「スキーマ療法⑬巻き込まれ/未発達自己」を複雑性PTSD/ボーダーライン・パーソナリティー症の目線から説明してみた
18種類のスキーマの8つ目は、
「巻き込まれ/未発達自己スキーマ」です。
このスキーマを獲得してしまった原因は
「依存/無能スキーマ」と同じです。
今回は「巻き込まれ」と「未発達自己」を分けて説明します。
巻き込まれスキーマを持つ人の特徴は、
⒈重要な他者との関係に深く巻き込まれているので、
どれが本当の自分かわからなくなっている
⒉そのため、社会性を発達させることができない
⒊巻き込まれ対象がいなければ生きていけないと信じている
⒋二人で一人の感覚である
⒌相手の心を読んだり、相手の願望が理解できると信じている
⒍二人の間に境界線を引くのは間違いであると考えている
⒎境界線を引いてしまったら、相手に対して罪悪感をもつ
⒏その相手にすべてを打ち明け、相手にもそう願う
⒐相手に一体感を感じながら、自分の中に圧倒される感じや、
息がつまる感じも同時に生じる
未発達自己スキーマの特徴は、
⒈自分自身のアイデンティティが欠如している
⒉空虚感を常に抱いている
⒊巻き込まれ対象との関係を維持するためアイデンティティを捨ててしまう
⒋地図を持たずに世界をさまよっている感覚をもつ
⒌本当に好きなことは何かを考えず、育んでこなかった
⒍自分自身の人生より、相手の人生にリアリティを感じる
⒎一体感を持てそうな強力な対象を探す
⒏相手が太陽で、自分は周りを回る地球だと感じる
⒐相手と異なる自分の思考や感情、行動をすべて抑制する
10.相手から離れようとすると、罪悪感に苦しむ
治療目標は、
①本来の自分(好み・意見・選択)を取り戻し、表現できるようにする
②自分らしさを意識し出せるようにする
③自分自身の人生を生きられるようにする
④相手との共通点、相違点を区別できるようにする
⑤相手との間に境界線を引いて、アイデンティティ感覚を持てるようにする
巻き込まれスキーマと未発達自己スキーマーは、
ほとんどが合併するそうです。
いずれにせよ破綻が見えています。
早くスキーマに気づいて修正できれば、
空虚感や罪悪感は薄らいでいくのかなと思います。
自分は何が好きなのか、
あるいは何も好きじゃないという答えも有りだと思います。
無理をして「好き」を探さなくていいと思います。
何が「イヤ」なのか、何が「不快」なのか、
自分自身に聞いてあげてください。
お読みいただきありがとうございました。
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