意味が分かると怖い話 part②
○カレンダー ★★★
今日は8月8日。俺は彼女の家に遊びに来た。彼女の部屋は整頓されていて、ベット脇の壁にはカレンダーが貼ってあった。
彼女はお茶を汲みに行った。俺はそのカレンダーを見た。
7月7日 海へ彼と行く日
7月9日 和風料理屋へ彼と行く日
7月16日 木村さんとカフェ
7月25日 静岡県の実家へ帰省
7月30日 定期試験の準備
8月4日 留守番一日する
8月5日 裏切られた日
8月8日 全てを終える日
あれ、海なんて行ってたっけ?和風料理屋にも。まぁ、いいか。
彼女はお茶を持ってきてくれた。俺はそれを一息に飲んだ。俺は身体が痺れて、呼吸困難になった。彼女は俺の耳元で「私も後を追うからね…」と呟いた。
なるほど…そういう事だったのか…と俺は薄れゆく意識の中、後悔した。
(解説)
カレンダーの予定、それぞれの一番初めの音を8月4日まで縦に続けて読むと「浮気してる」になる。彼女はそれを8月5日に知って、後から予定を付け加えた。そして最後の「全てを終える日」とは、心中して全てを終わらせるという意味である。つまり、浮気してた語り手の自業自得。
○肝試し(1) ★★☆
俺達は今日、地元でも自殺の名所として有名な心霊スポットへとやって来た。大きな河の上にかかっている橋なのだが、ここで一時期飛び降り自殺が多発していたという。靴を脱ぎ散らかして、下の河へとダイブ。
車を降りて、俺は下の河を眺めた。
「いつ見ても高いな」
「そうだな」
というような会話をしながら、橋の向こうまで歩いて行く。
だが、幽霊など現れなかった。つまんねーと呟いて帰ろうとすると向こうから何やら人影が歩いて来た。
どうやら幽霊じゃなく、ちゃんとした人間らしい。
「おい、見ろよ。あそこにいるぜ」
「行くか?」
「あぁ、そうだな」
俺達はその人影に向かって走っていった。
(解説)
男のセリフから「いつ見ても」とあるから前にも来てた事が分かる。そしてその理由は、通りすがる人間を突き落として自殺の名所に仕立てあげていたから。しばらくやめた後に、もう一度スリルが欲しくなってまた、集団で突き落としに来たサイコパス。
○肝試し(2) ★★☆
仲良し女子三人組が廃病院へと肝試しにやって来た。
買ったばかりのビデオカメラを回して、色々な所を見て回った。手術室やナースコール、霊安室まで。
しかしテレビで見た心霊映像のようなものは何も映りやしないと、彼女達はつまらなく感じていた。
「何も映らないね」
「せっかくこのカメラ買ったのに…」
「じゃあ、私の家来る?」
「勿論行くよ!」
「俺も」
「コンビニでおやつ買っていかない?」
「そうしよう」
私達はその廃墟を後にした。
思えばこの時、気づいておけば良かったのかもしれないと彼女達は悔やんでいた。
(解説)
最後の会話の「俺も」とは。
○先住民族との交流 ★☆☆
ある国のテレビ局が、先住民族への接触を試みた。村へと入って、村長に話を聞いた。
「…この村の伝統についてどう思いますか?」
「ウモオトイシラバス、ラカイシイオハクニンジ」
「なるほど…」
「ネスデウソマウモエマオ」
村長は何かスープを差し出した。村の風習かもしれない。
リポーターはそれを口にした。若干の苦味が残った。
「ロテッマラカルヤテック」
「凄いですね。ではそろそろお別れのお時間となりました。また来週!」
テレビ局はそこまで映像を制作した。しかし、この映像が使われる事はなかった。
何でだろう?
(解説)
村長の言葉を逆さに読んでみると…?
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