見出し画像

響くは彼方へ

自分の存在を知らせるように、命を謳歌した仲間たちを探すかのように

一匹の蝉が鳴いている

足早にやってきた秋に慌てて飛び出した

仲間を讃えるように、憂うように、寂しげに声を響かせる

涼しい風が頬を撫でる

呼応する声はそこにはもうなかった

あの蝉は明日も鳴くのだろうか?

僕は、せめて僕だけはその声を

あの蝉は明日も鳴いてくれるだろうか?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?