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保育士養成校の最新データから読み解く新卒採用市場の未来(4)


みなさん、いつもご愛読いただき、ありがとうございます。

まずは直近のセミナーのご案内です。

▪️コドモンカレッジ


給食・食育で選ばれる施設になるために~事例から見る園の魅力づくりのご提案~|保育者の学びやふり返りの機会を応援|コドモンカレッジ
保護者が入園を希望する園を選ぶ際の基準の一つに、「給食や食育の充実」が挙げられます。 そこで今回は、食育を園の魅力として
college.codmon.com
オイシックス・ラ・大地さんと共に、物価高騰、調理人材不足の中でも給食、食育を主体とした園の魅力づくりをしている園事例とともに、その実現方法についてお伝えします。


▪️保育博2023

社会保険労務士事務所ワークイノベーション代表の菊地先生とともに、これから保育施設に必要となる人材育成や働きやすい環境づくりを目的とした人事制度、評価制度のあり方についてディスカッションします。

▪️カタグルマセミナー

大好評をいただいています、弊社カタグルマと社会保険労務士事務所ワークイノベーションのコラボセミナー。
毎回多くの参加者にご参加いただいており、これからの組織における最適な人事評価のあり方をご提案いたします。


今回のシリーズの最終コラムです。

これまでの回をご覧になられていない方は是非下記のコラムをお読みいただくことをおススメいたします。


さて、今回は最後の市場、新卒市場についてお伝えします。

現在の新卒市場は毎年3.5万人の学生が卒業するのですが、年々減少しています。

▪️新卒市場 
 規模:小 成長率:マイナス↓ 競争:強

この動向だけを見ると、非常に難しい市場というのが分かると思いますが、以前も述べたように、保育業界において新卒採用というのはもはや文化・慣習のため、特に社会福祉法人や学校法人で実施しない法人はあまりありません。

また、新卒採用の良さとしては、

・中途職員と比べてこだわりや固執がない
・法人カラーに染まりやすく意思統一しやすい
・若い職員が入ることで組織に活力が生まれる(こともある)
・処遇改善等加算は下がるものの給与も下がる
・中途採用と比較して採用コストがかからない

などもあります。

では多くの法人はどのように新卒採用をしているのでしょうか?

・過去実績のある養成校への訪問しよう!
・学内説明会への参加しよう!
・広範囲への求人票を送ろう!
・実習生に声がけしよう!
・新卒採用ページ(サイト)の作成しよう!
・Instagram、LINE等の配信しよう!
・就職フェアへの参加しよう!
・園見学・バスツアーを実施しよう!
・採用説明会の実施しよう!

まず、この辺りを考えて実践してきたのではないでしょうか?

しかし、多くの法人が多かれ少なかれ上記のような活動はどこでも行っています。

それでも採用できる法人とそうでない法人に差が出るのは何故でしょうか??

それは、一言で言えば、

「マーケティング思考」

だと私は確信しています。

私自身20年近くマーケティングに携わってきたので、原理原則を捉えているつもりですが、そうでない方は中々理解し難いところもあると思います。

マーケティングとは、様々な定義がありますが、

「顧客の心を動かし、行動を喚起させる活動」

だと個人的には捉えています。

つまり、「顧客心理」と「顧客行動」を捉えた上で、それぞれを高める、喚起させるための一連の活動ということです。

新卒採用で言えばまさに「学生」が顧客に該当します。

では、学生がどうしたら心を動かし、行動してくれるのか??

これを考えるのがマーケティング思考だとすれば、実は「どのように新卒採用をしているか?」というやり方、手段、媒体選定の問いからスタートするのは、明らかにマーケティング思考に反するのです。

古いマーケティングフレームにはなりますが、STP+4Pという考え方があります。

これは、

「市場をセグメンテーション(Segmentation)し、顧客をターゲティング(Targeting)し、その中で自分たちのポジショニング(Positioning)した上で、Product、Price、Place、Promotionをつくる」

という考え方です。

この考え方を今でも使用しているマーケッターはもはやあまりいないとは思いつつも、基礎的概念としては活用できるでしょう。

現在はここに様々な視点が追加され、7Pや4Cという概念もあるのですが、ここでは省きます。

ここで大切なのは、「顧客を定義する」という出発点であるということであり、新卒採用において、どんな学生と出会いたいのか、どんな学生を採用したいのかをまず定義することからスタートすべきということです。

競争が激しくなり、対象母数が減っている時代こそ、より一層の個別対応、ピンポイントターゲティングのような考え方が重要になります。

それを考える際に是非参考にしていただきたいのが、

「保育学生の4つの志向性」

という特性分類です。

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