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一歩時代を先取りするヘルスケア専門職の自営型キャリアデザイン


自営型人材の起業家精神によるカテゴリー

ポストコロナ時代のヘルスケア業界の起業スタイルは大きく変化しています。ヘルスケア(医療・保健・福祉など)は、人々のウェル・ビーイング、つまり人間らしい健康と幸福を支える強力なミッションが求められる業界です。

ビフォーコロナとアフターコロナ


コロナ禍以前は、

・世のため人のためになりたい
・ 不便・不安・不効率を解消したい
・ イノベーションを興して儲けたい
・ 果敢な挑戦を行うことによって成長したい

といったヘルスケア起業家や起業家予備軍の動機がありました。しかし、ポストコロナの今日、起業の動機が大きく変わっています。

・ 無理に力むことなく身の丈に合わせて自分の強みを生かしたい
・ 本業の延長線上で軽く副業からスタートしたい
・ 自分が好きなことを好きなようにビジネス化したい
・ 本業の延長線上で自分のコンテンツを収益化したい

ざっくり言えば、ビフォーコロナでは遠大で高邁なミッションに駆動された起業が多かったのに対し、ポストコロナでは自己表現したいという欲求にドライブされた起業が増えているように思えます。

3つのムーブメント


産業界の人事の変化 人事の世界では、日本の伝統的なメンバーシップ型からジョブ型への展開が進んでいます。ヘルスケア業界では、資格によって遂行する職務の範囲が決められているので、ジョブ型(正確には年功主義的ジョブ型)が中心でした。

ジョブ型の仕事スタイルでは、個人が組織に対して能力やスキルを活用して成果を提供し、組織が報酬として給与を支払う形態が主流となっています。

自己スキル主義 こうした変化に伴い、個人、特にキャリア志向が強いプロフェッショナルな人材は、自分のスキルを磨いて市場価値を高めるようになりました。ジョブ型雇用での成果と報酬の関係を有利にするためです。

自営型人材の台頭 人事の変化とともに、自分スキル主義が強まり、組織に雇用されていても、メンタリティは独立自営業者のようになってきています。特にヘルスケアでは、職務が各種資格で定義づけられているため、組織に対する忠誠心よりも独立自営業者のマインドが強くなります。

掛け算スキルを併せ持つ人材が有利

こうしたトレンドのもとで、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、薬剤師などの医療専門職のキャリアは大きく変化しています。伝統的な職務範囲にとどまらず、IT技術者、ウェブエンジニア、ユーチューバー、コンサルタント、編集者、研究者などの異質なスキルを持つことが重要となっています。

これにより、メンバーシップ型からジョブ型へのシフトにも対応でき、自己表現のオンリーワン・スキル主義にも繋がります。そして、自営型人材になる可能性が大幅に増してきます。

つまり、掛け算スキルを併せ持つ自営型人材が台頭しています。このような人々を単なる人材ではなく、人財と呼ぶべきでしょう。

雇用されていようと、自立していようと、こうした人々はクリエイティブに仕事を行っており、企業や組織にぶら下がっている「ゆでがえる」のような存在ではありません。

低専門性、低自律人材の未来は暗い


低専門性や低自律性に甘んじている人々の将来は厳しくなります。

・ ゆでがえるサバイバー(年功序列のぬるま湯人事の中で生きている化石)
・ ぶら下がりディレッタント(組織に寄生する貢献度なしの好事家)
・ オワコン人材(過去に体得した知識やスキルが使えない時代遅れの人)

高い自律性を持つ自営型人材の未来は明るい


逆に、エッジの効いた高い専門性や自由な発想を持つ自営型人財は、

・ エキスパート・アチーバー(差別化が効いた専門スキルで高業績を達成)
・ スキルマイスター(ダントツのスキルとリーダーシップを持つ人材)
・ プロ・アントレプレナー(顧客を創造して外部からキャピタルを引き込む起業家)

いずれにせよ、雇用されているサラリーマン、労働市場のすみっこで副業をかじる人、半自立しているギグワーカー、雇用されている技術者、エンジニア、独立フリーランス、自営業者、研究者など、自営型人材を起業家精神を支える専門性や自律性の高低で表してみました。あなたはどのポジションに位置しているのでしょうか?そして、どのポジションを目指しているのでしょうか?そのようなことに思いを巡らせることが一歩時代を先取りするキャリアデザインの第一歩です。




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