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【税務】必要経費に算入しない家事関連費って何?

 今回はフリーランスである個人事業主が自身の事業所得の必要経費として参入することになるか否かが悩ましい家事関連費について取り上げたいと思います。

 まず、所得の計算については以前に取り上げました。

 事業所得の金額は総収入金額から必要経費を控除した金額です(所得税法27条2項)。

 このうち必要経費について何が算入され、何が算入されないのかが問題となります。

 まずは家事上の経費です。

 個人事業主の場合、事業のための支出と家事つまり生活のための支出と2通りの支出があります。

 これに対して会社の場合は営利を目的としているので事業のための支出しかありません(もちろん会社の代表者の生活のための支出を会社がすることもありますが、本来、それは会社の業務として予定されていないものです。個人的な支出を会社がした場合に会社の経費になるのか否かは当然問題になります。個人事業主の場合は、本来、事業のための支出と、個人の生活のための支出とが予定されています。)。

 個人事業主の家事上の経費は収入金額の獲得のためのものではないので、必要経費として算入されません。

 例えば休日に支出した食事代ですね。

 これは明らかなのでそこまで問題ではありません。

 問題は家事関連費です。

 家事上の経費に関連する経費をいいます。

 これも必要経費に算入されません。

 では、家事関連費とは何でしょうか。

 これは所得税法施行令96条に定めた経費以外の経費です。

 つまり理解するためには家事関連費には当たらないものを理解し、それに当たらなければ必要経費にはならないと理解しましょう。

 家事関連費に当たらないものであれば必要経費に算入することが許されます。

 なのでその意味でも理解しておきたいところです。

 ではどういったものなのでしょうか。

 ①家事関連費の主たる部分が事業所得を生ずべき業務の遂行上必要であること

 かつ、

 ②必要である部分を明らかに区分することができること

ができれば、それは必要経費に当たることになります。

 仕事にも生活にも使用しているような部屋だったり車だったりの支出が問題となりそうです。

 業務の遂行上必要で、その部分を明らかに区分できるものであれば必要経費とすることができます。

 その部分を区分することになるので、全額ではないです。

 区分された事業で必要な部分です。

 家事費、家事関連費があるというのは個人事業主特有の問題です。

 フリーランスのみなさまはこの部分は特に理解しておくといいと思います。

 今回はここまでといたします。読んでいただきありがとうございました。

 第一目 家事関連費、租税公課等
(家事関連費等の必要経費不算入等)
第四十五条 居住者が支出し又は納付する次に掲げるものの額は、その者の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上、必要経費に算入しない。
一 家事上の経費及びこれに関連する経費で政令で定めるもの
所得税法45条
第四節 必要経費等の計算
第一款 必要経費に算入されないもの
(家事関連費)
第九十六条 法第四十五条第一項第一号(必要経費とされない家事関連費)に規定する政令で定める経費は、次に掲げる経費以外の経費とする。
一 家事上の経費に関連する経費の主たる部分が不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務の遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分することができる場合における当該部分に相当する経費
二 前号に掲げるもののほか、青色申告書を提出することにつき税務署長の承認を受けている居住者に係る家事上の経費に関連する経費のうち、取引の記録等に基づいて、不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務の遂行上直接必要であつたことが明らかにされる部分の金額に相当する経費
所得税法施行令96条

 

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