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生産性は性癖が出る?(ソフトウェア分析)

マンガ:「生産性は性癖が出る?」|五味弘 (note.com)

ソフトウェア開発の生産性はばらばら

ソフトウェア開発の生産性、ここではソフトウェアの規模をコード行数として、コストとしては工数(いわゆる人月)を考えたときの比率(コード行数/工数)とします。
この生産性は、ソフトウェア開発プロジェクトで大きく異なります。てんでばらばらです。同じソフトウェアを作っているとは思えないほど違います。まるで中華料理と住宅建設の生産性の違いくらい「桁違い」です。
なぜこんなにも差が出るのでしょうか。

ソフトウェア開発の手法はばらばら

ソフトウェア開発の生産性に大きな差があるのは、ソフトの作り方に大きな差があるからです。スクラッチで1行1行職人が心を込めて手作りしている宮大工のような作り方から、パラメータ設定や質問に答えるだけで作れるノーコード開発やコード生成AIを利用した開発、OSSや商用パッケージを多く利用したパッケージ利用開発、ウォーターフォール型開発とアジャイルソフトウェア開発など、ソフトの作り方は千差万別です。だから生産性にも大きな差が出ます。

ソフトウェア開発は家内制手工業

それでは同じ開発、例えば、同じスクラッチ開発なら生産性に大きな差は出ないでしょうか。・・・出ます。同じスクラッチ開発でも生産性に大きな差が出ます。これはソフトウェア開発のスクラッチ開発は工業製品を作るようなものではなく、家内制手工業の域を出ないからです。経験と勘の職人の世界です。
特に要求分析やアーキテクチャ設計は熟練の職人仕事になり、生産性に大きな差が出ます。プログラミングやテスティングでも上流ほどではありませんが、生産性に差が出ます。なお業界では常識になっていますが、デバッギングではさらに大きな差が出ます。だから、バグがいつ修正できるかの質問には、きっと驚く答えが返ってきます。

ソフトウェア開発は性癖が出る

ソフトウェア開発の生産性には大きな差、つまり性癖が出ます。これはソフトウェア開発の性癖のせいです。じっくり慎重型か、慌て者俊敏型なのか、人任せ無責任型なのか、色々な性癖が出ます。
このようにソフトウェア開発の生産性はプロジェクトの数だけ異なり、その分析は大変です。でも大変だからと言って、答えを出さないわけにはいけません。大変です。

ソフトウェア開発の生産性は今すぐ必要

生産性のデータとして、コード行数や工数は古くて使い物にならないと言われています。そこで新しい基準として、価値やパフォーマンスで、真の生産性を計測する必要があると言われていますが、それが確定されるまで、待ってはいられません。生産性の計測とその評価は今、必要です。今日も明日も必要で、昨日の生産性と比較する必要もあります。
だから生産性にどんな性癖が出ようとも、それに付き合って生産性を計測し評価していきましょう。それが仕事です。

ということで今日の結論。「生産性には性癖が出るがそれに付き合う」以上です。

引用:ソフトウェア開発分析データ集2022 | 社会・産業のデジタル変革 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

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