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テクノロジーが変わるとビジネスモデルも変わる

今日のおすすめの一冊は、山本康正氏の『テクノロジーの教科書』(日本経済新聞出版)です。その中から「技術革新で消費者が求める軸が変わった」という題でブログを書きました。

本書の中に「テクノロジーが変わるとビジネスモデルも変わる」という興味深い文章がありましたのシェアします。

テクノロジーが変わるとビジネスモデルも変わります。伝統的な産業を見慣れると、テクノロジーはビジネスの道具のように感じることがあると思います。しかし、本質的にはテクノロジーの上にビジネスは成り立っています。
例えば航空業は飛行機というテクノロジーがなければ成り立たなかった産業です。しかし、現在では飛行機よりも速いとされる次世代交通システム「ハイパーループ」の研究が進んでいます。将来、航空会社がこのシステムを導入すれば、会社名から「航空」という言葉が外れることになるでしょう。
ドリルを買う顧客が望んでいるのは、ドリルそのものではなく「穴」である…というたとえはハーバード大学教授のセオドア・レビット氏の発想ですが、出張も、営業先とスムーズに話をすることができればよいわけです。2011年設立のスムーズなビデオ会議システムベンチャーのzoomは新型コロナの影響もあり、2020年10月には時価総額が1年前の8倍の約15兆円に達し、航空最大手7社の合計額やIBMを上回ったのは偶然ではありません。
創業者のエリック・ユアン氏はもともとビジネス用のビデオ会議システムのWebex(後にシスコに買収)に英語もうまく話せないまま入社し、将来のモバイル機器も活用したビデオ会議に大幅な可能性を感じ、既存の巨大なシステムの修正に取り組んでいました。
しかし、ゼロから作り直した方が良いものが速くできると確信しzoomを設立したのです。その時のビジョンは「顧客に幸せを届ける」というもので、ビデオ会議というのはあくまでも手段として考えているため、競合より良いものを作ろうという考え方よりも、ドリルではなく穴のたとえと同様に、フェイスブックなど異業種であるSNSをベンチマークにしていました。
日本でも全日空がアバターサービスを展開し、ドリルより穴を優先するという発想に動き始めています。このような変化は100年に一度かもしれません。しかし変化のサイクルは確実に短くなっています。
1976年創業の米アップルは「iPhone」ヒット後の2007年に、社名を「アップルコンピュータ」から「アップル」に変えました。さらにハードウェアからソフトウェアへの移行という今の流れに敏感に反応し、高い利益率の「iPhone」販売から、動画やゲームサービスの強化へ軸足を移そうとしています。テクノロジーは10年周期でビジネスを変えようとしているのです。

テクノロジーの進化により、あらゆる業界のビジネスモデルも変わってきます。そして、その変化を乗り越えられなかった会社は市場から撤退していきます。まさに、パラダイムシフトです。パラダイムシフトとは、その時代に常識と捉えられていた価値観や考え方が劇的に変わってしまうことをいいます。

だからこそ、年齢を問わず、新しいこと(テクノロジー)に興味や関心を失ってはいけません。たとえば、新しいアプリが出たらとりあえず入れて使ってみる。新しいスマホやスマートウオッチ等のガジェットが発売されたら、最新のものを買って使ってみる、最新のテクノロジーの本は読んでみる、等々、の姿勢が大事だと思うのです。

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