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身体を健康に導く5リセット!

皆さん、こんにちは。

健康届け人の小林寛です。

今回、僕が普段のトレーニング指導で大切にしている呼吸、ヘッドコントロール、ローリング、ロッキング、クローリングの5つの種目を動画や画像付きでまとめたnoteを作りました。

この5つの動きはoriginal strengthという団体が提唱しているもので、日常生活でストレスに晒された身体を「自分が本来持っている良い状態」にする為の動きになります。

そもそもoriginal strengthとはどういう団体かというと、上記の5つの動きと3つの重要な原理

1、横隔膜を使った呼吸をする。

2、前庭系を活性する。

3、対側の動き、身体の中心線を交差する動きを行う。

この3つを通し、固まってしまったり正常な機能を失っている身体を本来あるべき状態にリセットして全ての人が、より良く呼吸し、より良く動き、より良く生きる事をサポートする団体になります。

original strengthは身体を軟球のような空洞ではなく、

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硬球のような中身の詰まった身体にしてくれます。

同じ身体でも空洞ではなくしっかりと強い中心部を作る事で、身体はより強い力を生み出す事が出来るようになります。

また、外力にも耐えられるようにになるので、この身体を手に入れる事でより良く生きる事に繋がっていきます。

このoriginal strengthの考え方は僕のトレーニング指導の土台になっていて、とても大切にしているものです。

今回はこの5つの動きを「動きの発達」で大切な「脊椎」、「相同」、「同側」、「対側」の動きにも関連付けながら紹介していきたいと思います。

どんなトレーニングをするかも大事ですが、僕が一番大事だと思うのは、身体を本来の自分が持っている良い状態にリセットして、トレーニングをする為の準備を整える事です。

今回紹介する5つの動きを普段の生活に取り入れる事で身体は良い状態にリセットされるので是非このnoteを見ながらやってみて下さい。

5つの動きを順番に説明していく前に、先ずは見落とされやすいエネルギーストレスについて書いていきます。


⓪ エネルギーとストレスとは?

人間は食事を摂取する事でエネルギーを身体に蓄えていきます。

この蓄えられたエネルギーを使って活動していくのですが、食事で蓄えられるエネルギーには限度があり、消費できるエネルギーにも限度がある事を頭に入れておいて下さい。

蓄えられたエネルギーは我々の身体に対して3つの役割があって、使われる順から

生命維持に必要な生物学的機能
身体活動とストレスへの対処
組織修復と適合

となります。

先ずは生存するために心臓や肺、脳のためにエネルギーを使い、残ったエネルギーを②の身体活動とストレスへの対処に使っていきます。

身体を動かす事にエネルギーが必要なのは理解しやすかと思いますが、実は、「身体が受けたストレスに対処するのにもエネルギーが必要です」。

ご存知の人も多いかと思いますが、ストレスには精神的ストレス身体的ストレスの2種類があり、精神的ストレスには人間関係仕事のプッレッシャーなどがあり、身体的ストレスには運動、気温差、睡眠不足光刺激などが挙げらます。

ここで大事なのはこの2種類のストレスが同じように身体に蓄積していく事です。

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人によってストレス耐性が違うのは多くの人が知ってるかと思いますが、精神的なストレスと身体的ストレスが同じように身体に蓄積する事は意外と知られてないかと思います。

日常生活でストレスを溜め過ぎている状態で運動をするとコップから水が溢れるストレスの容量オーバー状態になって筋力アップやボディメイク、ダイエットなどの望む効果は得られず、怪我や身体の不調につながります。

なので、トレーニングやヨガなどの運動はやればやるだけ良いという訳ではないのです。

運動をする事で様々なメリットが身体にもたらされますが、それは運動のストレスを受け入れられる余白がある時のみになります。

もちろん、動くのでエネルギーも消費してしまいます。

これだけ沢山のエネルギーを使った後にようやく③の組織修復と適合である身体を回復させたり、筋肉をつける、身体を絞るなどの変化の為にエネルギー使う事が出来るのです。

つまり、身体がストレスを受け入れるだけの余白や回復させるだけのエネルギーが残っていないとやればやるだけ怪我のリスクを増やし、健康を損ねる事になってしまうのです!!!

多くの人がハードに動く事、沢山汗をかく事に目を向けがちですが、ストレスを受け入れられる余白を作る事にも目を向けていかないと健康の為の運動が逆効果になってしまいます。

じゃあ、どうすれば身体に運動をする為の余白を作れるのか?

