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おでん小町とLive Music Bar JET

夜のコザの街。

Ha&Hiさんに連れられて、中の町とゲート通りへ。
大人になった気分。そわそわ。

(1)おでん小町

沖縄の居酒屋と言えば、おでん。勝手なイメージだけど、私の中で、おでんと沖縄が結びついている。

中の町の「おでん小町」に着いた時も、「沖縄の夜といえば、やっぱりおでんなんだ」と勝手に納得していた。

カウンターに通されて、メニューを見る。私は、さんぴん茶を注文する。

私は飲酒すると、頭痛や眠気が襲ってくるため、あまりお酒は飲まない。飲まない方が楽しめるからだ。だけど、Ha&Hiさんが「いい気分になる為に飲んでいる」と言った時に、みんないい気分になる為にお酒を飲んでいるのか!と四十にして目から鱗だった。気づくのが遅すぎる。

私は、飲まない方がいい気分。Ha&Hiさんは、飲んだ方がいい気分。どちらも、それぞれ最高だ。いい気分になることは、どちらも正義だ。

おでんを注文する。カウンターに並ぶおでんを、チラ見する。立派な茶色い塊が並んでいた。あれはなんだろう。とても美味しそうだ。

それは、だいこんだった。

迷わず、だいこんを注文する。

だいこん、最高。

他にも、たまご、豆腐、こんにゃく(糸こん)、野菜、ジャガイモ、ソーセージなどを注文する。てびちもあったけれど、私もHaさんも、てびちはちょっと苦手だから、注文するのは控えた。

Hiさんは、てびちが好き。
私たちに、ひと口勧めてくれる。

おそるおそる食べてみる。それが、なんと、美味しかった!むちむちとした食感が、私の好きな餅みたいだった。

てびちも、お店によって、味が異なるのだと知った。しっかりと立派なてびちの見た目も、一見の価値あり。てびちの写真を撮り忘れたことを後悔。

ちなみに、てびちを食べる時の表現を、うちなーぐちで「ずっぷる」と言ったり「すっぷる」と言う。微妙な違い(今回は濁音の違い)で、地元が分かってしまうのだなと思った。

どのおでんも美味しくて、追加で練り物や昆布を注文した。

お腹が満たされた頃、Ha&Hiさんが、おでん小町は、中の町では有名な老舗おでん屋さんである事を教えてくれる。それ、早く知りたかった!

黒々としたおでんの出汁は、長年継ぎ足された年代物の出汁。その歴史を感じて、もっと味わって食べたかった。取りこぼしていた老舗の空気感を吸収するかのように、しみじみと店内を見渡し、観察する。

おでん小町のママたちは、姉妹だと教えてもらう。ママたちの話を聞きたい。思わず、ママたちに話しかける。土曜日の夜だった為、忙しいなか、ママたちはおでん小町の歴史について、教えてくれた。

おでん小町は、創業56年。
56年受け継がれた、秘伝の出汁。

復帰前から、トタン小屋(とたんやー)で商売を始めた。ママたちのお母さんがお店を始め、ママたちも手伝っていた。当時は、砂利道の中の町。その後、砂利道はアスファルトに変わり、トタン小屋は、現在のお店に建て替えた。コザ騒動(暴動)の時も、おでん小町は、ここにあったのだ。

56年受け継がれた、秘伝の出汁。

私の人生で56年も続く事が、今後あるだろうか。

おでん小町の歴史を、もっと聞きたかった。そして、この話を聞いている時に、店内には、歌手の古謝美佐子さんが、いた。

偶然、古謝美佐子さんに遭遇する。

こんな偶然があるのが、コザなのか。


【おでん小町】
住 所:〒904-0031 沖縄市上地1-13-22
電   話:098-932-2771
駐車場:なし
営業日:月〜土曜日(18:00~24:00)
定休日:日曜日


中の町の「おでん小町」を後にして、ゲート通りへ向かう。

(2)Live Music Bar JET(ジェット)

沖縄市は、音楽の街。一度、聴いてみたかったオキナワン・ロックを聴きに行く。フィリピンバーCLUB QUEENの前を通ると、ビザを取る為にバンドメンバーが帰国中で、休業中だった。

Live Music Bar JETへ行く。このライブバーで演奏するロックバンドがJETであると、私は、いま知った(すみません)。JETが演奏するライブバーだから、JETなのだ。なるほど。

JETは3ピースバンド(ギター、ベース、ドラム)。Vo&Bassを担当するターキーこと古堅喬さんは、1970年代に活躍した元コトブキのメンバー。JETの結成は1993年。結成時のメンバー(ジミー、エツー、ターキー)の頭文字を取ってJETというバンド名になった。その後、メンバーチェンジを経て、現在も活動している。結成して31年!!凄い。

ドキドキしながら、階段を上り、ドアを開ける。

ちょうど演奏中だった為、ロックの重低音が響くなか、店内に入る。

カウンターで飲み物を注文する。アルコールはもちろん、ソフトドリンクもある。私は、ジンジャーエールを注文する。その場で飲み物を受け取り、席は自由席。好きな場所に座ることができる。ただ、最前列は音が大きいため、大きな音に慣れていない方は、別の席に座る方が良いと店員さんが教えてくれる。お店の方は親切だし、特にチャージ料なども必要ないし、とても分かりやすいシステムだ。これなら、女子だけでも、訪れやすい。

急に気が楽になって、席に座る。店内には、日本人だけでなく、外国籍のお客さんもいる。なんだか日本じゃないみたい。さすが、コザだ。とはいえ、店内の雰囲気は、フレンドリーだし、まったく怖くない。みんな音楽を楽しんでいる。

JETの演奏が始まる。最前列の席は避けたけれど、爆音には変わりない。オキナワン・ロックに全身を包まれる。ドンドンドン!演奏中に会話しようとしても、まったく声が聞こえない。ジャジャーン!演奏が終わると、耳がぼわーんとして、音が遠く聞こえた。

JETのみなさん

私は洋楽を聴かないから、知らない曲ばかりだったけれど、ロックな夜を過ごせているというだけで、とても至福の時間だった。そして、一緒に行ったHa&Hiさんのふたりの笑顔が、とても幸せそうで、私も同じくらい幸せだった。ほろ酔いのふたりと素面のわたし。みんなみんないい気分だった。

こんな夜があるんだ。

いつだって、行けばあるんだ。

私にとっては、非日常。
コザにとっては、変わらぬ日常。

中の町とゲート通り。

夜の街は、夜に華やぐ。

RPGで新たなエリアにたどり着き、
見知らぬ酒場に入ったときみたいだった。

未知の世界は、一度行ってみたら、未知ではなくなる。

私の世界が、またひとつ広がった。
私の夢が、またひとつ叶った。

しあわせだ!

沖縄に住んでいても、
わたしひとりでは絶対に体験できなかった夜。

Ha&Hiさんに大感謝!!!
ありがとうございました!


【Live Music Bar JET】
住 所:〒904-0004 沖縄市中央1-10-3 2F
電 話:090-2966-9582
駐車場:なし
営業日:金・土曜日(20:00〜25:30)
休 日:日〜木曜日


おわり

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