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【読書ノート11】「幸福に死ぬための哲学ー池田晶子の言葉」

幸福に死ぬ。人生は一度きりなので、最期はそうやって思えるように生きたいなと思いますが、「幸福」と「死」という言葉がならぶと、幸せなのか幸せじゃないのかよくわからなくなります。

この本は5年前に買いました。でも、なぜ、この本を手に取ったのかよく覚えていません。きっと、どうやってこれから生きて行ったらよいか、考えていた時なんだろうなと思います。

「幸福に死ぬための哲学ー池田晶子の言葉」は、哲学に関する多くの作品を遺さた池田晶子さんの作品の中から、11のテーマにそって文章が引用されている作品です。

人生
幸福
愛と孤独
自分
善悪
世の中
科学と情報
言葉
老い

考える精神

「自分に自信をもつためには」というページでは、『人生は愉快だ』という作品からこのような文章が引用されています。

人は「自分の意見」をもつべきではないというのが、私のかねてからの持論です。必要なのは、「その人がそう思うだけのその人の意見」ではなくて、「誰にとってもそうであるところの考え」なのです。        

この文章をどのように解釈するのかは、人によってさまざまだと思います。ですが、今の私には、この言葉がすっと頭の中に入ってきました。

「自分の意見を持たなければならない」とは言うけれど、自分が誰かの言葉に動かされるときは、もはや「その人の意見」だから動かされるのではない。その人を超えて、「私にとってもそうである」と自分が感じるから、その人の言葉に動かされるような気がします。

そう考えると、「自分の意見を持たなければならない」なんて自分の殻に閉じこもるのではなく、もっと外の世界に目を向けて、いろいろな人に会って話を聞いて、新しい本を読んで考えて、ということをした方が、結果として、自分に自信がつくのでしょうね。

「自信なんて、なかなか持てるものではない」と、いつも思っているのですが、この言葉を見て、少しは自分に自信が持てるようになった気がします。

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