1つは質の良い睡眠を取る事です。

しっかり睡眠を取る事で、「脳と身体に休息を与える」、「記憶を整理して定着させる」、「ホルモンバランスを調整する」、「免疫力を上げて病気を遠ざける」、「脳の老廃物を取る」という5つの効果があり、運動をする為の余白を作る事が出来ます。

反対に、しっかり睡眠を取らずに日常的に不足する状態が続くと身体に何が起こるのか?

ざっくり言うと、疲労が蓄積しやすくなり、記憶が定着しにくくなります。

また、肌が荒れたり体重が増えやすくもなり、病気になるリスクも増えてしまいます。

このように睡眠不足は身体にとって何も良い事がありません。

なので、しっかりと睡眠を取れるように先ずは下記の事を意識してみて下さい。

・寝る時間と起きる時間を決めて、毎日その30分前後に寝起きすることを心がける。

(寝る時間や起きる時間が日によって違いすぎると体内時計が狂いやすくなります)。

・土や砂浜、草の上を裸足で歩く。                     (肌が地面に触れる事で副交感神経が優位になり、眠りやすい身体になります)。

・しっかり寝るのに重要な体内時計を働かせる為に朝食をちゃんと食べて、午前6時〜午前8時30分の太陽光を30分ほど浴びる。               (朝食をしっかり噛んで食べる事で身体が目覚めていきます)。

・色んな栄養を食べ物から取る。
(食べ物を噛んだり、舌で味わう事で味覚や触覚が刺激され身体をより健康に導きます)。

・寝る2時間前には部屋の明かりを少し暗くする。
(50ルクス ロウソク5本程度)。

・寝る1時間ほど前からは携帯やパソコンを使わないようにし、電子機器から発せられる電磁波が睡眠の妨げになるので寝室に携帯を置かない。         (寝る前にスマホなどの電子機器の画面を長時間見ていると睡眠に欠かせないメラトニンの分泌が減少してしまいます)。

・寝る90分前に済ませられるなら入浴をする。
(済ませられない場合はシャワーにする)。

・寝室で仕事をしない。

・寝るときは寝室を真っ暗にする。

・眠くなったら寝る

・体内に熱をこもらせない為に裸足で寝る。

これを意識して実行する事で身体にトレーニングをするだけの余白を作る事が出来ます。

特に僕が実践して1番効果があると感じたのは、朝に太陽光を浴びて昼間を明るく過ごし、夜は光を抑えて暗く過ごす事です

そうする事で体内時計が狂わず本来の働きをして、夜に眠気がちゃんときてしっかり眠れるようになりました。

また、下の動画のような呼吸や簡単な動きをする事で自律神経のバランスを整えられ睡眠の質が向上するのでぜひ寝る前にやってみて下さい。

人間は元々「光(朝)と闇(夜)」を過ごす事で身体の機能を正常に保ちますが、現代社会は技術の進歩もあり光が多く、夜も明るく過ごせてしまいます。

この日常が普通になってくると、どんどん眠りにくく、身体や脳が回復しない身体になるので、すぐにでも出来る範囲で朝の太陽光を浴びて、夜を暗く過ごす生活を取り入れてみて下さい。

睡眠以外で余白を作る為にもう1つ意識して欲しいのが、今回紹介する身体を良い状態にリセットする呼吸、ヘッドコントロール、ローリング、ロッキング、クローリングの5つの動きです。

呼吸を繰り返して、目と頭から動きをリードして転がったり四つん這いで前後に動いたりハイハイをする。

全て地味な動きですが全てが重要な動きで、毎日30秒ずつやるだけで身体は変わります。

今回、5つの動きを色んなパターンで紹介しますが、自分が出来る動きから取り入れてみて下さい。

その時、痛みが出るような動きは決してしないで下さい。

痛みは身体を良い状態にリセットするのを邪魔するので、先ずは痛みなく出来る動きから取り入れていきましょう!

それではここから5つの動きを順番に説明していきたいと思います。

① 呼吸

身体のリセット種目の1つ目は「呼吸」になります。

呼吸は今回紹介する身体のリセット種目の最も基盤となるものです。

本来の強さを発達させる為にまず最初に始めるべきもので、この後に説明していく「動きの発達」でも呼吸は土台になってきます。

呼吸の大切な役割は、酸素を取り込みその酸素を体内の細胞に送り届ける事と体内で酸素を使った細胞から排出された二酸化炭素を体外に吐き出す事です。

この働きのお陰で体内の細胞のPHレベルを正常に保っています。

人間は1日約1万5千回〜2万回ほど呼吸をしていますが、もし間違った呼吸をしていたら身体は確実に健康を損ないます。

本来あるべき呼吸の仕方を取り戻して、人間が持つ本来の機能を存分に発揮出来る身体を作りましょう。

まず、呼吸の基本についてですが...

