【後編】 レプリコンワクチン(自己増殖型mRNAワクチン)が危険な理由
後編はレプリコンワクチンが危険な理由についてのまとめになります。
エクソソームと細胞間輸送
図1は私が描いたものです。もし本当にレプリコンワクチンが同一細胞内だけに留まるのであれば問題は限定的でしょう。しかし実際には細胞間輸送の機序を考慮する必要があるのです。
細胞外小胞 (extracellular vesicle, EV) とは細胞間のコミュニケーションを媒介する小胞です。そして細胞外小胞の代表的なものがエクソソーム (直径約40~100 nm) です。また、エクソソームよりもサイズがさらに大きな細胞外小胞はマイクロベシクル (直径50~1000 nm) と呼ばれます。
細胞同士は細胞間輸送小胞であるエクソソームを介してお互いの間で物質や情報のやり取りをしています。エクソソームの内容物としてはDNA、RNA、タンパクなどがありますが、実際エクソソームがどの細胞に取り込まれるかは予測不可能です。
人体では有害だとみなしたものは積極的に分解し、分解できなければ排出しようとする仕組みが働きます。例えば風邪をひくと咳や鼻水が出るのも有害なウイルスを体外に排出しようという働きのためです。そしてエクソソームは血中を循環し、汗や呼気からも排出されます。
レプリコンワクチンとシェディング現象
コロナワクチン接種者から他者に副作用を伝播する現象は便宜的にシェディングと呼ばれており、実際に多くの人が被害を訴えています。本来の「ワクチンシェディング」とは、生ウイルス (ウイルスそのもの) を使ったワクチンを打った人間がウイルスに感染してしまう事によってウイルスを周囲に撒き散らすという現象です。そういった意味では、そもそも生ウイルスを用いていない遺伝子ワクチンによってワクチンシェディングが起こるという事自体が奇妙な話ですが、これはコロナワクチン接種者が何らかの有害物質を分泌し、それが周囲に影響を及ぼしているためではないかと考えられます。また、コロナワクチン接種者特有の体臭を指摘する声もあり、その匂いとして代表的なものはケミカル臭と腐敗臭です。
では、シェディング現象の原因物質とは一体何なのでしょうか? コロナワクチン接種者からVOC (揮発性有機化合物) を検出している報告もあり、原因物質の候補の1つはアルデヒドです。さらにはワクチンを接種した家族によるシェディング被害を受けた未接種の方から、ヌクレオキャプシドに対する抗体はできていないにも関わらず、スパイクタンパクに対する抗体が検出されたという報告もありました。実際スパイクタンパクのような高分子膜タンパクでもエクソソームに取り込まれれば呼気や汗として分泌する事も可能であり、ワクチン接種者はスパイクタンパクを分泌している可能性すらあるという事です。
シェディング経路としての汗
汗の材料は血液であり、血管を流れるものは汗からも漏れる事があります。例えばニンニクを食べた人から次の日も独特の匂いがするのは、血液に溶け込んだ匂い成分のアリシンが汗として排出されるためですが、アリシンが何のために排出されるのか、なぜ人ごとに匂いの強さが違うのかなど実際の所は詳しく分かっていません。
佐野栄紀先生の研究結果は、コロナワクチンのいわゆるシェディングの作用機序を考える上での重要な示唆を与えてくれています。有害物質を体外に排出する経路として汗を利用し、積極的にスパイクタンパクを放出している人が存在する可能性です。分解できなかった有害物質を体外に排出しようとする働き自体は体の持つ自然な作用と言えますが、例えば一見非常に元気に見えるワクチン多重接種者は体質的に解毒機能が高い方であり、むしろその周りでシェディング被害を受けて体調不良者が続出するといったメカニズムのヒントとなるかもしれません。
このように、体内を循環する物質というのは体外に漏れ出てもおかしくありません。そのため、レプリコンワクチン接種者の汗からエクソソームなどを介してレプリコンワクチンが体外に排出された場合、非接種者を含めて周囲の人達がレプリコンワクチンに暴露する可能性があるのです。
人体に備わっている免疫系は、基本的には異物であるレプリコンワクチンを壊そうと働きます。しかし、免疫低下や免疫不全などの状態により免疫系が正常に働かないような方の場合、その体内では増殖を止める仕組みも作動しない恐れがあるのです。さらに言うと、例えば体質的にスーパースプレッダーのような人が現れた場合、そこから周囲にさらに感染を広げる懸念があります。
従来のmRNAワクチンが個体間で伝播したとしても、受け取った人の体内では量自体は減っていく一方でしょう。けれどもレプリコンワクチンのように増殖する仕組みを持つ遺伝子製剤の場合は、受け取った人の体内でもそのmRNAが増える可能性があるのです。
