジメント ドラッカー』上田惇生より作成)


これらを順番に解説しますね

ちょっと思想とか、小難しくなりますが、脱落しないでください。

できるだけ、ゆるく書きます!


ドラッカーのマネジメントの成り立ち


ドラッカーの生い立ち

Peter Ferdinand Druckerは1909年にオーストリア=ハンガリー帝国の首都、ウィーンでオーストリア人として高級官僚の家庭に生まれました


ウィーンの中高一貫の進学校ギムナジウム(全寮制の学校)を卒業後、ハンブルク大学に籍を置くも大学には通わずに、図書館に通い詰め、手当たり次第に本を読む日々を過ごしたそうです


大学に通ってないのと、図書館に通っていたのは、私も一緒です。
私はバイト前の休憩として図書館で寝るのが目的でしたが・・・笑


ドラッカーは、その時期に2冊の本に出会い、彼の思想を形付け、人生を運命づけたのです


運命の出会いが図書館って素敵ですね〜


一体それらは、どんな本で、どういう影響を受けたのでしょうか?


デカルト的な人間の理性への過信を危険視

1冊目は『フランス革命についての省察』エドマンド・バーグです。

これから、ちょっとややこしいですが、頑張って解説してみます。

ドラッカーは、デカルト的な人間の理性への過信(人間は理性的で、どんな問題も論理的に解決できる、真理に到達できるという考え)を危険視する考え方に共感を覚えました

デカルトは "我思うゆえに我あり"で有名な哲学者です。デカルトを端的にまとめるとこんな感じです

  • あらゆるものを徹底的に考え、疑うことで唯一の真理が見えてくる

  • メカニズムを解明すれば絶対の正解に到達できる


もっとぶっちゃけた言葉を使うと

私は何でも完璧にできる完全完璧な存在だ。論理的に、理性的に、そしてエレガントに、そうして宇宙の真理に到達するのだ。 

みたいな、そういう考え方・思想。こんな感じでしょうか。(たぶん)

そういった考えを、デカルト的な考えと言うようです。そのデカルト的な思想を危険視する、エドマンドバーグの考え方に、ドラッカーは共感を覚えました。

これが1つ目の、ドラッカーの核となる思想です

これは、裏返すと、人間の人間たる弱い部分、不完全な部分にも目をつけようとしているのではないでしょうか。人間って完全な存在でしょうか?多数の人間がいるとき、みんな同じ考えをもっているでしょうか?

ドラッカーはそんな人間らしい基本的な側面を大事にしたかったのかなと思いました


ゲマインシャフトとゲゼルシャフト

いきなりドイツ語。かっこいいけど全然わからない

めちゃくちゃ賢い経済学部の先輩が、大学生時代に酒瓶片手に酔っ払いながら口にしてました(どんな時代だ・・)

これはドイツの社会学者、フェルディナンド・テンニエスの書いた本のタイトルです。難しそうで、私には読めそうにないこと、一切読んでもないことは正直に告白します(ドラッカーの本は読みました)

人間には社会的な絆が必要で、絆がなければ弱肉強食のとんでもない社会になる。人は位置づけを得るべきコミュニティーと役割を得るべき社会を必要とする。

引用:100分で名著 ドラッカー マネジメント p.14

私なりに、少し簡単に言い換えてみると、

  • 人間は一人では生きられず、絆、つながりで成り立っている

  • つながりがあるとコミュニティーが出来上がる

  • その中で自らの役割や位置づけをきちんと持つことが大事


この二つ(デカルト的思考への批判&社会的絆・コミュニティーの重要性)がドラッカーの社会に対する考え方の基本となっています。

いかがでしょうか?


この基本的な考え方・思想をもったドラッカーがどのようにしてマネジメントを生み出したのか?


それには当時の歴史的な背景を遡る必要があります


この記事の最後として、そもそもマネジメントって何だったっけ?を考えることで、終わりにします


そういえば、マネジメントって?

  • マネジメントといえば、売上、利益を最大化することでしょ?

  • 従業員を管理することでしょ?

  • 従業員へ指示出しすることでしょ?

  • ノルマを達成するため追い込むことでしょ?(適度に)

  • 上司、リーダーの役割でしょ?

等など

いろんな流派があるかと思います


そもそも英語のmanagementを日本語で管理と訳されているので、日本語の管理のニュアンスが強くでているような気がしますが、管理という側面は間違いでもない気がします


でも、何を管理というか、管理という言葉のイメージは、人によって相当違いそうです


ドラッガーのマネジメントは一言で言うと、「人と人が成果を上げるために工夫すること」です。


キーワード2つ出てきました〜


何だかわかります?

実はここで、伏線を回収してるんですよ。笑

  • ”人”       → デカルト的思考への批判

  • ”人” と "人"  →    コミュニティー・組織への考え方


人と人という点が、次回の記事になんて言葉になるか、もうわかりますよね?


次回はマネジメントが生まれた歴史的な背景について書いてみます


いつものように長文・駄文ですが、最後までお読みいただきありがとうございました


引用文献

今回の記事は、多くの部分を下記の本から引用・まとめの形で記載しています。100分で名著シリーズはわかりやすくて大好きです


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