それは、メインの呼吸筋である「横隔膜を上下させて空気を吸って吐く事です」。

ここで言う呼吸とは口呼吸ではなく、鼻呼吸になります。

なぜ鼻呼吸かと言うと、鼻腔(鼻の奥)を使う事で横隔膜が働きやすくなるからです。

さらに、鼻呼吸は血管拡張作用のある一酸化窒素が肺に運んで酸素の取り込み能力を高めてくれます。

目的によっては口から吐く場合もありますが、口から吸う事はNGです。

口から吸うと菌やウイルスを吸引しやすくなるのと、空気を吸う為に舌が上顎から離れ、下顎も開くのでその重さにより頭が前に行ってしまいます。

つまり、口から息を吸う事は姿勢を崩す要因の1つになるので鼻での呼吸を行なって下さい。

本来は横隔膜を使った鼻呼吸が理想ですが、現代社会では横隔膜を適切に使えずにいる人が多くなっています。

横隔膜を適切に使えない要因の1つとして、横隔膜の筋力低下があります。

横隔膜も筋肉なので使われないとどんどん筋力が落ちて、動きが悪くなってきます。

女性で多いかと思いますが、お腹周りを少しでも細く見せたいが為に細いパンツを履いたり、お腹を固めてウエストを細く見せようとしていると横隔膜を使った呼吸を制限してしまいます。

もう一つの要因としては、横隔膜の過緊張があります。

日常生活で色んなストレスを身体が感じると、横隔膜が収縮したままになり横隔膜を使っての呼吸が出来なくなります。

このような状態が続くと本来は呼吸の時に補助的にしか働かない首や胸、肩の筋肉を主導筋として呼吸をする事になり、補助筋で呼吸をする癖がつくと、頭痛や首こり、肩こりなどの不調の原因になります。

なのでしっかり横隔膜を使った呼吸をして不調の原因を減らし、身体を健康へ導いていきましょう。

じゃあ実際に呼吸をする際に横隔膜がどう動くかというと、神経から信号が届き横隔膜が収縮して下がる事で肺が引っ張られて陰圧になり、気道を通して空気が流れ込んできます。

これが「息を吸う」という事です。

息を吸ってる時はお腹が膨らみ、肋骨は外旋(四方に広がるような動き)するので体幹部全体が360°膨らみます。

ここでは前側だけでなく、横や後ろもしっかり膨らむのがポイントです。

逆に横隔膜がリラックスすると下がってたとこから元の位置に戻り、肺が押されて空気が漏れ出ていき「息を吐く」事が出来ます。

息を吐いた時はお腹と胸は全体的にへこんでいき、肋骨は四方に広がったとこからおへその方に下がるように動きます。(内旋)。

呼吸の際のお腹や胸の動きのイメージとしては、体幹部が「風船」だとして、息を吸った時は風船が膨らみ、吐いた時は風船がしぼむ感じです。

ざっくりとですが、これが横隔膜を使った呼吸になります。

ここまで呼吸について話してきましたが、メインで関わる「横隔膜」とはどういうものなのか?

横隔膜はドーム状の筋肉でみぞおちや肋骨の裏にあり、胸膜を通して肺と繋がっていて、後ろ側は腰椎に繋がっています。

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後ろ側が腰椎(脊椎)に繋がっているので、横隔膜を使った呼吸が出来なくて過緊張の状態が続くと脊椎の適切な湾曲を乱し、姿勢が崩れやすくなります。

反対にしっかりと横隔膜を使った呼吸が出来ると脊椎が安定し、姿勢が整います。

横隔膜の他に脊椎を安定させる代表的な筋肉には「多裂筋」、「腹横筋」、「骨盤底筋群」の3つがありますが、これらの筋肉が無意識下でしっかり働く事で身体の強さを内側から構築し、姿勢を安定させています。

これらの筋肉の働きがある事で、身体が生み出す力を適切に発揮する事ができるようにもなります。

脊椎が安定する事で、手や足を動かした時に脊椎が手足に引っ張られて一緒に動かないようになるのです。

反対にこれらの筋肉が上手く使えず、脊椎が安定しないと動きを制御出来ずに怪我のリスクが高まります。

多裂筋、腹横筋、骨盤底筋群の全てが脊椎を安定させるのに大事ですが、横隔膜と特に関連が強いのが「骨盤底筋群」です。

横隔膜骨盤底筋群は通常、向かい合うような位置関係にあり、動きが連動するようになっています。

息を吸って横隔膜が下がれば骨盤底筋群も下がり、息を吐いて横隔膜が上がれば骨盤底筋群も上がります。

2つの筋肉が向かい合い、連動する状態を作る事で体幹を機能させる事が出来ますが、腰が反った姿勢や背中が丸まっているような姿勢だとこの2つの筋肉は向かい合わないので体幹を上手く機能させる事が出来ません。

