社員はラクでいいよね、と思っている社長へ。
社員はラクでいいよね、と思っている社長がいる。というか、口にはださないだけで全員の社長が思った経験があるだろう。
社員からすると社長のほうがラクに見えるかもしれない。いつも会社にいないし、毎晩取引先と飲み歩いているし社長はいいよね、と。
社長と社員、どちらがラクか?
両方の立場を経験した私の意見は...確かに社員はラクだ。
社長時代は休日も寝てる時も心が休まらなかったけど、それに比べ社員は精神的安心感は半端ないし、休日はただただ休むことができる。社長を辞めて最初に思ったことは、これで休日は心置きなく休める、だった。
社長は、社員はラクでいいよね、なんて絶対に言ってはいけない。誰が給料払ってると思ってるんだ、とも言ってはいけない。
他の人がラクに仕事ができるのと、自分の仕事がラクなのは別の話。おなじ天秤にかけるからおかしなことになる。比べてはいけない。
社長は銀行から借金してリスクを背負って経営してるのに、会社にぶら下がってるだけで給料がもらえてラクでいいよなお前らは。っていう社長には誰もついて行きたくない。
人間は、想像できないものには共感できない。
社長と社員は立場が違うのだから、すべてを理解しあえるワケがない。社員には社長には見えない小さな苦労がたくさんある。社長のように鶴の一声で豪快にいきたくても、繊細にいかなければならないこともある。
人によって、立場によって、苦労は違う。
この違いを受け入れ理解しようとすると円滑に進む。
「社員はラクでいいよね。」
こう思うたび、自分は経営者としてなんて器が小さいんだと自己嫌悪になっていたかもしれない。
だけどね、それが社長ってもんじゃないですか。
社長になったときから、いいことも悪いことも多少の理不尽も受け入れる覚悟はできているはず。
自分の思考の理不尽も、少しくらい受け入れてあげたらいいじゃないか。
もうとっくにわかっているでしょ。
「社員はラクでいいよね」は、もっと社員をラクさせてやりたい、の強がりのことくらい。
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