#12 最近の中学受験本の中で、これだけ読んでおいたらいいと思った一冊
と、その前に、さまざまな教育、子育て、中受についての本を読んだので少しずつレビュー。
『中学受験はやめなさい』
うちは中学受験指導もしているが、本質的には進学塾じゃないから、中学受験を勧めているわけではない。
むしろ、中受する子たちは早くに卒業してしまうから、お勧めするほどマイナスでもある。
だから、高校受験を否定して中学受験を勧めることはポジショントークにはならない。
そういう立場で読んでみたが、中学受験をやめて、高校受験をした方がよいという説得力は乏しかった。
前作は中学受験関連本で、まずまず面白かった。
むしろ、高校受験の説得力を下げて、中学受験を勧めているのかなとさえ勘繰ってしまった。
『中学受験 奇跡を引き出す合格法則』
これは・・・・内容薄い。
ほぼ主観。
「ハリポタ読破で合格」みたいな。
この方の1冊目は面白かったのだが・・・
著者のファンならよいと思う。
『親に知ってもらいたい 国語の新常識』
灘の先生が書いた本。
やっぱり灘の子だからできるんじゃないかな、と。
でも、ヒントはあるから、読む価値はある。
『東大発! 1万人の子どもが変わったハマるおうち読書』
AIが子どもに向いている本を選書してくれる「ヨンデミー」というサービスを開発した人が書いている本。
筑駒→東大という学歴。
「ヨンデミー」が気になっていたので、ものすごく高い期待値で読んでしまった。
出さないようにしているようだが、「ヨンデミー」の宣伝感がどうしても見えて、サービスを受けてみないとわからないなという読後感。
家で親ができるようになっちゃったら、事業者としては困っちゃうわけだから難しいところなんだろう。
ただ、選書サービスに月額3,000円は高く感じてしまう・・・
しかも、本を読むようになると、自分でどんどん見つけて読んでいく。
その中から、宝物のような本を自分で見つけたときの喜びがあるからやめられなくなる。
適切に選書されるべきなのは、読書初期だけ。
成り立つのかな?
『「算数力」は小3までに育てなさい』
話題?のりんご塾。
要所におもしろいと思う箇所があり参考になる。
小3までが大切というのも、うちと考え方が似ている。
うちは幼児はもっと大切という考えだが。
「算数オリンピック入賞者」と書いてあるが、「キッズビー」のことなのかな?
「キッズビー」入賞は、それほど難しくはないからな。
科学的根拠に基づいた教育をしているっぽいことが書かれているが、内容はちょっと古い。
ジェームズ・ヘックマンは、いまさら感がある。
『中学受験4大塾でがんばるわが子の合格サポート』
帯に短し襷に長し。
4大塾についてすっごい細かく書かれているけれど、通っている人は知っている情報が多い。
だが、他塾に通っている人にとっては何の意味もない情報。
一方、これから通う人には細かすぎて、よくわからない。
各塾の特徴を知り、我が子にフィットさせるところが難しいわけだが、それは解消してはもらえない。
想定する読者って誰なんだろう?
『灘→東大→MITに合格した私の「学びが好きになる」勉強法』
すごい経歴の人が、オンライン教育で起業をする話。
実際子どもたちと触れ合った経験は少ないのだろうことは文章から推測できる。
教育する側の人間が読んで、得られるものは少なかった。
学ぶ側、つまり中高生が読んだとしたら、生々しくて面白いのではないか。
案の定、ダイニングテーブルに置いておいたら息子が興味を持っていたので、すぐにあげた。
とはいえ、MIT受験について書かれた章のこの部分は、親も子も読んで欲しい一節。
これは本当にその通り。
特に、親が我が子の天井を決めてしまわないほうがいい。
子どもがその天井を信じてしまう場合があるから。
中学受験本はこれだけでいい
『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策』
分厚いけれど、なんだかんだでよくまとまっていて、読みやすい。この一冊で中学受験とは何かが掴める。
過去問対策は、いろんな人の意見があるから難しいが、一つの方法を知っておくと基準ができる。
自分の子に合わせて適宜調整する必要はある。
でも、それはどんなメソッドでも同じこと。
靴に足をあてはめてはうまくいかない。
校風マトリクスも先入観で見ず、説明会など自分で足を運んで感じてみる方がいい。
あくまで著者の主観だから。
それでも、やっぱり基準を持つことは大切。
そういう基準を作ってくれるという意味で、とてもいい本。
とはいえ、著者のお友達でもファンでもない。
本はすばらしいが、指導がすばらしいかどうかはわからないし、指導を受けることを推奨しているわけでもない。
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