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横隔膜を使った呼吸は姿勢を安定させるだけでなく、体幹が機能する為にもとても重要です。

色んな姿勢で呼吸を試したら、なんとなくで良いので先ずは一番自分が横隔膜骨盤底筋群の上下動を感じる事が出来る姿勢で呼吸を1分間繰り返しましょう。

繰り返し色んな姿勢での呼吸を続けて、最終的にはどんな姿勢でも横隔膜骨盤底筋群の動きを感じられるようになるのが理想となります。

呼吸をしていく際のポイントとして、吸う息より吐く息を長くするというのがあります。吸うのを1としたら吐くのを2〜3になるようにして下さい。

吐く息を長くする事で副交感神経が優位になり、ストレスに晒された身体をよりリラックスさせる事が出来ます。

もう一つ、舌を口内の上側に少し触れるぐらいの位置に置いておくのもポイントなので意識してみて下さい。

ここからは呼吸をする際の姿勢をいくつか紹介していくので、是非参考にしてみて下さい。

1、膝を抱えたり、立てた姿勢。

膝を抱えたり、立てる事で骨盤が後傾(後ろに傾く)するのでより横隔膜と骨盤底筋群が向かい合いやすくなります。

なので、体幹部を安定させやすい姿勢です。

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2、手や足を伸ばした姿勢。

慣れてきたら難易度を上げる為に手や足を伸ばしていきましょう。

そうする事で肋骨が開きやすく、骨盤も前傾(前に傾く)しやすいので横隔膜と骨盤底筋群を向かい合わせの状態にしておくのが難しくなるので先ほどより体幹部を安定させるのが難しい姿勢になります。

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3、うつ伏せ。

うつ伏せはお腹や胸の膨らみを感じやすい姿勢なので、膨らますという感覚がわかりにくい人にオススメです。

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4、手や足で身体を支える姿勢。

基本的に人間は動く時には体幹部が地面に着いていないので、体幹部が地面から離れた姿勢でもしっかりと横隔膜を使った呼吸が出来るようにしていきましょう。

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余談ですが、生物は進化していく中で効率よく移動する事が出来るようになり、移動の際の体幹の関与が減っていきました。

ヒトの祖先と言われているナメクジウオは体幹の側屈だけで動くので体幹の関与がかなり多かく移動に使うエネルギーが多かったです。

実際にやってみるとわかるのですが、仰向けやうつ伏せで体幹の側屈だけで移動しようとするとかなり疲れるし、全然進むことが出来ません。

ただ体幹だけで移動する能力はまだ残っているので、こういう動きも取り入れるとより身体は健康に近づくので是非やってみて下さい!

仰向けバージョン

うつ伏せバージョン

その後、色々進化をして陸上に進出する生物が出てきた時に、お腹を地面に擦りながら移動してたのですが、これだと早く移動出来ないという事に気付き少しでも早く移動する為にお腹を浮かせる筋肉を発達させました。

これが、先ほど出てきた腹横筋やその上を覆う内腹斜筋外腹斜筋になります。

そこからさらに早く移動する為に手足が出来て、体幹の側屈と手足の動きで移動するようになったり、四つん這いで動くようになり徐々に移動の際の体幹の関与が減っていきました。

人間になると二足歩行になり、移動の際の体幹の関与は殆どなくなり、そこに使われなくなったエネルギーを脳に使うようになったと言われています。

少し余談が長くなりましたが、どんな姿勢でも吸う時にお腹と胸が360°膨らみ、吐く時に全体的にへこんでいく横隔膜をメインに使う呼吸に慣れてきたら、トレーニングの際には膨らんだ状態をある程度維持しながら息を吐く事を意識して下さい。

長年続くダイエットブームでお腹をへこませながら動く事が流行ってますが、実はこの状態では脊椎の安定性は低く体幹部はあまり安定していない状態です。

ペットボトルの真ん中を潰してお腹をへこませた状態を再現し、上から圧をかけるとわかるのですが、ペットボトルは簡単に潰れてしまいます。

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お腹をへこませたまま動くという事はこのペットボトルに近い状態なので、重力などの外力に耐える事が出来ず、怪我に繋がりやすいです。

反対に水を満杯に入れてお腹を膨らませた状態を再現すると、いくら上から圧をかけてもペットボトルは潰れません。

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つまり、お腹をへこませている時より体幹部が安定し、外力に耐える事が出来るので怪我のリスクが減ります。

無駄な怪我のリスクを減らす為にも是非今後のトレーニングの際に意識してみて下さい。

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