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食欲がある

食欲について書く前に、前回綴った”Poor me”事件について。実は、その後おそらく”Pardon me”だったのではないかということで落ち着きました。今となってはどう考えても”Pardon me”だろうと思います。数日ほどあれこれ彼の人物像について想像をめぐらせてしまったけれど、周りに言いふらしたおかげで、ネガティブな勘違いに気づくことができたのは良かった。普段もこういうような小さな勘違い、たくさんしてるんだろうな。

今日は食欲について。
サンディエゴに来てから、非常に食欲があるのです。
下手したら一日中食べることばかり考えているかもしれない。
私にしては珍しく三食自炊して、ちょっと暇ができるとレシピを見たりなんかしている。
昨日は揚げ餃子を作った。今日は豚の角煮を作ろうと思ってる。

日本にいた時は、常にこんな感じで食べることばっかり考えたんだよな、と思い返す。やっぱり和食!って思うのだけれど、9年ほどスウェーデンで生活して死ぬほど和食が食べたーいと思うことがほとんどなくて、「あぁ、自分は和食派じゃないんだ」とざっくり思っていた。でも一ヶ月ほど毎日強い日差しと20度以上の暖かい土地で生活して、アジア系の食材が簡単に手に入る状況に身を置くと、日本にいた頃の食欲がムラムラ蘇ってきて、「私、ちゃんと生きてる」と密かに実感している、のです。

そこで何故にスウェーデンで食欲がわかないのだろう、と考える。
思いつく理由は様々で、全然興奮しないスーパーマーケットの食材バラエティー、私の周りでは食べることが「政治的」すぎて気軽に食を話題にできないこと、食材が高いこと、生で食べて美味しいという食材が少ないこと、予約をせずに気軽に入れてかつ美味しいレストランが少ないことなどなど。でも、やっぱり一番大きいのは気候かなぁと、ぼんやり思っているところ。
やっぱり暖かいと食欲がわく。そして、食欲があるときに頭に思い浮かべるのは決まって薬味。薬味のことを考えるだけで幸せな気持ちになる。大葉、大根おろし、すだち、生姜、わさび、にんにく、ねぎ、ごま、七味、コリアンダー。山椒とミョウガも手に入れば最高。こうやって書いているだけでも、お腹が空いてくる。薬味たっぷりのタレとか、お蕎麦とかそうめんとか。お豆腐にも野菜にも魚にも肉にも、生ものにも揚げ物にも合うなんて完璧すぎる。
でも、寒いところにいるとこの薬味の存在などすっかり忘れてしまうのね。全然体が薬味を求めない。食べることが単なるエネルギー補給という役割にすりかわる。
生きる上で、食欲はこよなく大事なことだと実感している。私が、ちょっとスウェーデンで気持ちが上がらないのは、確実に食欲が関係している、と思う。「薬味を欲しない=楽しくない」

後、一週間弱でスウェーデンに帰る。先月に比べてかなり暖かくなってるみたいだから、食欲と料理欲も何とか継続できるかもしれない。夏以降は、どうしよう。サウナに入って食欲向上、っていうのもあんまり聞いたことがないな。寒い土地で薬味が食べたくなる方法、募集中です。

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