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12月議会の一般質問の報告(その3)。「医療的ケア児等への支援の充実」について。

 名取市議会議員のさいひろみです。

 12月議会の一般質問の報告その3は、医療的ケア児等への支援や、保護者からの要望などです。

 発端は、保護者の方からの情報提供と要望・問題提起です。
 それを受けて、市内の関係する事業所や宮城県医療的ケア児等相談支援センター(通称名:ちるふぁ)などを訪問したり、オンラインで保護者の方と意見交換をして、準備を進めてきました。

 調べれば調べるほど、問題は広がっていきます。
 いったんここで区切りを入れて12月定例会の一般質問としました。収まらなかった分は2月定例会に向けて、さらに確認を進めて質問とします。 

◇ 質問と答弁(概要)

Q:医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が、2021年9月に施行され、自治体の支援策が責務となった。名取市としての認識や取組、また課題は。

A(市長):認識として、対象児童と、その家族を社会全体で支えていく必要や、多くの機関が連携し支援することである。取組として「医療的ケア児支援事業」がある。課題は、対象児童の状況がそれぞれ異なるため、必要に応じた支援を受けられるようにすること。

A(教育長):適切な支援を行うべきものである。関係施設と学校が連携し、就学相談などを行っている。課題は、ソフト・ハード両面での支援体制の構築。

A(市長):法律にも明記されているとおり、医療的ケア児とその家族を社会全体で支えていく必要がある。医療、保健、福祉、教育、労働等に関わる様々な機関が緊密に連携し、切れ目なく支援を行われなければならないものと認識している。
 本市の取組として、2021年10月から「名取市医療的ケア児支援事業」を行っており、訪問看護事業所から障害児通所支援事業所へ看護師を派遣することで、医療的ケア児の受け入れを行うものである。宮城県の医療的ケア児支援促進モデル事業として先進的に取り組んでいる。
 課題としては、乳幼児から小中学生等の幅広い年齢や心身の状況が一人一人異なっており、それぞれの必要に応じた支援を受けられるようにすることである。

市長答弁概要

A(教育長):法律の理念に則り、学校において分け隔てない教育を受けられるよう、適切な支援を行うべきものと捉えている。
 現在の取組として、幼稚園・保育園等の施設や学校と連携し適宜、就学相談を実施し、医療的ケア児の把握と対応に努めている。
 課題は、看護師等を派遣する体制や教職員への研修、校内の施設整備等、ソフト・ハード両面での支援体制の構築である。

教育長答弁概要

Q:2023年4月に、国に「こども家庭庁」が設置される予定である。医療的ケア児への対応も大幅に変わることが想定されるが、名取市への影響は。

A(市長):国から施策が示されていないが、情報収集に努める。

A(教育長):各関係機関との連携体制の整備の情報収集と調査研究をする。

A(市長):現在、医療的ケア児の事案は、関係機関が集まって、情報共有と連携を図りながら対応している。国からは、こども家庭庁の設置に伴う医療的ケア児の具体的な施策が示されておらず、影響を捉えられないが、情報収集に努める。
 いずれにしても、医療的ケア児の支援には、横断的かつ、きめ細かい対応が求められるので、適切に対応したい。

市長答弁概要

A(教育長):市長答弁と関連するが、こども家庭庁が設置されることで、学校における医療的ケア児への対応も、関係機関との横断的な連携により、総合的かつ切れ目のない支援が可能になると捉えている。
 教育委員会では、国の動向を注視し、医療的ケア児への適切な支援につながるよう、こども家庭庁の設置理念に則った連携体制の整備を情報収集・調査研究したい。

教育長答弁概要

Q:名取市の「第6期障害福祉計画・第2期障害児福祉計画」は、計画期間の折り返し点を過ぎている。この計画には「医療的ケア児支援のための関係機関協議の場の設置」が設定されている。
 課題の整理や関係機関との連携、各種計画の取組状況の進行確認などを進める上で早急に設置すべきである。
 また、協議の場では、宮城県医療的ケア児等相談支援センター(ちるふぁ)とも連携し、事例の研究や各種研修を実施すべきではないか。

