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引力のおかげで、『アイム展』ができました。

アイムという写真集を今年作成しました。いろんな立場の人がそれぞれの思いを乗せてくれたおかげで完成した一冊です。制作経緯は以下をどうぞ。

まさか自分が写真集をつくることになるとは少し前まではつゆにも思わず、「なんでこんなことになったんだっけ?」と感じる時がよくありました。

取材などで『アイム』について話すことがこのところ多かったのですが、最近その答えが分かったような気がします。

『アイム』と写真たちには不思議な引力があるのだ、と。

関わってくれているアートディレクターさんたち、出版社のライツ社さん、関心を寄せてくださった多くのメディアの皆さん、クラウドファンディングで応援いただいた皆さん、展示しませんかと声をかけてくれた皆さん。

どの方も、写真集と中の写真に魅せられて、なんらかのアクションを起こしてくださった人たちです。

もともとこの企画は広告代理店の若手クリエーター(アートディレクター)がNPOのポスターをつくるという企画から生まれたもので、いつの間にか若手クリエーターだったはずの人と6年以上ご一緒しているという計算になります。

ポスターがWEBページになり、クラファンになり、写真集になりました。ずっと並走しつづけてくれているアートディレクターの方がいなければ、絶対にどれも形になりませんでした。ほぼボランティアでずっと関わってくれている中で、おっちゃんたちが撮った写真に魅せられ、並々ならぬ思いを持って関わり続けてくれています。

そして、今日から『アイム展』がはじまりました。

展示をすることになったのもまた引力があったおかげでした。出版社・ライツ社編集者さんの知り合いがギャラリーの運営・管理をされている方で、『アイム』がとても良かったからと無償で会場の千鳥文化さんをお借りすることができました。

今日9/10から展示が始まったのですが、千鳥文化さんにはかわいい食堂があり、人がどんどんと集まってきます。お食事が出来上がるまでの間、ふらりとギャラリーに寄れるのですが、吸い寄せられるように写真展の展示に向かわれる方がいらっしゃいました。きっとこの場所でも素敵な引力が発揮されるのだろうと思いました。

「へえ、行ってみよかなぁ」と思っていただいた方は、ぜひ以下をご覧ください。

アイム展@千鳥文化・松本的見どころ3大ポイント!

①大迫力の特大写真

写真映えめちゃくちゃすると思います。とにかく大きい。大きすぎて千鳥文化の方が途中で制作を諦めかけましたと言っていた、BIGな展示がギャラリーの真ん中にドーンとあります。何の写真かというと、ある川沿いで生活している人のお家の入り口です。見てて飽きない不思議な写真です。

②実は2Fも展示があるよ!映像コーナーぜひ寄って!

千鳥文化さんって建物としてすごく面白くて、文化住宅を改装してできたものなのです。造船の街だったこともあり、過去には多くの造船関係の人がお住まいだったとか。2Fの展示はふた部屋あるのですが、どちらもその場所に立つだけここにどんな人が住んでたのかななんて想像できて面白いです。そしてここで流れる映像はなんと撮り下ろし。空き缶を集めている人の自転車にGoProをつけてもらいました。ここでしか見れないので必見です。

③努力の結晶・カッティングシート

実は入口のガラス戸に貼られている『アイム展』の文字は業者に頼まず、写真集『アイム』製作チームと千鳥文化の皆さんで切り貼りしています。ぜひ文章もじっくり読んでください。(句読点とか抜けてたらご愛嬌ってことでよろしくお願いします)


展示の入場料は、無料なんです。「この展示おもろいやん」と思ってくださったら、『アイム』を現地で購入していただくことができます。「そもそもホームレス問題ってなんなん?」「この写真なんで撮ったん?」と思うことがあったなら、あとは『アイム』の引力にそのまま引っ張られてもらえたら嬉しいです。

一冊の本が夕方の全国放送のニュース番組で30分にわたり特集されたり、新聞の夕刊の一面に載ったりすることってなかなか無いことだと思います。メディア関係の皆様も、それぞれ『アイム』をとても大事に思ってくれて、取材してくださいました。おかげでAmazonの写真集部門1位になりました。

『アイム』をつくったことで多くの人が引力に引き寄せられて、それぞれの立場でホームレス問題を真剣に考えてくれるきっかけをもたらすことができました。

もっと多くの人にこの取り組みが広まって、ホームレス問題を一緒に考えてくれる人がさらに増えますように。人生のつまずきがあったとしても、何度でもやり直せる社会を多くの人と一緒につくっていけますように。

そんなことを願いながら、アイム展の初日を迎えました。

アイム展@千鳥文化
2022年9月10日(土)〜9月19日(月・祝)
※火曜・水曜は施設の定休日です 

〒559-0011
大阪市住之江区北加賀屋5-2-28
https://www.homedoor.org/20220910-2/
千鳥文化


普段の自分ならしないことに、サポートの費用は使いたいと思います。新しい選択肢があると、人生に大きな余白が生まれる気がします。