蚊による個体間伝播
消化管の中は生理学的には「体外」ですが、身体中に張り巡らされた血液の流れる血管の中はまさに「体内」です。そのため、ウイルス感染症を患っている人の体内を循環するものを他者の体内へ直接注入すれば、そのウイルスに感染させるリスクは著しく上昇します (例えば注射針の使い回し等)。そして、吸血する昆虫である「蚊」も様々なウイルスを媒介します。蚊が媒介する病気による死者は世界中では実に年間75万人にも及びます。レプリコンワクチンの個体間伝播を考察する際には、汗や呼気などでの間接的な伝播に加え、蚊などによる直接的な血液での伝播も念頭に置くべきでしょう。
レプリコンワクチンは胎児に感染するか
胎盤は妊娠中に形成される一時的な器官であり、発育中の胎児のライフラインとも言えます。胎盤は胎児に必要な栄養素と酸素を供給し、老廃物を除去し、ホルモンを産生し、胎児を保護する働きをします。また、胎盤の血液胎盤関門はバリアとしても働き、母体血液中の病原体や有害物質などから胎児を保護します。しかしながらそのフィルター機能も決して完全ではありません。そのため、妊娠中はリスクを避けるために、煙草、アルコール、過剰なカフェイン等の摂取を控える事を求められてきました。
コロナワクチンのmRNAは血液胎盤関門を通過し、胎児の体内に取り込まれる事が確認されています。このようにLNPに包まれたmRNAが子宮内環境に届くのならば、レプリコンワクチンでも同様な事態が予測されます。さらにレプリコンワクチンmRNAの中には複製遺伝子も含まれるため、レプリコンワクチンmRNAが胎児の体内でも自己増殖する懸念があります。
レプリコンワクチンは個体間伝播するか
レプリコンワクチンは既に日本以外にもベトナムやインドなどで治験されてきましたが、個体間伝播は今までのところは報告されていません。では、そうした心配をする必要はないのでしょうか。そもそも日本でもコロナワクチンのシェディングによる健康被害を訴える方は多くいますが、その声は無視され続けています。実際シェディング被害の定量法など定まっておらず、治験でもそうした測定はされていません。
動物実験で安全性を確認する難しさ
コロナワクチン大量接種開始以来の日本の超過死亡の合計は2024年の前半の時点で既に60万人にも及びます。この膨大な超過死亡数はコロナワクチンの薬害が原因であると私は考えています。こうした数値から考えても、短期間での限定的な数のマウスを使った動物実験では遺伝子製剤の人体への安全性を確認するのは実際困難です。
いわゆる「シェディング」現象を検証するためには、高い感度のシェディングの原因物質の検出に特異的な実験系や、体調被害を定量化する実験系を立ち上げる必要があります。けれども現状ではシェディングの定量的な測定法すら存在せず、さらにマウスで「レプリコンワクチンの伝播が起こらない事」などを検証する事ははるかに難しいのです。
そもそもマウスとヒトは体のサイズ、寿命なども大きく異なり、マウスでの実験結果をそのままヒトに当てはめて簡単に安全性を結論付ける事はできません。また、例えばシェディングについてマウスとヒトの違いで考慮しなければいけない重要な要素の一つには「汗」があります。
ヒトが進化の過程で体毛を失った理由の一つは体温調節のために「汗をかく能力」を獲得するためであったと考えられています。実際、体温を下げるために汗の仕組みを採用している動物は非常に珍しく、哺乳類でもヒトとウマくらいですが、この仕組みにより長時間の激しい活動の際でも汗で体温を下げる事によって「オーバーヒート」を避ける事ができるのです。これはヒトの持つ特殊能力の1つであり、そのため本来ヒトは哺乳類の中でも屈指の長期離ランナーでもあります。汗をかくためのエクリン腺は「ヒト」の持つ特徴です。汗をかくためには体毛が邪魔になるため、本来マウスを含むほとんどの哺乳類は全身からは汗をかきません。汗によるシェディングの経路は大きな問題ですが、つまりマウスではこれを検証できないのです。
また、人は皆それぞれ遺伝的に異なり、ウイルスへの感染しやすさやウイルスのような外敵に対応する免疫系の働きも個人によって差があります。一方、動物実験に使われるマウスは基本的に純系であり、遺伝的には均質です。そのため人間の個人差もマウスで検証する事はできません。
