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それって本当に謙虚なの? 《自分の中に毒を持て》

岡本太郎さんといえば、破茶滅茶な生き方をしている天才っていうイメージがあって、興味はあるけど、一般人の私には理解できなさそう。

と思っていたのですが、素敵なきっかけをいただいて、はじめて本を読んでみました。すると、24ページ目でもうギクっとしたんです。ああ、これは私へのメッセージだと…!

謙虚であるということが世渡りの第一歩みたいなものと考えられてきた。だがぼくの考え方では、それは非常に傲慢だとは言えないが、不遜だと思う。

岡本太郎『自分の中に毒を持て』青春文庫

こうしたいけど言わなくてもいいか、これは私が言えることじゃないか、そんなふうに言葉を引っ込めることが、最近多くなってきたなあと感じていて。

それが相手への配慮なら良いことだと思うのですが、なんだか言葉を引っ込めることばかり、上手くなっているような気がしています。

だいぶ前に、私はこうしたいと思っているけれど、みんながそれをどう思うかを考えると言えない、みたいなことを上司に相談したら「それって組織をよくすることを諦めてない?」と言われたんですよね。ああ、確かにそうかもしれない。

さっきの言葉には続きがあって、上司と同じことを言っていました。

というのは、自分はどのぐらいの能力があり、どのくらいのことをすべき器であるかということを見極めようとしないで、つまり、自分のことが自分でわからないのに、勝手に自分はダメだと見切り、安全な道をとってしまう。

岡本太郎『自分の中に毒を持て』青春文庫

岡本太郎さんは、もっとできることや、やりたいことがあるはずなのに「謙虚」という言葉の後ろに隠れて出てこない人たちのことを「もったいない!」と怒っているように思いました。

「いやいや、岡本太郎だからできるんじゃない?」と思ってしまうのですが、ショッピングモールで、「ぎゃあああああ〜〜〜!!!」と怪獣のように泣き叫びながら、伝えることをまったく諦める様子のないこどもの姿を見たときに、誰でもこういう時期があったはずだから、やろうと思えばできるんだろうな、と思ったのです。

なんだか岡本太郎さんに背中を押してもらったような気がします。いまこの本に出会えてよかった!

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