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ヨーロッパは理念先行型・・・イギリス・フランス5年間の赴任生活<第67話>

前回、私の会社のイギリス工場とフランス工場の違いについて述べました。
ヨーロッパには多数の国がありますが、そのうち3強はやはりイギリス・フランス・ドイツです。これらの国は文化も歴史も異なるため、それぞれ特徴があります。

イギリス
赴任する前に私が日本で抱いていたイギリスの印象は、
「紅茶ばかり飲んでいる」、「紳士・淑女の国」。
でも、日本人が緑茶ばかり飲んでいるわけではないように、イギリスでは紅茶だけでなくコーヒーもコーラも普通に飲みます。
また、いざ現地に住んでみると がさつな人も多く 全然 紳士ではないため、赴任当初ちょっとがっかりしました。

フランス(&イタリア・スペインなどの地中海沿岸の国々)
ラテン系であり 人生を楽しむことが最大目的。極端に言うと、自分のことだけを考えていて、他人のことなんか気にしていません。他人に迷惑をかけてはいけません と言われて育ち、また他人にどう思われるかを絶えず気にしている日本人には、なんだか馴染めないところがあります。

ドイツ
一言でいうと、厳格。街並みも重厚で整然としています。まじめに働きますが、とてもがんこです。自負心が強く、そう簡単には自分の意見を曲げません。体格も大きいため圧倒されます。

あくまでも 私の個人的なイメージです

イギリス赴任当初 ちょっと幻滅していましたが、何年間か生活をし 英仏独をはじめヨーロッパのいろんな国の人々とも仕事をするうちに イギリスはやっぱりジェントルマンだなぁと感じるようになりました。

EUはこのように 性格の異なる多数の国々をまとめて統合していこうとする超国家的取り組みなので さぞ大変な苦労があるでしょう。(今はイギリスが離脱してしまいましたが)
日本は「和」の国であり、全員が納得して異論が出ないように調整しくことを重要視しますが、各国の意向を全て聞いていたら いつまで経っても意見がまとまらないでしょう。
ヨーロッパのやり方は 理念先行型だと感じます。理想とする目標を立て、少々無理があっても強制的に実施していき、走りながら修正していくのです。

製造業に携わっている方なら よくご存じだと思いますが、ISO規格というものがあります。スイスに本部を置くInternational Organization for Standardization (国際標準化機構) が制定した規格です。
国によって部品や製品の大きさ・品質・機能が異なると、国際間の取引に支障が生じるため、これらの基準を制定したものです。さらには、これを達成するためのマネジメントシステムも標準化しています。
このISO規格がヨーロッパ発祥なのもうなずけます。

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