感染拡大を本気で止めたいデンマーク
欧州の中では、感染拡大を抑えているデンマークですが、数日前からちょっと緊張が走っています。
ニュースを聞くまで知らなかったのですが、なんとデンマークは有数なミンク毛皮生産国。そのため、家畜としてミンクを飼育している専業農家が多いそうです。
そして、驚いたことに飼育されているミンク達は人間のようにコロナに感染してしまうのです!
ちょっと前からコロナに感染したミンクの殺処分のニュースが流れていたのですが、今度は感染したミンク内でコロナウィルス突然変異。先日、人にも感染することが確認されてしまいました💦
新型の新型コロナウィルスの発見をうけて、デンマーク政府の動きは早く、フレデリクセン首相が緊急会見を開き、
『コロナウィルスの突然変異を受けて、デンマーク政府は国民を守る責任に加えて、全世界に対する責任が生じた』
と発表。
そして、国内の約1,700万匹のすべてのミンクを殺処分することを決めました。
さらに、突然変異が確認されたユトランド半島の北部7地域は、他の自治体より規制を強化して、北部地域への出入りに制限をかける措置も発表。
隠避しようとしていた日の沈む処の国や、もたもた議論で迷走する日出ずる処の国とは異なり、意思決定が早いところがデンマークの良いところ。
ですが、本当に抑え込めるかどうかは分かりません。
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ちなみに、規制強化されているユトランド半島北部はこちら👇(僕が住んでいるオーフスはユトランド半島の中東部です)
突然変異した新型コロナウィルスはこの北部エリアでしか確認されていませんが、デンマーク政府は他の地域も含め、全国1,000のすべてのミンク業者のミンクが殺処分の対象です。
デンマークのミンク産業は約1,300億円(約11億ユーロ )もあるのですが、コロナのために一瞬で消滅・・・。
日本で例えるなら、喫茶店のドトールで知られているドトール・日レスホールディングス、回転寿司のくら寿司、電気屋さんのラオックスの売上高がそれぞれ1,300億円前後。デンマークのミンク処分は、このくらいの規模の会社が一つ倒産してしまうぐらいの経済インパクト。
でも、このまま変異版が拡がってしまうと、現在急ピッチで開発を進めているワクチンが効かなくなってしまう可能性や、デンマークが昨年の武漢のようになってしまう可能性があります。
ミンクに罪はないのですが・・・、主要産業を1つ潰してでも、突然変異版コロナウィルスを止める気のデンマーク。かなりマジのようです。
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