緊張について
昨日は長女のバイオリン発表会の予行演習だった。
こういう時に平常心な娘に対して、伴奏の私は緊張でピアノを弾く手が震えていた。
自分でもあまりない現象に内心驚いたが、徐々に震えは落ち着いて、いつも通り演奏できたのでひと安心。
でも、終わった後どっと疲れた。
緊張って、奥が深い。経験を積んだり技術を上げたりしたらしなくなるものでもない。
むしろ、深く学ぶほどに自分の未熟さが分かってきて、人前で弾くのが怖くなることもある。
私自身、子どもの頃はあまり緊張しなかった。
ライターでも同じことが言えるんじゃないかな?
経験を積んで、ある程度ライティングのセオリー通りに書けるようになった頃に、ぶつかる壁…。
そんなときに思い出すのは、フジコ・ヘミングさんの言葉だ。
音楽も文章も、正しさに囚われすぎるとむしろ魅力が薄れてしまう。
しかし、基礎がしっかりできていないうえで自由にやったって、これまた美しくない。
この絶妙なバランス感覚を身につけるために、私はもがき続けているのかもしれない。
波乱に満ちた半生を乗り越えてきたフジコ・ヘミングさんの言葉だからこそ、ずっしりと響いてくるのだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?