見出し画像

日本人が誇りを取り戻すこと

今日のおすすめの一冊は、岡本彰夫(あきお)氏の『日本人よ、かくあれ』(ウェッジ)です。その中から「上へ上へを目指すより、奥へ奥へと進みなさい」という題でブログを書きました。

本書の中に「日本人が誇りを取り戻すこと」という心に響く文章がありました。

元来、誇りを持って営み続けて来たが故に信頼を得ている老舗の中に、不正をする例が幾つもあって、落胆を重ねたことが思い出される。政治も教育も経済も混迷を繰り返す昨今、どうすればこの国は、かつて持ち続けていた、人格の陶冶(とうや)や、利他を志す価値観を取り戻すことが出来るのであろうか。 

この問題を解決する方策の一つは、私は「日本人が誇りを取り戻すこと」だと考えている。 別に国粋主義者になれと、言っているのではない。それは、自分が生まれた故郷に誇りを 持ち、家族や友人に誇りを持ち、自分の職業に対して誇りを持つことなのである。 

大和という所は、日本人が誇りを取り戻すのには、最適の場所だと思う。その訳は、歴史が断絶していないという一事にある。歴史が断絶していないということは、生きた人が生きた人に伝えて来た物事が脈々と活きているのであって、祭礼や法会、技術や伝承等々が淡々と息づいているのだ。 

加えてこの土地は古より豊かであったから、全くガツガツしたところが無い。故に古きもの、生きものが沈黙の中に、鎮まっている。 

そんな大和に生を享(う)け、長じて神職になろうと一念発起して、大学に進み、ご縁あって 春日大社に奉職、以来三十八年神前奉仕を許された私が、その土地の上に座って識ったこと、 想ったこと、そして、こうあらねばならんと会得したことをお話ししていきたいと考えている。

老いてこそ知れること、老いてこそ解ることがある。 亡き祖母は「人の智恵の出盛りは七十過ぎてからや」と常に言っていたから、六十代では まだ若僧だ。

若い頃から仕事柄、人様の前でそれらしい講話をやらされたが、経験や体験を積まれた、人生の大先輩にはとても及ぶべくもなく、胆も据わっておらず、所詮はチッポケな存在でしかなかったから、六十過ぎてから、今まで学んだ事から生きるための本を書かせてもらうことにした。 

要は人生で大切なのは最期だと思う。一世を風靡した人物が、どこかで孤独死していたという報道がある。人様から慕われた人が、悲しい最期を送ったのでは、それは裏切り行為である。幸せな終末を迎えてこそ納得される。「なれのはて」こそが大切なのだ。

◆人が、国を誇りに思う源泉は、自国の歴史であり、その国の英雄や偉人の話であり、神話だ。それが、長く続いていればいるほど、それだけで誇りを持つことができる。
1400年続く、世界最古の木造建築は、日本の法隆寺。
1430年続く、世界最古の企業は、日本の金剛組。
1300年続く、世界最古の宿泊施設は、日本の慶雲館。
1000年前に書かれた、世界最古の小説は、日本の源氏物語。
2000年以上続く、世界最古の国歌は、日本の「君が代」。
そして、2670年続く、世界最古の独立国家は日本。

また、「日本人が誇りを取り戻すこと」と「幸せな最期を迎えること」は同義語だ。誇りを失ったら、幸せな最期を迎えることはできないからだ。あの世に行く最期の時まで、人様から必要とされることこそ、幸せなことはない。人様のお役に立っていることを実感できるからだ。そして、それこそが、自分の「誇り」であり「プライド」となる。

今日のブログはこちらから→人の心に灯をともす


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?