A(市長):2023年度のできるだけ早い時期に協議の場を設置する。ちるふぁとは、今後も積極的に連携を図りたい。

A(市長):医療的ケア児支援のための関係機関協議の場の設置は、2023年度のできるだけ早い段階で設置できるように取り組む。
 「ちるふあ」との連携は、2022年11月に実施した健康福祉部職員向けの勉強会、年明けに開催予定の市内障害福祉サービス事業所向け勉強会の講師をお引き受けいただいており、今後とも積極的に連携を図りたい。

市長答弁概要

Q:「第6期障害福祉計画・第2期障害児福祉計画」では、医療的ケア児コーディネーター配置について検討することとなっている。保護者や地域づくり協議会からも、配置への強い要望が出ている。
 現在、整備の準備が進められている、「(仮称)名取児童発達支援センター」に配置し、機能の充実を図るべき。

A(市長):国の動向などを踏まえて、検討を深めたい。

A(市長):計画期間中で、医療的ケア児コーディネーターの役割を検討することとしているが、国の動向等を踏まえながら、検討を深めたい。

市長答弁概要

Q:医療的ケア児は、生活介護施設などに通所する場合は、基本的に施設側の送迎ではなく保護者の送迎となっている。送迎に係る保護者への助成制度は、三重県松阪市で取り組まれている。本市でも助成制度を創設すべき。

A(市長):他の自治体を参考に、調査・研究したい。

A(市長):市内に2か所ある医療的ケア児を受け入れる障害児通所支援事業所では、喀疾(かくたん)吸引や、気管切開部の衛生管理等が必要な医療的ケア児の送迎に看護師が同乗し、対応している。
 ただし、ストレッチャーやリクライニングタイプの車いすの場合、車両の関係上、対応できない場合もあり、また、酸素投与等の重度の医療的ケアが必要な方は対応が難しいと伺っている。このような場合は、保護者が送迎せざるを得ないのが実情である。
 保護者の送迎が必要となる場合の交通費助成制度は、すでに取り組んでいる他自治体の事例を参考に、国等の動向を注視しつつ調査・研究したい。

市長答弁概要

Q:現在の若竹園(=市の心身障害児通園施設)では、リフレッシュ事業とレスパイト事業に取り組まれているが、看護師がいないため、医療的行為ができない。
 (仮称)名取児童発達支援センターには、看護師を配置し、医療的行為を含めたリフレッシュ事業とレスパイト事業の充実など、時代に合った取組を行うべきではないか。

A(市長):必要性を見極め、優先交渉権者と配置を相談したい。

A(市長):2024年4月開設を目標にしている(仮称)名取児菫発達支援センターは、若竹園が取り組んできた事業を拡大継承しつつ、新たに児童発達支援センターとしての機能を追加し、保育所等訪問支援事業や障害児相談支援事業等を行う予定である。
 2021年5月に整備運営事業者を公募し、優先交渉権者として決定した事業者から独自提案の事業として、家族等のレスパイト事業が提案されており、充実が図られるよう調整したい。
 看護師の配置は、公募では職員配置要件としておらず、また、優先交渉権者からも看護師の配置は、独自提案をされていない。
 現時点で想定していないが、必要性を見極めながら、配置を優先交渉権者と相談したい。

市長答弁概要

Q:本市では子育て支援の充実を掲げているが、医療的ケア児等への支援は不足しているとの声を聞く。要望などを丁寧に受け止めて取り組むべき。

A(市長):丁寧に耳を傾けて、できる限りの支援に取り組みたい。

A(市長):医療的ケア児は、医師の指示のもと看護師等による医療的ケアが必要となることから、従来の支援策では対応できない場面も生じており、これにより必ずしも充分な対応ができているとはいえない。
医療的ケア児等への、新たな国の支援制度を的確に運用し、本人や家族からの要望等にも丁寧に耳を傾け、できる限りの支援に取り組みたい。

市長答弁概要

◇ まとめ

 定例会閉会後に、医療的ケア児の親の会に参加することができました。

 2月定例議会で取り上げる予定の課題についても、お話を伺うことができました。

 2月の話題は、課題の抽出のイメージは浮かんでいます。ですが、現時点ではどうやってカタチにするのかが頭の中で定まっていないです。
 今後は、保護者の方との意見交換も進めて、さらに論点を整理していきますよ。

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