初めての一人旅 in 北海道 ⑥
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(↓3日目#1)
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ずっとずっと念願だった「六花亭喫茶室」
喫茶室があると知ったとき、いつか絶対に行くんだと決めていた。
喫茶室は北海道にしかなく、その上、店舗ごとに内装やメニューが違うらしい。
北海道に一度行っただけでは制覇できないのだ。
この身震いするほどの高揚感。
無意識のうちに歩くスピードも早くなっていた。
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モダンでスタイリッシュではあるけれど、どこか深みがあって暖かい外観。
中に入って2階に上がると、そこにはガラス張りの、写真でしか見たことがなかったあの光景。
運良く、植物園をイメージしたという庭園が見渡せる席に案内された。
迷いに迷って頼んだのは、
2.5時間かけて低温でじっくりと焼き上げられた、チーズを使ったチョコレートケーキ
「プレミアム25」
と、長年愛されている六花亭オリジナルドリンク
「イチゴジュース」
「プレミアム25」。
フォークを入れると、しっとりとしたスフレ生地から、「シュワシュワシュワ」と小さな泡が弾ける音がする。
石鹸をネットで泡立てて、その泡を優しくなでるときのあの音。
濃厚だけれど、テリーヌのようなもったり感はなく、軽くて口の中でゆっくり溶けていく。
そこに合わせる「六花の森」というヨーグルトを使ったクリーム。
さらに、イチゴジュースは思っていたよりさっぱりしていて、口の中を華やかに爽やかに演出してくれる。
イチゴのみを使った、もったり系のイチゴジュースも好きだけれど、
もしその類のジュースだとしたら、ジュースのもったりさがケーキの邪魔をして、こんなにすばらしい共演はできなかっただろう。
あ〜六花亭さまさまである。
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周りを見渡すと、女子大学生2人組や、30代くらいのおひとりさま女性、40代くらいのママ友たち、50,60代くらいの女性たち+彼女たちと同年代の1人の男性など、年代は様々。
さらに、観光客から地元民と思われる人まで、本当に幅広い人たちがそこに集まっていた。
一見、それぞれが自分たちの時間を楽しんでいるように思えるけれど、
色んな人が一同に会し、イスの背もたれに上着をかけ、腰を下ろし、お茶を楽しでいるこの空間は、
実はみんなで創り上げている憩いの場であるように感じた。
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お茶した後は、一階でお買い物。
小樽店でも買ったのに、バラ売りのお菓子を見ると、良心的なお値段でもあるから、ついついカゴに入れちゃう。
そして、マルセイアイスサンドをテイクアウト
六花亭にとってのマルセイアイスサンド1つ=4つ
なんだな〜と思ったら、
2段タイプのアイスサンドが2つで、
どちらにしろ1つではなくて愛だった。
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そんなこんなで、六花亭を最後に札幌とお別れし、新千歳空港へ向かった。
最終日に歩いた距離は、14.1km(2万3814歩)
3日間の総合計距離は、44.6km(7万5833歩)となった。
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ある人に、北海道旅行は車が必須だと言われた。
たしかに車があればもっと色んな場所に行けただろう。
しかし、歩かないと出会えなかったもの、気づけなかったものがあったのもたしか。
犬とおじいさんなんかがそうだ。
直売所の定休日は、ショックも疲労も大きかったけれど、これでよかったんだと思わせてくれたのは、彼らと出逢えたから。
歩く旅も案外悪くない。むしろおすすめしたい。
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初めての北海道。初めての一人旅。
北海道は本当に素晴らしいところが多すぎて、
行ってみたいところがまだまだたくさんある。
ワイナリーも、ビール工場も、朝ドラ『マッサン』の舞台である余市のウイスキー工場も行ってみたい。
お酒に強いわけじゃないけれど、お酒の奥深さを知るためにお酒をメインにした北海道旅行もしてみたい。
小麦の生産量第1位の北海道には、気になるパン屋さんもたくさんあって、
映画『しあわせのパン』の舞台である洞爺湖周辺のお店にも行きたい。
富良野や美瑛の野菜や果物も食べたいし、
函館や根室、釧路など、各地で獲れる新鮮な海の幸も堪能したいし、
十勝や帯広のチーズ工房とか行ってみたい。
食べ物ばかりだけれど、美味しい食材が育つ場所には、人の手では作り出せない自然が生み出す美しい景色があるはず。
その景色をこの目で見てみたいし、その土地の文化に触れたい。
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友達からぎっくり腰の知らせがきたあの日、
一人でも北海道に行くことを断念しなかった自分に、
よくやった!と背中を叩いてあげたい。
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何か心にとっかかりがあって、一人旅をすることに踏み出せない人がいたら、こう言ってあげたい。
「一人旅ってそんなに気を張らなくても意外といけちゃうものだよ。一人旅に大それた目標なんてなくても、歩いてるだけで、そこにいるだけで、意外と楽しめちゃうし、それだけで気づけることもある。『偶然』に初めて一人旅をすることになってしまった私がそうだったから、君ならきっと大丈夫。」
って。
まあ、こんなこと言ってる私も、海外に一人旅、ともなれば、まだそんな勇気はでないのだが。
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