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【教育】スクールロイヤーって何?

 今回は学校に関する問題を扱うスクールロイヤーについて扱います。

 スクールロイヤーという言葉は昔からあるものではありません。

 最近になって言われるようになった言葉です。

 直訳するとschool lawyerつまり学校の弁護士ということですが、これは学校のためだけに活動する弁護士という意味ではありません。

 一言で言えば学校に通う子どものために活動する弁護士のことを言います。

 学校は例えば市の教育委員会が関わるので最終的には市の顧問弁護士が市(学校)の代理人になったりします。

 スクールロイヤーは市(学校)の顧問弁護士ではありません。

 顧問弁護士の場合、どうしても学校側の利益を守る立場がありますので、最終的には学校側のために活動することになります。

 スクールロイヤーは、そのような制約はなく、本来子どものための学校であり、子どもの利益のために学校に助言するという業務を遂行します。

 相談の依頼をするのは教育委員会を通じて学校からで、窓口は学校の校長先生ということになります(ただし決まりはありませんので一例です。)。

 学校からの依頼がきっかけとなる相談に対する助言となり、子どもからの相談というわけではないので、子どもと直接関わる機会があるわけではありませんが、相談で出てくる子どものために何が最善かを考え、学校に助言するのです。

 弁護士は教育の専門家ではありませんが法律の専門家として、例えば何らかの事実を認定するためにどういった事実をどういった方法で聴取するのが良いのか、そして認定した事実からそれが損害賠償責任を負うようなことになると評価できるのか否かなど、法的に問題となることについて助言することができます。

 法的には何らかの義務を負うことにはならないとした場合であっても、義務ないことは何もしない、というのでは親切な対応ではありません。

 義務はないけれども、どこまで対応するのが良いのかについて、これも一緒に考えていきます。

 子どもや保護者のための対応として、第三者としての観点から言えることはあります。

 自分の経験だけではなく、現代における学校の諸問題についても理解する必要があります。

 自分の子どもの頃はスマホやSNSなどは学校では存在しませんが、まさにそれが問題になっている例は少なくないでしょう。

 そういった意味では子どもに近い感覚があると子どもの理解もしやすいのではないかと思います。

 大人が考えられないようなことを子どもがすることはよくあります。

 ただし大人とは異なり心身がまだ未熟な面がありますから、教育的な観点から、助言ができるといいと思っています。

 子どもに対して一概にだめ、禁止、など否定していては子どもも窮屈でしょうし、そんな大人を信頼するとは思えません。

 他方で教職員についても中には子どもや保護者に尽くすタイプの方もいて、それはそれで良いのですが、一定の線引きをしても良いのではないかなと思う場面もあります。

 そうしないと全員を長期に渡り教育していくという役割を全うする前に疲弊してしまうように思います。

 やりすぎ、やらなさすぎ、いずれも良い状態ではないので、調和が取れるところを一緒に考えていければいいと思っています。

 スクールロイヤーとしての観点から安心できる教育の場となるよう尽力したいと思います。

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