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VUCA時代に求められる「無知の知」

今の知識・経験では逃げ切れない世界

自動車会社フォード・モーターの創設者であり、自動車の大量生産に成功したヘンリーフォードは、「学び」について興味深い言葉を残しています。

“Anyone who stops learning is old, whether at twenty or eighty. Anyone who keeps learning stays young. ” 

"学ぶことを止めた人は、それが20歳だろうと80歳だろうと年老いているが、学び続ける人は何歳でいようと若くいられる。(筆者訳)"

皆さんは今年で何歳になり、あと何年働く予定ですか?

その長さにかかわらず間違いないのは、今まで時間をかけて築いた知識や経験だけで余生を逃げ切れなくなってきているということです。

私自身、先日NUS(シンガポール国立大学)やGoogleでも教鞭を執るDigital Marketingの第一人者の研修に2日間受講者として参加してきたのですが、世界の変化の速さに驚くと同時に、これまでいかに自分が知った気になっていたかを思い知らされました。

時間は見つけるものではなく作るもの

「秋吉さん、そんな正論言われてもそんな時間ないんですよ」

完全に同意です。

職場ではメールやチャットの嵐。

部下の世話に加えて上司や本社の世話。

家に帰れば家族の話を聞き、家族が寝たらまたパソコンを開く。

子供を寝かしつけながら寝落ちすることもあるし、やっと自分の本を開いても3ページ目で寝落ち。

辺りを見渡しても、残念ながら空いてる時間なんて転がっていません。

そんな時、シンガポール人のメンターにこんな言葉をかけられました。

「そんな時は『どうすれば時間を見つけられるか?』ではなく、『どうすれば時間を作れるか?』に問いを変えなさい。」

実際、ウォーレン・バフェットは1日5時間から6時間かけて新聞5枚と企業報告書500ページを読んで過ごしており、ビル・ゲイツは年間50冊の本、LinkedInのジェフ・ウェイナーCEOは1日に2時間思考のための時間を「確保」しているようです。

現状維持=衰退

そんなことができるのは超有名企業のCEOだけだと(私も含め)誰しもが思います。

しかし、フォード氏はもう一つ以下の言葉を残しています。

"If you always do what you’ve always done, you’ll always get what you’ve always got. "

”もしあなたが今までやってきた事をいつもと同じようにするのであれば、あなたがいつも得ているものしか得られない。(筆者訳)”

もし去年よりも業績を上げる、生産性を挙げるなど、組織を「進化・成長」させたいのであれば、今までと同じ事を同じ様にやっても上手いくはずがないという示唆です。

しかもこれは19~20世紀の言葉なので、21世紀の文脈に置き換えると「いつもと同じ事をしていると、いつもと同じ成果すら得られなくなる」といった方が正確でしょう。

私自身、先に紹介したDigital Marketingの研修に出ずに組織のDigital戦略を練っていたことを想像するとゾッとします。

自身の無知を認め、常に学びに投資し続ける事ができるか?

それが個人にとっても組織にとっても、VUCA時代の成否を分けるかも知れません。

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