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メキシコ旅日記の連載と文学フリマで買ったもの

メキシコの旅日記の連載が始まりました。
拙い文章で恐縮ですが、ぜひ御覧ください。

Tシャツに書かれた言葉が楽しい。おじさんに声をかけたがあまり繁盛はしていなかったようだ。

東京にいても、未だにメキシコの旅が続いている感覚があり、こういう感覚は久しぶりだなあと思っている。それは物理的な遠さを味わうことができたからだろうか。滞在中ほとんどバス移動時間だったが、それでも濃密だった。深夜のハイウェイを走るバスに乗る体験はどこの国であっても印象深い。

本日は休み。で、昼過ぎまで寝ていたら、そうだった。
今日は文学フリマの日だった。
前々から行こうと思っていたので、慌ててシャワーを浴びて急いで家を出る。片道1時間半。

山手線を乗り継いで、東京モノレール。文学フリマの会場になっている流通センターの駅を降りるとすごい数の人だ。年々、人気が高まっていると聞いていたが、会場を訪れるのは実は初めて。不精な私はZINEとか自費出版本を買うのはネットばかり。

文学フリマってどんなイベント?

文学フリマは、作り手が自らの文学作品を販売する、文学作品展示即売会です。小説、短歌、俳句、評論、ノンフィクション、エッセイなど、様々な文学作品を出店者が自ら手売りします。来場者は、出店者のブースで直接作品を確認し、購入することができます。見本誌コーナーでも各ブースの作品見本を自由に立ち読みすることができます。

https://bunfree.net/attend/

会場に入ったらずらりとブースが並んでいて、うおーっと思った。とても広い。そしてどの本も完成度が高く作られていて素晴らしい。
以前、こういったイベントでは「インターネット闇市」(インターネットっぽいものを自由に売り買いできるフリマ)というのに参加したことがあった。闇市なのでどれも完成度が低くてそれはそれで楽しかったが、文学フリマは違う。ここは当然だがもっと体裁が整った本が売られており、表紙もシンプルなものから凝ったものまであってどれも美しい。

来てよかったなと思うと同時に、ちょっと嫌な汗が流れそうになる。窓が見当たらない。自分は災害等いざというときに逃げれるルートや自分がどのあたりにいるのかが分からないと落ち着かない。私の中にかろうじて存在する野性なのか、ただの気にし過ぎなのか、情けないとも思う。一応ここにも窓はあるみたいだけれど、会場が広いだけに窓まで遠いし人がごった返しているので、とてもじゃないが辿り着けそうにない。仕方ない!滞在時間を30分と決めた。

そそくさと手近にあったブースを見て回る。ゆっくり見てみたいが後ろからも人がくるので立ち止まれない。焦っていたら眼の前に渋い感じの本が並べられた机が現れた。「出版社 キャラバン」というのだろうか。ブースにはこれまた渋くてかっこいいおじさんが立っていた。並んでいる本のタイトルがまた良い。

「国境を忘れた国」
「ティー・茶・チャイ -ティーロード漂流~」
「知られざるギリシャ -ギリシャ人はそんなに働かないのか-」

立たれていたのが作家さん本人だったので話を聞く。かつて輸入雑貨の仕事をしながらずっと旅をしていたらしい。その経験から中近東から南ヨーロッパにかけての旅行記、風土記をまとめてらっしゃるようだ。あとで調べてみたのだが、この本や著者の情報がネット上にほとんど無く、それがまた嬉しい。ネット上に無いものを手に入れたことでワクワクしてしまう。読むのが楽しみだ。

「民族文化と風土の匂い -ギリシャから中近東・インドへ至る陸路的風土論-」

ひとつを手にとってみる。表紙には親子の写真。ページをめくると、ハザラ族と書いてある。おおっ。ハザラ族とは確かアフガニスタンからパキスタンにかけて住むチンギス・ハーンの末裔の民族だったはず。このブースの前だけは、(行ったことがないから知らないけれど)アフガニスタンやモンゴルの冷たく乾いた風がヒューっと吹いたような感じがして、息苦しさを忘れた。さっそくその一冊「民族文化と風土の匂い -ギリシャから中近東・インドへ至る陸路的風土論-」を買う。

その他にいくつか目当てのブースを少しだけ見て、何冊か買って外へ出るとちょうど30分だった。結局3列ぐらいのブースしか見れなかったが、目に飛び込んでくる情報が多くて、それでも十分満足。楽しかった。

せっかくなので平和島を少し歩いて、電車を乗り継ぎ帰路へ。最寄り駅にある八百屋さんで野菜を買って帰った。

秋らしい気温で、心地いい。この季節がずっと続いてほしい。
生まれた季節は完成あるのかな。
今晩はチャパティをこねて焼くつもり。

平和島の草むら


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