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何気ないことがしあわせなのかも

ちょっと駅前の商店街まで晩御飯を食べに行った帰り道、もう19時半だというのに空は明るくて、昼間の土砂降りが嘘みたいに穏やかな夕暮れ。スカイブルーの空にピンクの雲が水玉模様みたい。


もうすぐ家につくというところで、

「ねぇ、このまま海まで夕陽を見に行かない?
 今日はきっとキレイだと思うよ」

と私が提案すると、夫はすぐ、

「いいね、行こう」

と言ってくれた。



一番先頭で駐輪場まで行きかけていた息子に声をかけ、3人で海まで夕暮れのサイクリング。

なんて穏やかでのどかな夕暮れなんだろう。


私の気分で思いつく突然の提案にいつも快く付き合ってくれて、一緒に楽しんでくれる、こんな関係がとても好きだなぁ。。と思いながら自転車を走らせる。


浜の手前の小さな坂を登りきると、ほら!やっぱり!!
ハッとするほど美しい世界が広がっていた。
燃えるようなオレンジ色の空が、波一つ無い海に映ってキラキラしてる。

空も海も真っ赤に染まって、海辺を散策する人たちのシルエットが、同じように綺麗だねと眺めたり写真を撮ったりしている。



暮れていく前の一瞬の美しい世界の中で、私達はぬるい風を切って自転車をこいでいた。次第に陽が落ちて暗くなっていく時間の早さと、小学四年生の息子と過ごすこの時間の早さが重なって、とても尊い時間の中にいるんだなぁという切ない気持ちになる。


こんなに真っ赤な夕陽の海辺をみんなで走ったこと、いつか大人になった息子は思い出してくれるだろうか。。








ウスイヒロミ(makkie_777)

ありがとうございます!創作の力と糧に!