シェディング現象を動物実験で解明する難しさの理由はそれだけではありません。そもそも研究者がそうした研究自体を敬遠するという事情があるからです。研究には費用がかかりますが、その中でも動物実験はコストの高い実験です。そして昨今ではmRNAワクチンの研究や癌製剤の活用や応用への研究に対しての研究費は潤沢ですが、製剤に対する「害」や「デメリット」の研究への研究費は申請しても却下される場合が多いでしょう。またそうした研究による成果を発表しようとしても、事実上ジャーナルの出資者でもある製薬会社に不利益をもたらすような内容の研究に関しては、査読を通す事すら困難です。また、たとえその研究成果を何らかの形で発表できたとしても、そのために所属機関の中で冷遇されたり、出世の道を閉ざされるといった可能性もあるでしょう。そのように、こうした研究に対する負の圧力のために薬害の研究が世の中に出てくる事は実際非常に難しいのです。
わずか127gのレプリコンワクチンで日本の全人口に接種可能
DNAワクチンやmRNAワクチンに比べ、レプリコンワクチンは一回の接種当たりに必要な核酸の量を極端に減らす事ができます。製薬会社がレプリコンワクチンの売り文句として「わずか127gで日本の全人口に接種可能である。」と謳うように、節約によるコストの削減はワクチンメーカーにとっては好都合でしょうが、接種量を節約できるのは接種者の体内でRNAが増幅する仕組みであるからに他なりません。
実際には体内での増幅には人体による個人差があるために、たとえ同一量のレプリコンワクチンを投与しても接種者によっては作用が想定よりも強く出る事もあるでしょう。また思い返すと、従来型のコロナワクチンでも現場でのミスによって子供に大人量を接種したり、接種量を間違えたりといった投与量に関する事故も何度も起きてきました。もし例えばこういったミスがレプリコンワクチンでも起こった場合、RNAの増幅や免疫刺激による毒性の強さがどれほどになるかは予測ができません。
レプリコンワクチンとパンドラの箱
レプリコンワクチンは2023年11月28日、日本で承認されました。実はその前にも一度インドで2022年に緊急承認されたのですが、臨床データは芳いものではなく、結果的に承認自体も暫定的なものに終わりました。そういった意味でも、今回の日本での承認は「真の分岐点」であり「パンドラの箱」を開けようとしているのは他でもない日本なのです。
日本はレプリコンワクチンの危険性を無視し、小規模な短期間のテストのみで、見切り発車の状態で承認してしまいました。この異例の早さには何かの意図があるのではないかとかすら疑います。通常、ワクチン開発には少なくとも10年以上かかると言われているのは、長期の副作用を見るには実際それだけの時間が必要だからです。けれども、たとえ国が承認し、製薬企業、研究者、医者がお墨付きを与えたところで、もし想定外の何かが起きた際には彼らが事態をコントロールできるわけではありません。
製薬企業は今後レプリコンワクチンのプラットフォームを拡大しようとしています。また、コロナだけでなく他の様々な感染症に対するワクチン、癌の予防や治療を名目としたmRNA製剤へも応用されようとしており、現在進行形で帯状疱疹やインフルエンザワクチンから癌製剤に至るまで臨床試験が進められています。レプリコンワクチンの開発企業は、将来的にこの技術が従来のmRNA技術に置き換わっていく事を期待しており、人々がワクチン接種について国や行政、医療機関に疑問を抱かない限り実際そうなっていく事でしょう。
日本人を対象としたレプリコンワクチンの人体実験はすでに始まっている
mRNA技術とはある意味人体を薬品工場として利用する技術です。さらにレプリコンワクチンでは、そのmRNA自体も増殖します。一人一人の体内で実際タンパクをどれくらい作るのかは予想できません。レプリコンワクチン自体には増殖の「ブレーキ」は搭載されていません。mRNAがどれほど増殖し続けるのか、増殖がいつ止まるか実際には分からないのです。
この場合の安全管理とは言わば個人の体質次第です。しかも増殖するmRNAは投与されたmRNAのまま不変ではなく変異していきます。変異するうちにどのようなものができるか分からず、また組換えも起こります。免疫系との競争の中では感染性が高いもの、増殖率が高いものが自然淘汰の競争で優位に立ちます。そのため、そういった競争の中で危険な「ワクチン変異株」が進化し広がっていく恐れがあるのです。
「今のところ危険性は証明されていないので、さっそく実際に人間で試してみよう。」という決して行うべきではない人体実験を、治験という名目で日本という国は国民を対象にすでに始めてしまいました。もしこのまま進めば2024年秋には一般への大量接種が始まる可能性があり、もはや時間に猶予がありません。
日本ではすでにコロナワクチンによって数十万人もが犠牲になった可能性があるにも関わらず、医療従事者もマスメディアも、未だにmRNAを理解しているようには見えません。ましてやレプリコンが何かなどはさらに理解していないでしょう。知っている者が伝えなければいけないのです。
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